魔王との対峙、僕たちは走り出した。
「よく来たな、勇者よ」
声からして、そいつが普通でないことはすぐに分かった。
「我が魔王だ。
さあ、剣を抜けこの時代の勇者よ。
今再び実力を確かめてやろう」
第一声 がそれだった。
魔王の姿は僕の予想のしないものだった。
それは人型ではなく、まるで禍々しさ凝縮したエネルギー体だった。
しいていうなら、ブラックホールのような暗黒の光球。
その周囲を暗黒のモヤのようなものが漂っている。
そして僕らに告げたのだ。
僕はあっけにとられていた。
てっきり角の生えた禍々しい表情をした巨人をイメージしていたのだ。
がしかし伝説の通りならば、この勇者の剣で倒すことができるはずなのだ。 いやむしろ勇者の剣でなくては切れないと思われた。
「ユーくん、、」「もしかしてこれ、、」
異様な肌感覚。ゆえに二人も気がついたのだろう。
勇者でなければまともに戦えないと。
「わかってる。
あれは僕の力でしかダメージを与えられないものなのだろう」
だが、二人は戦わなくても僕の力になる。
「君たちはそこで見ていてくれ。君たちの存在が僕を強くさせる、君たちの存在だけで僕は何倍も強くなれる。いてくれるだけで、、」
「そんなの嫌よ!」
「私たちも戦うわぁ!」
二人とも強情だ。
その言葉は嬉しかった。
だが、事実魔王には僕しかダメージを与えられないようなのである。二人を無駄に危険に晒すわけにはいかないのだ。
「二人共、、嬉しいけど」
だけどもその言葉と共に剣が何か光ったような気がした。
そしてふと分かる。
「それなら、、」
僕は両手を上げて彼女たちに触れる。
僕は初めて使うにも関わらずスムーズに自然にそのスキルを発動できた。
それは勇者のエンチャントである。
僕のオーラが彼女たち2人に体の周りや武器を光らせた。
「なんとなくわかる。これで奴にダメージを与えることができるようになったはずさ!」
「すごい、、力が湧いてくる、、!」
「この力、存分に使いこなしてみせるわぁ!」
僕たちが新しい力に目覚めているにもかかわらず、対する魔王は余裕の声でつぶやいた。
「さすが真の勇者。
やはり このその程度のスキルくらい使えてもらわないと困る
さあ、実力を見せてもらおうか」
ブラックホールの魔王がこの世のものとは思えない声で言う。
「それはやってみなくちゃわからない!行くぞ!アリサ!マリヤ!」
「りょーかい!」
「がんばりますぅ!」
早速僕は走り出した。




