6,冒険の見送り
「それじゃあ、みんな。
僕は行くよ。
どうして平凡な僕が勇者に選ばれたか分からないけど、とりあえず選ばれたからには頑張ってみる
もし僕が死んだら、、」
数日前から考えていた言葉を幼なじみに遮られる。
「死なねぇよ」
「え?」
「なんというか、ワテの勘だけどな。
てめえはそう簡単に死ぬようなたまじゃねぇ。
昔からユーは運が良かっただろ?
景品とか一等とか当てたの一回や二回じゃないじゃん」
「ああ、あんな昔のことを、、」
家族や知り合いも頷いた。危険なたびになるとうのに、この人たちは全然僕が死ぬことを想像できないらしい。村一番の強豪と言われてたらしい村長も追随する。
「そうじゃ。それに、勇者は不思議な加護というものがついておる、
そう、なんと言ったかな。ホセ、、ポセイドンとかなんとか、、」
補正と言いたいのだろうか?まあ異世界なんでそんな言葉はないんだが。
「気をつけてな。無理だと思ったらいつで帰ってきていいんだぞ?」
「そうよ!ユーちゃん!魔王討伐とはいえ、命あってのものだからね!あとお弁当はもった?それから目覚し時計やお布団は、、」
「心配しすぎだよママ。でも、ユー。これだけは言っておく。魔王を倒すまでもどってくんじゃねーぞ!」
「どっちなの?パパ?さっきと言ってること違うわよ?」
「そうあうギャグだ!ガハハ!」
「あら〜」
「ふっお前はなんかできると昔から思ってた。まさか知り合いから勇者が出るなんてな」
「キャンキャン!」
そして賑やかな見送りに見送られ旅に出た。
少し歩いただけなのに、一気に静かになった。腰の剣の重さが身にしみる。
外に出ることすら初めての経験だが、僕にはみんなの応援と、最強の勇者の剣がついている。
そのことを心の支えにして歩き始めたのだった。
そしてしばらくすると最初の敵と遭遇する。