第5話 〝クーガーの車内にて〟
ちょっと、最近調子良いです。ってことで、恒例の用語紹介~。
〈登場兵器・駐屯地〉
・CH-47J<又はJA>
ダンデムローター式の大型輸送ヘリ。ダンデムローター式というのは、カウンタートルク(1つの回転翼だけだとその回転翼が回っている方向とは逆の方向に機体がぐるぐる回っちゃうこと)を防ぐための方法の一種で、一般的なのはメインローター(主回転翼)を取り付けカウンタートルクを防ぐためにテイルローター(よく見るヘリコプターの後ろの部分にくっついてるやつ)を取り付けるのが多い。『CH-J』<又はJA>の愛称はチヌーク。ちなみに、『JA』という型番はJ型の発展型を意味する。
・北宇都宮駐屯地
主に、“航空”系の部隊、学校がある場所。明野駐屯地に本校がある、航空学校宇都宮校があり校長は北宇都宮駐屯地司令長官である。部隊は、第12ヘリコプター隊があり栃木県やその周辺の空域を管制、『UH-60JA』を主力兵装としている。敷地内には、宇都宮滑走路がありヘリコプターを一度に沢山離陸させることができる。
参考:Wikipedia
司令官の話が終わり、日本海側に派遣するための『チヌーク』が着陸している北宇都宮駐屯地へと向かうため、『96式装輪装甲車』に乗車した。その薄暗い車内では、他の予備自衛官らが話をしていた。
「なあ、聞いたか?新国立競技場の爆発、あれロシア製のC4らしいぜ。」
僕は、決して盗み聞きをしているのわけではないのだが、この話は驚いた。新国立競技場の爆発は、事故ではなく事件。さらに、他国からの攻撃の可能性もあるということだ。そういえば、開会式直前のニュースで何らかの理由で北朝鮮、中、露の首脳が出席出来ない、と言っていた。僕には、怪しいとしか思えない。ただ、作者には推理能力は存在しないし、推理小説に転換する気も無いので、この話はここで終わりにするとしよう。
ところで、僕は『北宇都宮駐屯地』とはどのような場所か分からなかった。なので、誰とも話していなかった隣の人に聞いた。
「あの、北宇都宮駐屯地って知ってますか?」
「ん?いや、知らん。」
で、ですよね~。即答で答えられました…
すると、その会話を耳にしたのか、向かいに座っていた人が言った。
「私、北宇都宮駐屯地、知ってますよ。知らないですか?教えて差し上げましょう!」
ちょっと、フレンドリーなのは気になるが、教えてくれるなら教えてもらおう。
「え?そうですか?教えて下さい。」
「えっと…北宇都宮駐屯地っていうのは、陸上自衛隊の訓練用ヘリコプターが置かれていて、滑走路もある駐屯地です。他には…あっ、SUBARUの自衛隊機を製造、整備したり修理することができる工場もあります。そんな程度しか知らないですね。」
意外と、詳しいところまで教えてくれた。だが、その人はまだこちらを見ている。まだ、話したいのだろうか。だが、僕にはそうは思えない。なぜかって?その人は、若干だが鋭い目をしているからだ。
ぼ、僕は何かしただろうか…こ、怖いわわけじゃないよ。あまり、人と関わってないから。今頃だけど、怖そうな人だな…まずい、とりあえず、聞くしかない!
「えっと、えー。何かしました?」
「分かっていないようですね。」
分かっていないとは?僕の記憶にはございません。
僕は、かなり考えた。だが、やはり浮かんでこない。しびれをきらしたのか、向かいの人が続けた。
「私は、自衛隊機と言ったのです。要するに、陸上自衛隊だけでなく、海上自衛隊、航空自衛隊等の自衛隊管轄のヘリを全て担当してると言うことを言いたかったのです。」
あ、文法エラーではなく論理エラーでしたか。つまり、言葉の“あや”というやつですね。
「あ!成程。いやぁ、気付かなかったぁ。口喧嘩でもしたら勝てないや。」
とりあえず、褒めておいた。一応、自分なりに褒めたのだがどうだっただろうか。
「ハハハ!今回は、私の勝ちですね。」
なんか、気付かぬ内に勝負が始まっていたらしい。まあ、丸く収まってよかったと僕は思った。ただ、この人は負けず嫌いなのかな?とか思ったが、質問するのはもう少し仲が良くなってからでも良いだろうと声には出さなかった。
「そういえば、自己紹介をしていませんでしたね。私は、根岸鯖妥です。名前が難しくてですね、魚の“鯖”に“妥協”の“妥”です。よろしく!」
相手が、自己紹介をしてくれた。正直、どのように自己紹介に入れば良いか分からなかったので、とても助かった。恐らく、栃木県が好きなのだろう。住んでいたのか?
そういえば、と僕は自己紹介をしていなかったことを思い出した。
「あ、鯖妥さんですか。僕は鈴宮國雄です。名前は、難しい方の“國”に高雄の“雄”です。宜しくお願いします。」
一応、予備自衛官小隊の中に話をすることができる人が出来た。とりあえずは、退屈しないだろう。
またまた、前書きが長くなってしまった。
はぁ、どうしようかな?
ちなみに、若干ラノベっぽくてもいいですかね?突然のように変わったけど…
こうした、会話が多いシーンは主人公の脳内を覗く機会が多くなりますので悪しからず。