風の塔 VS天機兵
アーニャ「上への階段です!」
逃げながら後ろに向かって光の矢を放つ。人型には通じなくても並の機械モンスターには通用する。
ドガガガガ
ボン!
取り巻き連中はあらかた片付いたか?
私「このフロアだけと信じたい!上まで追って来ませんよ〜に!」
階段を駆け上がる。
しかし、
踊り場に着いた時、私は絶望した。
上から同じ浮遊タイプの重量級人型ロボットが階段を下りてくる。
下からも同型ロボットが登ってくる!
アーニャ「挟まれた!?」
私「アストレイア!」
ズヒュン
上から来る敵に立ちはだかる形で魄神を出す。
魔力消費がパネェ。一気に魔力の水位が下がる喪失感を感じる。
(上からの)
人型ロボットBの大振りな攻撃!
ブゥン!
ガッシィィン!
私「受けれた!」
アストレイアが人型ロボットBの腕をがっしりつかんでいる。彼女の筋肉がミチミチ音を立てている。
(下からの)
人型ロボットAの大振りな攻撃!
ブゥン!
私『今だ!』
ドグッシャァァ!
人型ロボットAの攻撃を人型ロボットBの体でガードする。浮遊してる奴は捕まえたら、こっちのものだ!
人型ロボットAの攻撃をモロに受けた人型ロボットBは身体が内側にめり込むようにひしゃげている。
人型ロボットB「ガッガッ!ピー……!」
アストレイア「オラァ!」
ドゴォ
その残骸で人型ロボットAを壁に押し付け、身動きを封じる。
私「アストレイアそのままよ!」
シュイイィィィ…ン!
私「(ガハッ)チャージショット!」(喀血)
ドゥン!
ドグシャァ!
人型ロボットAの頭を吹き飛ばす。やったか?!
ズヒュゥゥゥン
人型ロボット達を倒すと同時に、上からも下からも迫ってきていた四脚、逆関節ロボット達が機能を停止する。
ガシャガシャァ!
(しーん)
アーニャ「人型が司令塔でしたか。」
私「ふー、再起動される前にコイツラ全部、辺津鏡に入れちゃいましょう。」
ヘロヘロになりながらも私はロボット達を辺津鏡に回収し、その場にへたり込んだ。
どうやらこの階段を上がれば屋上に行けるみたいだ。
アーニャ「休憩しましょう。」
辺津鏡から回復の泉の水を入れてある水筒を取り出す。
私「アストレイアは便利だけど、今のままじゃ、使いにくいわ。」(ぐびぐび)
キラキラリン!
私の魔力は全快した。
アーニャ「うーん、辺津鏡で管理しては?」
あー、なるほど。
できるのか、そんなこと。電子妖精の提案をさっそく試してみる。
ズヒュン
出したアストレイアを辺津鏡で飲み込む。
私『生き物?と聞かれたらまぁ、普通の生き物じゃないし、多分、死なないはず。』
ゴリ!っという生き物が損壊する音は今回は聞かれない。
私「あ、行けたんじゃね?」
アーニャ「次は出してみましょう。」
私「辺津鏡アストレイア!」
ヴン!
アレ?一瞬、出てきて、すぐに消えた?
私「もう一度!」
ヴン!
ドゴォ!
試しにパンチで近くの壁に穴を開ける。外の景色は晴れ、風は冷たい。
まぁ、近くの敵に一撃を加える分には使えるかな?
アーニャ「魔力消費はどうですか?」
私「辺津鏡と一緒、ほとんど感じない。」
クールタイム中は出せないから不便っちゃ不便だけど、魔力消費は抑えられるから。セニハラ。
魄神アストレイアは今後は辺津鏡で運用していくことにした。
私「さてと。」
アーニャ「上を目指しましょう。」
立ち上がる私の肩に電子妖精は飛び乗る。
息を切らしながらひたすらに階段を上がると、
(ドーン)
おや?上から爆発音?
ドーン!
今度は大きく揺れる。
私「おっとっと!これって!」
アーニャ「誰かが、戦闘を開始してる音です!」
戦闘?誰が何と?
アーニャ「急ぎましょう!」
もう少しで屋上に出られるところまで登ると、
ドッカァァ!
大きな音とともに屋上に出る建屋部分が吹き飛ばされる。ずいぶん風通しが良くなる。
アーニャ「階段が!」
そこは辺津鏡の出番。
グォン!
私は辺津鏡で身体を屋上に転移させた。
そこでは浮遊している大型人型ロボットとそれに術で虫を操って対峙するフライトの姿があった。
ロボット『敵影捕捉。排除。』
大空にロボットの音声が響き渡る。
フライト「お前の相手は俺だ!」
ロボットのジャイアントハンターでの攻撃!
巨大なロボットがその身の丈以上ある弓を力強く引く
ググググ……
しかし、フライトの操る虫にたかられてうまく標準をつけられない。
ドシュ!
私「ひぇ!」
咄嗟に前に前転してかわす。
ズガッ!
