月が綺麗、え?関係って?
そしてそれから二人で何気ない会話を楽しんだ。
「人が書きたいって言ってたけど月には女の横顔が見えるじゃん。モデルの宝庫だよ」
「えー、見えないですよぉ〜」
「じゃあ僕がどんなのか描いてあげるよ」
「あっ、こういうことですかぁ!クレーターなんですねぇ」
「そういうこと」
そして筆を返した時である。ポロッと渡すのを失敗して筆が芝に落ちた。
「「あっごめ」」
両者同時に動いて手と手が重なる。
「、、、!」
マリヤはばっと飛び退いて顔を赤くした。何やら様子がおかしい。やたら僕が触れた手を撫でている。
「はわわぁ、、なんてロマンチック、、!」
何事かつぶやいていた。僕は彼女の顔を訝しげにじっと見つめ尋ねた。
「どうしたの?」
「えっと、そのあの、、なんといいまが、月が綺麗だなってぇ、えへへ。そう、月が、綺麗、、つまり、すすすすすさすす」
「?」
何やら支離滅裂なことを言っていた。月が綺麗?
そういえば前世では月が綺麗というのはプロポーズみたいな話があったが、この異世界では関係のない話だろう。
まあ、僕以外にも転生者とかがいて広めたとかなら別だが。
彼女は少し落ち着いたと思ったらこちらをじっと見つめてきた。
「なにが顔についてる?」
しどろもどろになりながらも不審な挙動でマリヤは言う。
「あ、あのあのあのぉ、もしかして聞きますけど、アリサさんとはどういう関係なのですかぁ?
あの、その、、旅の仲間以上の関係と言いますかぁ」
何か要領を得ない、何のために聞いてるんだろう?その質問。
「関係って?例えば?」
「えっと、その、こ、こここ恋び、、」
とその時だった。




