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三題噺 タカシ

作者: 白紙 優真

彼は正常ではありません。



『この噺の主人公、タカシは過去に薬をキメていたということから少し…いやかなりとんでいる人物です。

要はアブナイ人です。

皆さん街でもし見かけたら決して面白半分に近づいてはいけません。


覚悟を決めて話しかけることをお勧めします(笑)』


By校長




「信じられないことに今日このT学園にミサイルが落ちてくると先程、国軍から連絡が入りました。

ミサイルは通常弾頭を積んだ戦術ミサイルだと判明しました。つまり、規模はさほど大きくありません。 発射の原因は隣国の大統領のミスとわかりました。 弁償はしっかりするから戦争沙汰にはしないでくれと泣きながら懇願されたら我が国も許すしかないですね。

さあ、皆さん全校朝会は終わりです。速やかに逃げましょう!」


全校朝会で校長は笑顔を壊さずにこのとんでもないことをサラッと述べて自宅に帰って行った。


静まりかえる体育館。

誰ひとり動こうとしないのが普通なのかも知れない。


だが、この学園ははっきり言っておかしい。


そのため、校長の話をしっかり理解した上で全校生徒バラバラに帰宅していく。

まるで夏休み前の終業式の様な光景だった。


まあ、学園がおかしいなら生徒も先生も校長すら全員がおかしいんだ。

だから、学園がおかしいとなる。



もちろんこの俺、タカシもおかしい。

まあ、普段なら放送できないようなことばかり終始考えているのだが、今は至って真面目に進行している。もちろん、漫画や小説で有りがちな脚色である。


それを言い切る時点でおかしい。




まあ、何はともあれ俺も逃げなければまずい。

昔、ガンジャなどに手を出しまくって、脳みそ半分はチーズのようにとろとろに溶けている俺でもそのくらいは分かる。




『みんなも自分の上にミサイルが飛んで来たら逃げること。とにかく逃げるしかありません。


まあ、そんなにしょっちゅうないことだから余裕を常にもっていれば対処できない問題ではありません。』

Byタカシ



でも、タカシは考えました。


みんなと同じ行動では勝てないと。



『人一倍努力しなければ勝利にはなりません。』


By校長


いつか校長が言った言葉です。

確かあの後で校長は猥褻(ワイセツ)罪で警察に捕まったはず……っと余計な情報を付け加えたらせっかくまともなことを言った校長の顔が丸つぶれではないか。


『ようやく気づいた僕です。』


By作者

皆さんに便乗し、つい………。すいません。




あえて逃げないと決めたタカシは体育館に残った。

ミサイルはここに落ちるからだ。

規模はこの体育館がちょうど消し飛ぶぐらい。



まあ、古いし買い替え時だよと言い残し帰った校長。


捨て台詞のように捨て去ったあの後ろ姿。

めちゃくちゃカッコイイなと言うのがタカシの率直な感想だった。



まあ、イカレテル生徒の目にはイカレテル校長がカッコイイように映るのかもしれません。




イカレタタカシはまた考えます。


体育館の上…屋根に登らなきゃミサイルは止められません。


よし。誰よりも努力して勝利を勝ち取るぞ!!


心に決めたタカシは体育館の外に出てから壁につけられている梯を見つけた。

あれから登れそうだ。



ジャンプして一番下の所にしがみつき、徐々に屋根まで登っている最中、タカシはふと空を見上げると太陽とは違う何かが昼間の空を埋め尽くしていた。


あれが今から戦うミサイル。



普通なら恐怖で心臓麻痺ぐらいは平気で起きるかも知れない状況でタカシは自分のなかの自信に気づいた。



俺はあれに勝てる。



なぜかわかりませんが確信があるようです。



とうとう屋根の上に着いたタカシ。


見晴らしは最高です。


「まるで人がゴミのようだ」


この距離ではゴミには見えません。




と余計なことを言ってる内に最後の時が来たようです。


上からは凄まじい轟音。 耳をつんざくような高音と腹のそこを奮え上がらせる低音の醸し出すハーモニー。


なぜか作者の表現もイッテシマイマシタ。


イカレテル。




タカシはミサイルに向かって叫びました。


「とぉぉおまぁあああああああああああれぇぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



イカレタ叫びは読者の期待を裏切ることなく散りました。


ミサイルはタカシに直撃。


死体も残らぬ爆発かと思いきやこの通り爆音一つ聞こえません。


どうやらミサイルは不発でタカシの上に垂直に落ちてしまいました。


タカシは爆死ではなく圧死でした。




ついでに言うと校長も死にました。

今まで隠していた不倫やらなんやらがまるで昔話の宝のようにザックザックばれたらしく、その翌日、校長は惨殺されたようでした。



めでたし、めでたし。



要約すると麻薬の力はすごいということです。




『イカレタこの世に万歳!万歳!万歳!』

Byイカレタ者の会一同




オワリ!

笑えましたか?作者は正常なので安心して、次回作に期待してください。

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