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予備自衛官が戦争に駆り出される惨状(没)  作者: Re:Ru
第1章 始まり
4/41

第4話 〝日本の安心、同時に戦慄〟

そういえば、部隊の説明を忘れていたのでここで一気にのせます。忘れていたので、かなり長くなりました。

〈登場部隊、兵器〉

○陸上自衛隊

・宇都宮駐屯地

日本国の駐屯地で唯一、『中央即応連隊』が駐屯する駐屯地。『中央即応連隊』は、陸上自衛隊に治安出動、防衛出動の命令がされたときに最も早く展開、行動する。他にも、155ミリ榴弾砲を主兵装としている『第12特科隊』、『第1施設団』等が駐屯している。

・三宿駐屯地

三宿駐屯地は、自衛隊中央病院や陸上自衛隊衛生学校など“衛生”に関する施設、部隊が多い。主な部隊は、『対特殊武器衛生隊』、『東部方面通信群』がある。

・練馬駐屯地

『第1師団司令部』、『第1普通科連隊』、『第1偵察隊』等が駐屯する要と言ってもよい場所。『第1普通科連隊』の74式戦車が有名。

・96式装輪装甲車【クーガー】

陸上自衛隊の2名で運用できる装甲車両。搭乗員の他にも、12名の隊員を乗せることができる。陸上自衛隊隊員の中では、『96』や『96W』と略されるそうだが本文では、分かりやすいように『96クーガー』とした。

・オスプレイ【V-22】

ベル・ヘリコプター社とボーイング社が合同開発した、航空機。Aタイプは空軍仕様、Mタイプは海軍、海兵隊仕様となっている。ヘリコプターの会社と飛行機の会社が合同で開発しただけあって、今までにない特徴的な造りとなっている。角度を調節できるプロペラは、特に有名で小型飛行機の長所である長い航続距離、ヘリコプターの長所であるホバリング等が表れていて究極とも(多分)呼べる。操縦が難しいことは黙っておく。

ちなみに、日本バージョンのオスプレイは機体後方側面両側に日の丸があり、天板に海上迷彩を施している。

・戦闘服

陸上自衛隊での第一種戦闘服は、普通の人が【陸上自衛隊】で思い浮かべる装備。主に、鉄帽(鉄製ではない)や防弾チョッキ、迷彩服等。


○海上自衛隊

・きりしま型ミサイル護衛艦

海上自衛隊で数少ない、イージスシステムを搭載したミサイル護衛艦。イージスとは、高性能レーダーシステムのことで一度に大量の敵味方を探知し、殆ど全ての目標に対し同時対応が出来る。艦前方、後方にあるVLSからミサイルを発射できる。3連装短魚雷等も装備。


参考:Wikipedia(きりしま以外)

 5分程経っただろうか。続報を聞くために、この場は静まり返っていた。すると、スピーカーからマイクロフォンの電源を入れたまま乱雑(らんざつ)に動かしたかのような音が流れてきた。その音に続き、アナウンスが入った。


〈ミサイルは先程、海上(かいじょう)自衛隊(じえいたい)『きりしま』により撃墜(げきつい)されました。ミサイルは、3発。ロシア(せき)が2発と北朝鮮籍が1発です。〉


ミサイルは、撃墜されたらしい。安心できるように聞こえるが、僕にはそうは思えない。なぜなら、“撃墜された=日本に着弾(ちゃくだん)するように仕向けられた”と言うことになるからだ。

 すると、間髪(かんぱつ)入れずにまたアナウンスが入った。


〈北朝鮮、ロシア、中国の艦艇(かんてい)が港から消えているのを確認。よって、陸上自衛隊中央即応連隊は目的地を新潟に変更。練馬駐屯地、『第1(だいいち)普通科連隊(ふつうかれんたい)戦車大隊(せんしゃたいたい)行動準備。予備自衛官は、当初(とうしょ)の任務を外れ、現職自衛官の援護(えんご)に回りなさい。〉


 こんなにも、現実味(げんじつみ)()びていながら非現実的な事は初めて聞いた。


 日本は、対国家防衛戦の準備に入ろうとしていた。


 僕は、()かされながらも戦闘服に着替えた。予備自衛官は、どんよりとした雲のもとに整列させられていた。


「よく、ここに集まってくれた!」


予備自衛官の司令官とやらの演説ならびに作戦概要(がいよう)説明が、始まった。


「貴官らは当初、交通整備や派遣された自衛官の96クーガーの警備にあたるはずだった!だが、ロシア等の超大国の進軍が懸念(けねん)されるため任務を変更する!」


 ここで、司令官は言葉を止めた。すると、それを見計(みはか)らったようにこの場がバタバタ、という騒音で()()くされた。

 オスプレイの中隊だ。オスプレイは、アメリカ軍のマークを付けていた。それらが通ったあと、灰色の機体に映えた深紅(しんく)の日の丸を(かか)げたオスプレイも通っていった。本来、海上自衛隊の輸送艦(ゆそうかん)と共に離島防衛(りとうぼうえい)(たずさ)わっていたはずのものだ。それが、北西の方向に飛んでいった。

 オスプレイの編隊(へんたい)が通りすぎた後、司令官は続けた。


「貴官らには!戦場の第一線にて、弾薬補給(だんやくほきゅう)をしてもらいたい!これは、総理のご命令だ!命令の拒否は、自衛隊法にて(きび)しく(ばっ)せられる!…だが、この場で拒否するなら私は目をつむろう。」


司令官が最後の言葉を口にした途端、声が上がった。


辞退(じたい)させていただきます!」

「すみません!私もそうさせていただきます!」


 等々(などなど)、自分を優先した(もの)、家族を優先した者と様々な思いで辞退する者はこの場を去っていった。当然、何も言わずに立ち去った者もいた。

 僕は躊躇(ちゅうちょ)をしてしまったがこの国を守りたいという意思を曲げなかった。

ここまで、読んでくれてありがとうございます。

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