第1話α節 異世界転移
東京都街中にあるビルのモニターには僕の父、高崎隼人映っている。
それを僕はぼーーと見ていた。
「我が国日本は米国との同盟の解消又国交断絶の後、経済において目まぐるしい速度で悪化をし続けている。この事態によってもとから目をつけていた中国の他にロシア、フランス、北アイルランドからも不平等貿易などの標的にされた。
我々はすべて失いつつある!ならば何をすべきか!我々に残されたもの、それは技術力である!
我がレグルス・レプリカ社はそれを技術力を持っている。他の国に圧倒する力を!」
「流未、流未、流未さーんおーいおーーーい」
ガスッっと頭に衝撃が走った。
「う、い、痛い、・・・なんだよ」
「なんだよ。じゃっねぇーよ、反応しろ反応!」
この僕の頭を小突いた男は同じ高校に通いよく話しかけてくる奴だ。正直少し鬱陶しい。
「今日どうする?どっか食べいっか?」
今日は父と大事な約束がある。誘いを断るのは苦だか仕方ない。
「今日大事な用事があるんだ。すまない。」
「そ、そっか、まっ又明日会おうぜ。」
男は去っていった。
あいつは良い奴だ。きっとコレからも変わることは無いだろう。
帰りの車は何時もと違った。僕は父さんのレグルス社の所有する山にあるマンションの一室分くらいのプレハブ小屋に向かった。
運転手が
「流未様、お飲み物はいかがですか?」
と聞いた。この運転手は幼い時からずっと家で働いてくれている。別段喉が乾いたわけではないのだが、僕は運転手の気遣いを素直に受ける事にした。
「ありがとう」
僕は受け取った飲み物を飲みながら目的地に着くのを待った。
寝ていたのだろうか、俺はプレハブ小屋に着いていた。プレハブ小屋には赤く鈍色に輝く光があった。父上の声が聞こえる。
「流未、今の調子はどうかね?英雄となるお前にささやかなプレゼントもくれてやった。さぁ、準備は出来ている後はお前が触れるだけだ。」
俺はそれが何かは分からなかったが俺だけしか出来ない、俺の夢のような気がした。
夢、夢、夢、夢、夢、夢、夢、夢、
俺の夢は
「ー世界を変えて世界を救うー」
俺は光に触れた。
光は広がりもといたプレハブ小屋の代わりに無限に広がる暗闇と異世界に繋がると思われる、俺の呑み込まれた光とは別の輝きを放つ光だけが存在した。その光は徐々に俺を包み込み、体全体が光に覆われようとしていたその時だった。突然強い衝撃が轟音と共に空間を揺さぶった。光が弾け、俺は暗闇に向かって弾き飛ばされる。どこへ飛ばされたのか、それを確認する間も無く、俺の意識は黒く塗りつぶされていった。
投稿ペースは今のところ毎週日曜日にα、βを1つずつ一挙、という感じですです。始めたばかりで拙い文章ですが、どうぞ末長くお付き合いください。