最弱の守護者、リキテンサヨーテン
「俺は第一の番人、リキテンサヨーテン。」
室内に入るなり、そいつは言った。
その身長は5 M もあろうかという人間離れした体格だ。
しかも棍棒を持っており、その重量感はとても普通の人間が持てるものではない。
「早速だが始めさせてもらうぞ」
言いながらそれを驚くほど早く振り回したのだ。目標は僕。 この冒険の初めの頃ならばこの時点で僕は死んでいただろう。
しかし
「ふんっ!」
「ほう?やるな!貴様!」
今の僕になら、見える。そして避けられるのだった。
「 だがそんな華奢な体で我が攻撃を交わしたと思うなよ?! 」
彼の言う通りだったそのコンボは地面さえ破壊して、破片などが僕たちに襲いかかって来た。さらに、それには混紡を通して魔力を流しこまれており、数段攻撃力が強化されていた。
そうこれはもはや範囲攻撃である。
がこの程度の攻撃、、!来るとわかっていれば、、!
「 ウィンドスラッシュ! 」
エンチャントで間に風をまとわせ動体視力と剣技でもってして破片を全て分子レベルまで分解した。
もちろん仲間二人にも当たらないように計算してである。
「 サンキュー助かったわ」
「さすがですぅ!ユーくん!」
「うん!でも油断しないで!まだ来るよ!」
大男、リキテンサヨーテンは再び混紡を振り回す。
「今度は私が!」
アリサは時間停止のデバフエンチャントを掛けた矢を無数に放った。
「がぎぃ!」
それらは一本一本は微弱であっても、全体で大きな力となり、そいつの動きを一瞬止めたのである。
そしてそれと同時に、
「カードエグゼクティブ!」
その頭上に魔法陣がカードを中心に展開した。これによりいくらでもその位置からの極大魔法を撃ち放題なのである。
「重力魔法、、!」
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」
所詮は力だけの敵。カウンターなどないが、しかしその体力も並外れたものがあった。
ぶちぶちと破壊されつつ、同時に再生もしてゆく。マリヤの魔法を直撃して再生のほうが上回るだなんてさすがラスボス前の敵と言えた。
しかし、動きが止められているなら、いくらでもやりようがある。
「速度エンチャント、、防御力エンチャント、、斬撃エンチャント、、!」
僕はイシキしてスターテスを操作できるようになっていた。スタミナを消耗する代わりに一時的に必要な能力値をあげるのである。それは言わばスポーツマンにおけるイミテーションも兼ねており。僕は勇猛果敢にそいつの心臓めがけて飛んでいったのだ。
その一筋の弾丸はその分厚く柔軟な体をぶち破ると思ったのだが、
「にやり」
笑った。そしてリキテンサヨーテンは大口を開いたのである。それは顔ではなく、胴体に無数に開いている牙が見えた口だった。
「ユー!危ない!」
心配性のアリサは叫ぶが、
「ふふぅ。アリサ、何の問題もありませんわぁ。あの程度、ゆーくんに傷一つつけることはできません」
マリヤの言うとおりである。僕は加速中に得たノリノリゲージを利用して、全身からすべてを破壊する正義の光を放った。
「ライトニング、エクスプロージョンッッゥゥ!!」
瞬間、爆発。
「ぎゃあええええええええ!!」
僕はこともなげに地面に降り立つと、ホコリを払いながら歩き始めた。
「さ、いこうか」
「ユー、かっこよすぎ、、!」
「わかってたけどぉ、それでも、、すきっ!」
何やら背後から熱い視線を感じるが、きにしないでおこう。今はラストバトルなのだ。




