グランドスピア
オアシスの宿屋兼酒場
酒場のおっさん共にレジスタンスの本部のありかを聞く。
ほろ酔い気分の汚いおっさんどもは口が軽くベタベタしてくる。
2階がヤリ部屋なのか?そういうお店らしい。
コンパニオンしてる女性が妙にケバい。
私『私がいい女だからって馴れ馴れしくさわんないでよ、キショイ。呪うわよ。』
アーニャ『本拠地は王宮ですか、もう隠す気はないようですね。旗印的な?』
ベッドのお誘いやパイタッチを払い除けて、私は王宮へ向かった。
しかし、
門番A「ダメだ、ダメだ!」
私「はぁ?だから!関係者だって言ってるじゃない!」
門番B「今は大事な会議中で誰も通すなって言われてんだ!明日にしな!」
若い兵士、民兵上がりのペーペー達は話が分からず、通してくれない。
私「ぐぬぬぬ……」
アーニャ『どうします?』
私「分かったわよ!明日、来ればいいんでしょ!」
私は踵を返して街の通りに引き返した。
そして、直ぐに路地に入り、イチャつくカップルの横を通り王宮側面に出た。
オアシスの水を張った深そうな堀とその向こうの高い城壁、確かに攻めにくそうではある。
私「しかし、しかし?」
グォン
辺津鏡を使って城壁内部に潜入する私。
アーニャ『音波探知!』
コーン
アーニャ『砂岩?内部は材質が結構、軟いですね。結構、広範囲をマッピングできました、行きましょう。』
私『この様子だと魔法セキュリティはザルね。』
アーニャ『不可視!』
ビシュン
透明になった私は王宮内部に堂々と正門から入る。
今さっきの門番共の背中に向けて中指を立てる。
アーニャ『プリム様に怒られますよ?』
私『いいのよ、これくらい。許容範囲よ。』
時折、通路で見回りの兵士がツーマンセルで通り過ぎていく。
私『きししw』
コツン
見回りA「あいた!」
見回りB「どうした?」
見回りの兜の後頭部をすれ違いざまに小突く。ケケケ、ザマァw
アーニャ『我々が敵だったらどうするんでしょう?』
私『ま、そこら辺も含めて、進言してやりましょう。』
ビシュゥゥゥン
おっと、不可視魔法の効果が切れる。
が、そこからは消音靴やこれまで鍛えてきたスニーキングの出番である。
重要な会議とやらをしてる割には手勢は少ない。楽勝。
会議室前
私『お?』
天井に見知った黒く光ってないランプのようなものが一つ。
アーニャ『魔法感知装置!』
私『でも、感知できるのは戦術魔法までのハズよ。』
通路の曲がり角から会議室の扉のある通りをうかがう。
魔法、それには戦術レベルのものからワールドワイド、戦略レベルのものまである。
人が作り出した魔法感知装置で感知できるのは戦術魔法まで。
辺津鏡のような戦略魔法になると感知されない。
アーニャ『しかし、戦術魔法、不可視などは使えませんよ?』
私『まぁ、見てなさいって。辺津鏡!』
グォン
魔法感知装置が虚空に飲み込まれる。
それを見た門番たちが慌てる。
アーニャ『なるほど、音波探知!』
コーン
あれさえなくなれば戦術魔法も使える。魔法防御態勢はホント僅々(キンキン)の課題だろう。
アーニャ『不可視!』
扉まで歩いていき、天井をアホ面で見上げている門番共の鼻頭を指で弾く。そして、
グォン
辺津鏡で会議室内部に入る。
私「魔法セキュリティがオザナリ過ぎじゃない?」
「???」(キョロキョロ)
「声?」
大きなテーブルを立ったまま囲んで会議に夢中の面々のケツに話しかける。
ビシュゥゥゥン
不可視を解除し姿を現す。見知らぬ女性が急に出現してそこに集まっていたオッサン共が悲鳴を上げる。
「うわ!」
「神代の服?魔女か?!」
「敵襲!」
バカが剣に手をかけ、騒ぎを聞きつけた門番らがようやく入ってくる。
しかし、その中にあって短く切った金髪のイケメンは騒然となる面々を制した。
トーマス「なんだ、アンタか。」
「知ってるのか?」
「み、味方、なのか?」
バッツ「王都で味方をしてくれた魔法使い様だよ。」
会議室にまで両手剣を背中に担いでいるもう一人のイケメンがもたれていた壁から前に歩み出て私の隣に立つ。
トーマス「魔王討伐隊のメンバーの一人さ。」
私『もう、私しかいないけどね。』
トーマス「門番には誰も通すなって言ってあったからなぁ。しかし、乱暴じゃないか?」
私「ここの魔法警備担当は?」
トーマス「コメットだよ。女性救出作戦の時の。」
バッツ「リナさんも顔は見ただろ?アイツだよ。」
あー、あの若いの。後で小一時間ほど問い詰めてやる。
おっと、私もまだ若いぞ?オッパイなんてピンクでハリハリなんだから。下もツルツルテンだし。……色素沈着して、ビ○ビラおっきいけど。
トーマス「そういや、リナさんは何しにここへ?」
バッツ「魔法セキュリティを見に来ただけじゃないんだろ?」
私「あ、そのことなんだけど、赤の杭を一つ頂戴?魔王の土手っ腹に穴開けてやるから。」
それを聞いたジモピーらしき日に焼けて色の黒い連中が剣を抜く。
「アレは、ここの財宝だぞ!」(スラァッ)
「賊め!何処からそれを!」(チャッキ)
トーマスがそれらを手で制する。私は構えない。なんなら一人か二人、辺津鏡のお世話になるか?