それまで私がいた所が大穴が穿たれる。
フライト「気をつけろ!時空ごと消し飛ばされるぞ!」
屋上は大穴だらけでフライトは少し地面から浮いていた。
アーニャ「飛行魔法!」
私「いいなぁー!」
エルフの魔法体系は魔女のとは違う。正直にうらやましい。
私「フライトはそれを誰から教わったの?」
フライト「秘密さ!」
うわ!うぜー!まぁ、それよりも。
私「まずはコイツをどうにかしなきゃ!」
アーニャ「風刃!」
ビュオオ!
しかし、人型ロボットはびくともしない。
アーニャ「そんな!揺さぶる事も出来ない?!」
フライト「天機兵には風は無効だぞ!」
アーニャ「他に耐性は!?」
天機兵のホーミングミサイル攻撃!
両肩後部のミサイルポッドが開く!
ズドドドドドドォ!
フライト「無駄だ!」
虫がデコイの役割をしてミサイルはあらぬ方向へと飛んでいく。
フライト「五行魔法は全部ダメだ!」
私「えっぐ!」
アーニャ「流石、神代モンスター!」
だから虫で戦ってるのか。そうなると、
私「コイツの出番ね!」
ヘルメーカーをクイックドロウ!
ドゥン!
バキッ!
ロボットの装甲が弾け飛ぶ!いける!
天機兵『損傷軽微。』
天機兵はジャイアントハンターで攻撃!
ドシュ!
私「単調!」
グォン!
辺津鏡でそれを避ける。
私は天機兵の真下に出た。
天機兵『ターゲット、消失。』
私「いちいちベラベラと!」
シュイイィィィ…ン!
チャージショット!
ドゥン!
ドッカァ!
ロボットの足?の部分の装甲を大きく吹き飛ばす。巨体を浮遊させてるから装甲は魔法防御頼みなのね、薄い!
私『ヤッパリ無茶してるじゃない!』
アーニャ「いけます!」
天機兵は屋上から距離を取った!
天機兵『三日月刀。』
左肩にマウントしてあった巨大な実態剣を構える。
その三日月のように湾曲した刀身は、青白いプラズマ化した炎をまとっている!
フライト「くるぞ!薙ぎ払いだ!」
ズゾッ!
天機兵の三日月刀、横一閃!
薙ぎ払いの瞬間に辺津鏡で虚空に逃れる。
しかし、
戻ってみると、あたり一面が火の海になっている。
私「アッチチチ!フライトは?!」
アーニャ「空にいます!」
私「フライト!これ!」
ヘルメーカーを一丁投げ渡す。
ブン!
パシ!
フライト「俺に?」
私「上からの攻撃は想定して作られてないはずだから!」
天機兵『ジャイアントハンター。』
ドシュ!
ヒラリ
フライト「当たるかよ!」
ジャイアントハンターから放たれた巨大な光の矢の風圧を利用してフライトはヒラリとそれをかわした!
私「早く!」
ドゥン!
天機兵『対地防御。』
バチィン!
魔力の弾丸は三日月刀で切り払われる。
私「辺津鏡アストレイア!」
天機兵のコアパーツの正面に座標する!
ヴン!
アストレイア「オラァ!」
ガィーン!
アストレイアの猛烈なパンチで天空にものすごい衝撃波と音が鳴り響く。
そして、気を失ったかのように天機兵の動きが一瞬止まった。
シュイイィィィ…ン!
フライト「ぐ!くらえ!」
ドゥン!
ドッカァ!
天機兵のヘッドパーツに大穴が開く。
ズヒュゥゥゥン!
天機兵のその体がゆっくり落ちていく。
しかし、そのうちに浮遊が止まったのか、音を立てて地面に叩きつけられた。
(ドーン)
私「フライト!」
フライト「何?」
屋上に降り立ったフライトに駆け寄る。
私「下まで連れてって?」
フライト「まじかよ……」
地面に降ってきた巨大なロボット兵にエルフの里の人々はその残骸に、遠巻きに集まっていた。
「あ!見ろ!フライトだ!」
「奴がやったのか?!」
彼にお姫様抱っこされてゆっくり地上に降りる。
「女性もいるぞ、魔女か?」
「確か、プリム先生のとこの娘さんじゃないか?」
民衆 ザワザワ
トッ
私「ありがと!」
フライト「いいって。」
私が彼から離れると同時に、長老の所で見た少女が彼に抱きつきにきた。
フライト「ラシーヌ。」
ラシーヌ「もう!無茶して!」
チュチュチュチュチュチュー
私『あらー。』 (////)
民衆 ザワザワ、ザワザワ……
アーニャ『そういう関係でしたか。』
私『ま、これで、ハーフエルフへの偏見も解消に向かうんじゃない?』
ざわつく人だかりを尻目に私は天機兵の残骸の傍らに突き刺さっていた巨人弓を見上げた。
「……貴女が託してくれた思い、私が晴らしてあげるから……!」




