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戦後処理 ミニエラの場合

レジスタンス本部


トーマス「で?彼女が古代兵器の?」


ミニエラ「魔女のミニエラだ。」


バッツ「リナさん、こいつを生け捕りにした理由は?」


古代兵器ブラックトレインを倒した私はソレを任されていた魔女を連れてオアシスの王宮に戻った。


私「今回の作戦で多くの将兵もコメットもアンジェラも失ってるのよ?」


ミニエラ「火あぶりにでもして責任取らせるのか?」


縄で縛られた(私が絞めたのだが……)金髪ロングの魔女は新しく茶色のコートの下に白いシャツに黒いロングスカートをしていた。

露出の多いドレスは着ていかないほうがいいと私が勧めたのだ。


私『時間かけて、もうちょっと厚着させりゃよかったかな?』


アーニャ『まぁ、十分ですよ。』


レジスタンスには血気盛んな若者が多い、そんな中に露出の多い女性の敵捕虜なんて連れて行ったらナニをされるかわからない。


レジスタンス兵「責任を取らせましょう!」


血走った目の兵士が剣を抜くのを現リーダーのトーマスが諌める。


トーマス「待て!お前たち!」


バッツ「コイツをどうするかはリナさんの決めるところだ。」


広場に連れてこられ、沢山の敵に囲まれ気丈に振る舞ってはいるが、魔女の額には冷や汗が滲んでいる。


私「そんな事しないわよ。」


レジスタンスの一同から疑問の声が聞かれ、皆、私の次の言葉を待っているようだ。注目が集まる。


私「なくした戦力の穴埋めをしてもらう。それが償い。」


一同「えぇ!?」


ミニエラ「ほー、それで、私をここまで連れてきたのか。」


私「まぁ、タダでこちら側に付けとは言わないわ?」


魔女のなくした左手を指さす。気がついた魔女も手首からない左腕を上げた。


ミニエラ「これを?どうする?」


私「レジスタンスに入れば左手は直してあげるわ?」


バッツ「まじかよ!」


トーマス「でも、どうやって?」


私はミニエラの衣装タンスからもらった上着を脱いで、右腕の縫合部を皆に見せた。真っ白なホムンクルス製の腕と私の肌色の皮膚の色がそこでクッキリと分かれている。一同はその人知を超えた技術力に驚いている。


私「母が直してくれる。」『さすがに今回は有料かな?』


「…………すげー。」


「こんな事あるんだな。」


「なんか白いとは思ってたけど……」


感嘆の声がレジスタンスの面々から漏れる。


バッツ「そういえば、最初、片腕だったな、リナさんは。」


私「どう?あとは、あなたの判断次第だけど。」


ミニエラ「魔王には色々、世話をしてもらったし、重役に取り立ててもらった義理もある。が、魔女は超合理主義者だ。左手がもとに戻るならその方が良い。」


私と魔女は目が合う。


ミニエラ「いいだろう。レジスタンスに参加してやる。」


案件の解決に歓声が上がる。処刑されるのを覚悟してたであろう魔女も少し、こわばっていた体がほぐれたか?

まぁ、この決定に異があるやつもいるだろうが、後で締めておこう。


トーマス「うーん、そうなると。」


私「大丈夫、しばらくは私がこの魔女の面倒見るから。」


バッツ「何から何まで、リナさんのおかげだぜ。ありがとうよ。」




数週間後


私はミニエラの監視役として彼女と一緒に行動していた。監視役というか護衛。元敵将の彼女を快く思ってない奴らから守るため。


案の定、今しがた通路で若いのに絡まれて……


バキッ ドゴッ!


アーニャ「もう、その辺でいいのでは?」


ボコボコにした。元魔王討伐隊を舐めんな。テメーら雑兵(ザコと違って断然、コッチは近接戦闘もレベチなんだよ。


「……も"う、しましぇん……」(どさっ)


私「ま、昼前のいい運動になったわ。」(パンパン)


ミニエラ「エグ。お前ホントに元ニートなのか?」




食堂


唐揚げ弁当をかき込む。ミニエラはキツネうどん。


ミニエラ「……ちゃんと、いただきますしろよ。」


あ、そっか。


私「そういえば、ミニエラに頼んでたブラックトレインの修復とアレは?」


右手だけでいただきますした魔女が箸を構えている。


ミニエラ「引き継ぎの件か?修復はソコソコ、引き継ぎも魔法使いのガキどもにしてある。それが?」


テーブルのスペースに座った電子妖精が毛づくろい(の動作)をしている。

(デジタルなので、そんな事しなくていいのだろうが、元になった猫の魂の名残り、クセだろうか?)


