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第1話

「HAPPY BIRTHDAY TO U♪ HAPPY BIRTHDAY TO U♪ 

HAPPY BIRTHDAY DEAR UMI♪ HAPPY BIRTHDAY TO U♪」


こんばんわ~。今日は9月23日私の誕生日!はやくも26歳になりました。ただいまの時刻は深夜12時1分です。先ほど同僚の愛が恒例のBIRTHDAY SONGを歌ってくれました。


「宇美~!!」

「何?」

「あのさ~。26歳になった気分ってどんなん?」

「難しい事聞くね。 う~ん・・・・。人生の3分の1生きちゃったんだ~って感じ。」

「あたしも、あと3ヶ月だよ。年、とりたくな~い。一生若く生きたい。」


こんな、意味のあるのかないのかっていうような会話をダラダラ続け、眠くなってきた~ってところで、

やっと本題に入る。


「あのね。店長が、宇美のために誕生日パーティ開くっていってたよ。」

「え!?いつ?どこで?」

「えっと~。大宮公園の近くのレストランで、18時からだったかな?」

「いつも、急だよね。覚えててくれるのは嬉しいけど・・・。」

「え~。でも、1週間前から準備してたよ。ちゃんとプレゼントも買ったし。」

「わかってるよ。毎年毎年ありがとう。」


私は、本を読むのが子供のころから大大大好きだった。だから、こうして今本屋に勤めている。一番のきっかけは、高校の時の事だ・・・。


----

私は、ある古い本を探していた。近所のビルの中にある新しい本屋にはそれは売っておらず、途方にくれていた。

まぁ、ネットで注文するっていう手もあったけどその日に今すぐ手に入れたかったのだ。

そして、以前塾の先生に教えてもらった本屋に足を踏み入れる事にしたのだ。

はじめ見たときは本当に驚いた。

木造で出来ていて、本棚も木で、本を読むことが出来るスペースに置かれている机と椅子も木でできていたのだ。

ビルの中にあった殺風景な本屋とは何もかもが違っていた。

まぶしすぎる白い蛍光灯もそこにはなく、オレンジ色の明るく、暖かい色でたくさんの本を照らしていた。

木のいい香りが本屋中に広がっていて、「森の中にある図書館」って感じだった。

都会にある本屋とは思えないほど、暖かい空間だった。時間がここだけゆっくりと過ぎているようだった。

店員さんも、営業スマイルではなかった。

「この、本屋に来てくれてありがとう。」っていう気持ちが言わなくても伝わってくるような気持ちの良い心からの笑顔をしていた。

他のお客さんも、どこか幸せそうな顔をしていた。

「私が、ずっと求めていたのはこの空間だ。ここで、働きたい。大好きな本に囲まれ、皆が本によって幸せでいられるような・・・。」そう、思っていたら目からしょっぱいものが・・・。

結局、私が求めていた本も見つかり、帰り際に店員さんの手作りのしおりを貰った。

その日から、私はこの本屋に通い始め、大学を出て一直線にこの本屋に行き、念願だった店員の一員になることが出来た。

あの時からずっと一緒にこの夢を目指した、ハンモックで寝そべり、暖かい日光を浴びながら本を読むかわいらしいリスが「よく頑張った。」と言ってくれているようだった。

ーーーー


就職してからは、毎日新しい事を学んだ。先輩・後輩の関係がとてもよく、私にとっても合う環境だった。優しく、時には厳しく様々な事を教えてくれた。今では、私が教えるほうになっている。


「じゃぁ、主役は遅刻厳禁だから、絶対遅れずに来てよ。」

「は~い!」

「切るね」

あ!携帯の通話料やばいかも・・・。

「うん。バイバイ。」

私は、携帯を閉じた。

明日は、久しぶりに図書館いこうかな~。あ、パーティのためにおしゃれもしたいから、買い物もしなきゃ。よし、寝よ。今日は、やる事がいっぱいだ。私は、気持ちよく眠りについた。


もう、あのゲームが始まろうとしているのも気づかずに・・・。







まだまだ続きます!

お楽しみに!

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