生きる
俺たちの日常は、唐突に奪われた。
そう、なんの前触れもなく。
俺たちの高校は、戦場と化した。
朝6:30分出来立ての目玉焼きを食べる。それを20秒ですませる。そして歯を磨き、制服を着て6:40分のバスに備える。気持ちいい春の風。心地よい鳥の鳴き声。いつもの春の日常だ。
「おはよー武!今日も楽しくイコーゼ!」
こいつは、親友のカズ。不器用だが頼りになる。
「おはよう!!カズくん、武くん!!」
このうっとうしいのがクラス委員の鉄くん。運動神経抜群。頭脳抜群。みんなからも信頼されている。
「キーンコーンカーンコーン」
チャイムが鳴る。
「急ごう武!始まるぞ!」
一時限目は国語。
「ここの問題カズくんやってください。」
「うわー!くそ!」
いつもの授業。いつもの反応。それぞれがそれぞれの日常を過ごし一日が終わる。
はずだった。
「どおおぉぉぉおおん!!!!!」
物凄い衝撃と音が俺たちを襲った。一瞬全員が宙に浮いた。何人かは転げ落ちている。
そして一人の女子が外を見て叫んだ。瞬時に全員が外を見る。目に入ったのは信じられない光景だった。黒く、牙はむき出し、頭は長いこの世のものとは思えない姿だった。クラスが混乱になる中一つの放送が鳴った。
「これより、全国一斉高校生強化プロジェクトを開始します。制限時間は、一週間。その動物を殺さないとこの学校全員死にます。武器は、心の中にあります。頑張りましょう。」
訳が分からなかった。
「ドッキリだろ!ハハハハハ笑えるわー!!あれ作りものだろ!みてきてやるよ!」
一人の男子がそいつに近ずく。全員固唾を飲んで見守る。
「やっぱりドッキリだわー!びびったぁ!」
俺たちは安心した。しかし一瞬で変わった。
「パァーン!!」
嫌な音とともに男子生徒の首が飛んだ。ゴロンと俺たちのクラスにその首は転がった。
「うわぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「逃げろぉ!!!」
クラスが一瞬で恐怖に変わった。とにかく逃げよう。急がないと死ぬ。少し遅れて廊下に出るとそこは、血の海だった。20人以上死んでいた。
「うわぁぁぁぁぁ!!!!!!」」
とにかく怖かった。冷静じゃなかった。死にたくないと思うことしかできなかった。
「落ち着け!!!武!!!」
我に帰った。声をかけたのはカズだった。
「あいつはここには、いない!冷静になれ!!!」
ふかくにもカズに言われるとは。そうだ。カズと生きる最短の道を探そう。地下。そうだ!地下のシェルターに行こう!
「カズ、シェルターに行こう!」
「わかった!」
俺たちは全力で走って、やっとつき身を隠すことができた。すると放送が流れた。
「なお、1日の時間は午前6時〜午後10時までとします。」
カズが動揺している。俺も怖いのだ。
「武!まだ9時だぞ!」
「とりあえず1日目は、大丈夫だ。ここの場所は、俺しか知らない。作りかけをたまたま見つけたんだ」
何時間経っただろう。ふと携帯を見る。午後9:50分残り時間10分。外では何人死んだだろう。
「1日目は大丈夫だ。ふぅぅー」
安心にしたっていた。まだ死んでいない。生きているんだ。家族が心配だ。帰りたい。明日からまた始まる。絶対生きる。2人で固く誓い。ねむりについた。
~1日目終了~