アーニャ「この前、連装砲の試し撃ちしてましたね。」(ペロペロ)


ずぞぞぞ


うどん、おいしそう。じーっと向かいの席の魔女を凝視する。


ミニエラ「なんだよ、やらないぞ?」(モグモグ)


ガーン。


まっまぁ、いいか。


私「じゃぁ、そろそろ、ここを離れても大丈夫かな?エルフの里のお母さんのとこに行くわよ。」


ミニエラ「あー、ようやく、左手これを治しに行くんだな。長かったー。」




魔法使いの部屋


出発前に魔法使いのひよっこたちに引き続きやらをする。あっちで書類片手にミニエラがブラックトレインの操作方法を魔法使い達にレクチャーしている。


アーニャ「合うメガネがあって助かりました。」


私「ようやく、通販してたのが届いた。これで、ぼやけた世界とおさらばね。」


その中のひとりが茶色地に幾何学模様の入ったマフラーを持って私に寄ってきた。


「コレ、リナさんに。」


私「あら、いいの?」


「はい。お亡くなりになられたアンジェラさんが通販してたやつです。バンダナじゃ、ファッションがどうのこうのって。よかったら。」


ちょうどいい。防寒具が欲しかったところだ。この日のために裏ボアの黒のロングコートは買ったけど(レジスタンスの経費で)。


私「いただくわ。」


ミニエラ「コッチも終わった。行こうぜ!」




王宮前


門番やミニエラの前で辺津鏡(インベントリからバイクを取り出す。

空間が揺らいで黒い大型バイクが音もなく出てきたのを見て門番たちが腰を抜かす。


ミニエラも驚いた表情をしたが、直ぐに状況を飲み込んだようだ。


ミニエラ「辺津鏡(へつかがみか。にしては、リナには魔女特有のクマがないな?」


私「アヌっていう魔女の上位種なの私。珍しいでしょ?」


ミニエラ「へー、私は学校で詳しく習う前に中退したからなぁ。見るのは初めてだ。」


私「アナタの魔法も独特じゃない?」


ミニエラ「まあな。それにしても、コレ何処で手に入れたんだ?」


私「ダンジョンの神代ステージ?だったはず。」


へー。


そう言うと、派手な色合いの厚着をした魔女はまじまじとバイクを眺めている。


アーニャ「何か気になることでも?」


ミニエラ「んー?コレ“スレイプニル”か。へー、見たのは初めてだ。」


あ、これ、そういう名前なんだ。


ミニエラ「ドルガに資料を見せてもらったことがあるが、確か、スレイプニルは飛べるだろ?」


私「カスタム次第、じゃなかったかしら?」『つか、ドルガって知り合いの名前か?』


アーニャ『ですかねぇ……』


ミニエラはバイクから顔を離すとこちらに向き直った。


ミニエラ「私がカスタムしてやるよ。」


私「ホント?やったぁ!」


ミニエラ「なんにせよ、とりあえず、左手を直してからだな。」


私「行きましょう。私が運転するから、ミニエラは後ろのシートね!」(ムッフッフッフ)


ミニエラ「事故るなよ。」


ミニエラは何処からかヘルメットを取り出して、右手だけで器用に装着している。


ムニュ


おふぅ(////)


ミニエラ「どうした?」


私「……いっいいえ?」『まだ、私が同性愛者だってバラしちゃダメよ?』


アーニャ「……出発です。工程的には1週間もかからないはず。」




山脈ルート


今回はエルフの里に直行したいので南の山脈ルートを使う。この前、片付けた野盗共の洞窟でその日は泊まることにした。

二人して寒空の下、丸焦げになっていた死体を戦略魔法でなかったことにする。


ずもももも


私「ハッケキョウは便利ねぇ。一度に処理できる範囲が広いから。」


ミニエラ「あー、でも、八卦鏡は飲み込んだものを再び取り出すことはできないんだ。」


げ、出し入れ可能な辺津鏡(へつかがみと同じと思って金目の物もだいぶ飲み込んじゃった……。悔やんでも仕方がないか。


これまでの彼女の使う戦略魔法、八卦鏡の効果を整理すると。


1.彼女の足元から展開される。その形は自由自在。

2.効果範囲にいる者の魔力を吸収する。

3.スピードはゆっくりだが、地面に接しているものなら選択的に虚空に飲み込むことが可能。辺津鏡のように出し入れはできない。

4.短いながらも感知範囲があり、飛び道具に対して絶対的な防御力を誇る。


私『遮蔽物を必要としないのは強いわねえ。』


アーニャ「あ、でもリロードタイムは?」


ミニエラ「効果時間は長い分、リロードタイムも長めなんだ。効果時間内に決着を付けないと。リナが逃げた時はどうしようかと思った。」


なるほど。


辺津鏡は人2〜3人分くらいしか効果範囲はない。虚空に飲み込む性質から自分の周囲に展開して防壁としても使えるが、座標指定をしないといけない。しかも効果時間も短い。咄嗟に展開するのに向かない。


私『その分、出し入れ可能だから術者自体を飲み込んで転移みたく使えるけど。』


アーニャ「いずれにせよ、一長一短ですね。」


ミニエラ「だな、あらかた片付いた。今夜はここで泊まるんだろ?」


私「そうそう。」


アーニャ「中に入って休みましょう。」


その日、私たちは魔女のことや神代の技術など、いろんなことについて夜遅くまで話し合った。

記憶が歯抜けな分、私は聞き手に回ることが多かった。彼女の話はどれも新鮮で


私『ヤバイ、好きになっちゃう。』


アーニャ『あー……。』




続く




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