魔力の矢、ほらできた!
その次の日のことである。
「ちょっと、いい?」
旅の途中、トイレ以外にアリサはすこしパーティから離れることがたまにある。
僕は察した。
「矢を補充するの?」
「うん、ごめんねー。昨日の夜にモンスターの襲撃があったから、早めに使い切っちゃって」
普通なら夜、寝る前に彼女は落ちている枝などから矢を作るのだ。
それは普段の冒険に十分な数なのだが、エンカウントするモンスターの数は増減する。
つまりたまに矢が足りなくなることがあるのだ。
そんなとき、アリサは少し休憩を僕たちにさせて、自分は矢を補充するのである。
「いいよ。そろそろお昼だし早めに休憩しておこう」
「マジ超ごめんねー?」
「いいって、慎重に越したことはないから」
しかし、そんな中、
「あらぁ?張り切りすぎて矢を無駄うちしたのは誰かしらぁ?」
「ちょっとマリや!」
彼女はは先日、アリサに嫌味を言われたことを根に持っていたのだ。
「なによ、、!」
「二人とも!」
僕は諌めるが止まらない。
「あなたは足止めだけでいいのに。矢の消耗が激しいのは、最近頑張っちゃって無駄うちしたからじゃない?」
そう、確かにアリサは弱点攻撃が格段にうまくなっている。
それによって、マリヤ魔法が止めをさす作戦から、弓矢倒せるときは倒す作戦に変わり、矢の消耗が多くなっていることは事実なのだ。
「私から手柄を横取りしたくて頑張るのはいいけど、こんなところてパーティ全体の足を引っ張るのはよしてくれないかしらぁ」
「むむむ」
そんな言い方しなくてもいいのに、、。
しかし、当の言われた本人のアリサは、しばらく怒ったあと、ショボンとしてしまっていた。
いつもは元気よく反論するはずなのだが、、。
これにはマリヤも困惑する。
「どうしたのぉ?なんか言い返しなさいよ」
「いえ、いいの。確かに私の矢を補充するために、たまにパーティの進行を遅らせていたのは事実だし、、」
「アリサ!?」
何やらアリサらしくない。
いや、アリサはチームのことを本当によく考えてくれるいい娘なのだ。
だからこそこの問題を反論することでなく、きちんと受け止めることにしたのだろう。
そんなアリサに、マリヤも珍しく肩を持つ。
「そ、それはたまにじゃないのぉ!言いがかりだって分かりなさいよお!」
「でも、、」
その時、はっとした表情になるアリサ。
そして、手のひらを目の前にもってくると、なにか集中し始めた。
「何をしているの、、?」
「少し黙ってて」
「なぁっ、、!」
しかし、アリサはその手のひらから光を放ち始めたことから、マリヤも口をつぐんだ。
そう、それはエンチャント魔法の光だ。しかし今はその手には何も持ってない。
「な、何をしているのぉ?」
「魔力で矢が作れそうな気がしたんだけど、、」
「えぇっ?!」
マリヤは驚いた。
「確かにそんなことをしている人は歴史上存在するわぁ。
でもそんなことができるのは並外れた魔力の持ち主だけよぉ?」
「でも、、あと少しで!」
何やらその光が形を持ち始めた。そして細長い楕円のようになってゆく。そして、
「ほら!できた!」




