~冷や汗~
どうも!コトネです(*゜▽゜)ノ
もう11月中旬になって、寒くなってきましたね!
そんななか、今回は冷たいようで熱くなりそうな回、~冷や汗~です!どうぞ!(*゜▽゜)ノ
確かに、その"鳴き声"は聞こえた。彼女の席の近くである私の耳にも、しっかりと聞こえた。
「にゃー。」と。
ゆみさんは、えっと驚くような顔をして振り返り、彼女を見る。
彼女は…チョココロネを美味しそうに食べていた。
「んーー!!本当に美味しい!!私、これ本当に大好きだなぁ!いつもこんな美味しいチョココロネを出してくれて、ありがとう!」
と、彼女は言い、ゆみさんに向かって満面の笑みを見せた。
ゆみさんは、「え、えぇ!こちらこそご来店いただけて光栄ですっ!」と、これまた笑顔で返した。
強引すぎるだろう…。とても。
でも、バレなかっただけいい、というものだ。恐らく、いや絶対、彼女のテーブルの上にある鍋の中身は猫だ。
長老という名の、猫だ。
私はコーヒーを啜った。さっき分けてあげるとか言ってたなぁ。猫に食べさせていいものなのか…。
そう思っているところに、来店のベルが綺麗な音を立てた。
入ってきたのは、女子大生か専門学校生くらいの女の子だった。
走ってきたのか、顔を赤らめて、息を切らしている。
店内を見廻して、誰かを探している。見当たらなかったのか、2階に行くがすぐに下りてきた。そして、またベルを鳴らして外に行く。スマホを手にして、何か確認したのち、またベルを鳴らして入ってきた。
そうして、もう1度よく店内を見回し…
「あ!!!」
見つかったようだ。
誰のことを探していたのだろう…。この女の子が向かった先は、なんと、あの鍋の女性のところだった。
「くりおねえちゃん!分かりづらいよ!!」
その子は、まだ落ち着けていない息のままに、堰を切るようにその女性に迫った。
「いきなり長老とお散歩♪って言ってお鍋持ってどっか行っちゃうし、お気に入りのお店で待ってるね(≧∇≦)ってメールきたけど、どこのお店なのか店名ないし!」
「ああ!ごめんごめん、コトちゃん。」
待って、待ってくれーー!!コトちゃんとかいう子、もう少し声量を下げて言ってくれ。
せっかく、鍋の中身の露呈を塞げたところに、爆弾のように飛んでくるんじゃないっ!
私は、冷や汗をかいていた。いや、当然だろう?分かるだろう?何がまずくて、何がやばいのか。
明らかに、このくりおねさんという女性が、長老という何かを鍋に入れて散歩したついでに、このお店にいるっていうことが丸わかりな発言をコトちゃんはした。
しっかりこのコトちゃんの声がゆみさんに届いていたのなら、これはもう、ゆみさんから2枚のレッドカードを逆に届けられる。つまり、この2人(と1匹?)がご退場願われてしまいかねないからだ。
なんでこのタイミングで、コトちゃんは来てしまったのだろうか。ゆみさんにバレなかったことに安堵した、あの時間は本当に束の間だった。
どうか、どうか早くお帰りにならないものか…。次回も来れるようにするためにも。
そう思ってふと、くりおねさんとコトちゃんがいた席を見ると。
居ない。
鍋もない。
諸共に消えている。
と思ったら、店の外を、鍋を持ったコトちゃんと、チョココロネを手にしたくりおねさんが歩いて行った。
私はコーヒーを、啜った。
本当に、本当に心の底から安堵した。
「ひぇっくしょん!」
失礼。ついくしゃみが出てしまった。
私は猫アレルギーなのだ。
読んでいただきありがとうございます!
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