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2、勇者の剣広場
「俺が先だ!」「いや俺が!」
村の『伝説の剣広場』につくと、大勢の人が我先に皆抜こうと、人悶着がおきている。
中央の勇者の剣のところにスタッフさんと村長がいた。
そしてそこに長蛇の列が並び、先頭で強そうな強者が勇者の剣に奮闘しているところだった。
「んん〜!!」
「はいご苦労さまです。次の人〜」
「ちょっと待て!まだ俺の本気はこんなもんじゃねぇ!」
「スタッフの人、お願いします〜」
そう言うとともに控えていたムキムキの冒険者が両側から現れた。
「困りますよ。お客さん」
そして両腕をガッチリと掴み退場させられた。
「何をする!ああ〜!」
「よっしゃ!次はワイや!ワイこそが真の伝説になるんや!」
しかし彼も同じように退場させられ、、。
そう、こんな風に、列の動きは遅く、中々ぬけるものはいない。
だが、日もくれてはようやく騒ぎも収まった頃、静観していた村の人たちも立ち上がって列に並ぶ。
「ようやくか」