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第1話β節 異世界転移

本作には1話ごとにそれぞれα、βのふたつのパートが存在します。

そのため、直前の話からの続きではなく、読みづらさをお与えしているかもしれません。

こうしたらいいというアドバイスなどございましたら、ぜひコメントの方にお願いいたします


ヤケになるとロクな事なんてありゃしない、とかいう言葉はあながち間違いではない。少なくとも俺はそう思う。理由は至って簡単、オレ・・・櫻木悠がまさにその状況下にあるからに他ならない。

互いに不倫に浸る両親、高校でのトイレ弁当生活、はたまたバイト先での嫌がらせ無賃金労働・・・・そんな生活に嫌気がさし、寒さ深まる中、財布片手に家出。現実逃避の旅に見切り発車した。行くあても無く放浪し始めはや5日が過ぎ、気づけばそこは、なんとびっくり山の中。というわけで現在絶賛迷子状態というわけだ。


さて、松の木茂る極相林を彷徨うこと十数時間。突然開けた場所に出た。そして、なんという幸運。そこには大きなプレハブ小屋があるではありませんか!

「やぁっと出れるぅぅぅぅ!」

山中での野垂死にを回避できる嬉しさと共に駆け出した、その時だった。

「ーーーッッ!!」

頭に電撃が走ったかのような頭痛、目眩。そして、直後、背中に急激な加速感。森の木々たちの音が遠のいていく。暗いトンネルのようなものに吸い込まれ、流されているようだ。助けを呼ぼうと口を開くが、喉から発せられるのはヒューヒューという虚しい空気音のみ。抵抗もできず、引き込まれ、引き込まれ、引き込まれ・・・。そうして遥か彼方に白い点が見えた。トンネルの終着点だろうか。それに向かってさらに加速がかかった次の瞬間。


ー突然、視界が虹色に染まったー


ガラスの破砕音のようなものとともにオレの右側からトンネルを突き破ってきた七色の光の奔流。そいつはオレを飲み込み、そのままトンネルの壁を破壊し、左へと貫通していった。先ほどの暗闇とは一転。白みがかった虹色の中を動くこともできず・・・いや、体の感覚すらなく、まるで体の全てがその大河の一粒一粒に分解されたかのように流れていく。


音楽が聞こえる。幾重にも重なっている女の歌声だ。同時に光の河の流れが止まり、膨大な量の輝きが全て渦巻いて一気に集束し、そして・・・ひときわ眩い閃光とともに、オレの意識は白く染まっていった。




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