トーマス「待て待て!剣をしまえ、バカ!」
バッツ「この人にかなうもんかよ。」
この場に知り合いがいてよかった。
私「で?どうなの?」
バッツ「聞いての通り、アレはここの王家の財宝で、レジスタンスの旗印のモチーフなんだ。」
トーマス「正式にレジスタンスに参加してくれないか?リナさんも。そうしたら1本、あー」(チラッ)
ジモピー「分かった!貸すだけだぞ!?」
アーニャ『どうしましょう?』
はい◀
いいえ
ピッ
私「もちろんよ。だから早くちょうだいよ!」
一同、喜びの声を上げる。
「おぉ!これで魔王軍の魔女対策が組める!」
「さっそく、赤い杭を持ってこさせよう。」
「あれを存分にお使いください!魔法使い様!」
しかし、横で両手剣を担いだイケメンは不安そうな顔をしている。
バッツ「でもアレ、重いぞ?使えるのか?」
私「大丈夫、大丈夫。」
アーニャ「アストレイアで運用しますからね。」
トーマス「アスト?」
私「私の使い魔。ムキムキなんだから。」
そこに、屈強な男四人がかりで赤の杭が運び込まれてきて、机に置かれる。
腕に装着して使うのか?デカイ。5m級の巨人用?
アーニャ「ジャイアントハンターみたくなりますかねぇ?」
私「どうだろ?」
それを辺津鏡の宝物庫にしまう。幽世の辺津鏡の管理人様の声がする。
マフ『お、キタキタ。シャララララー!』
頭の中のグランドスピアはジャイアントハンター同様、アストレイアで運用可能な大きさに変わる。
アーニャ「試し打ちは何処でしましょう?」
私「ここじゃまずいわよねぇ。」(キョロキョロ)
トーマス&バッツ「やめてくれ。」
魔法使い達の部屋
レジスタンスに参加している魔法使いは少なかった。
そもそも、魔法を使える総人口が少ない。
その上、
魔王が嫌がらせしてくるだろうし、魔王方に味方するか、不干渉でいた方がいいのだろう。
コメット「魔法感知装置は希少でして……」
アンジェラ「すみません。」
王都で見た若者2人の他に片手で数えられるくらいのショタい魔法使い数名しかいない。
……おいしそう。
私「音波探知で構造把握するんだから、そっちも持ってきなさい。後、不可視を何とかできるやつ、不可視とか今どきゴブリンでも使ってくるのよ?」
コメット「ゴブリンが不可視を?」
アンジェラ「初耳です。さっそく、専従のニキータに取り寄せてもらわないと。」
私「それと何それ?頭にしてるのは?バンダナ?」
そこにいた全員が頭にバンダナを巻いている、ダークグリーンや華やかなちりめん、中には白地に“必勝”と書かれたものもある。
アーニャ『東洋の?』
コメット「あぁ、これですか。」
アンジェラ「大気中のマナを取り込んで自分の魔力の足しにできるんです。」
アーニャ「ほほー、便利ですね!」
私「私も欲しい!」
コメット「じゃあ、それもニキータに注文するかな?」
アンジェラ「けど、予算が……トーマスさんに怒られるよ?」
コメット「あー、色々、買うしなぁ。どうしよう?」
お金かぁ?
私『ニキータの所ってツケが利かないのよね~。』
アーニャ『前払いですか?』
金作にそこら辺の野党でも襲ってこようかな?
コメット「まぁ、なんにしても今日は遅いですし、また明日ですね。感知装置やバンダナの件はトーマスさんと相談します。」
私「よろしく!」
アンジェラ「宿はどうします?」
アーニャ「これからです。」
私「クッソめんどいから、ココに泊まるとこない?」
アンジェラ「なら、私の部屋があります。セミダブルベッドだから何とかいけるはず。」
あ、いいわね。女性と寝れるとかサイコーか?
私「いいわね!そうさせて?」(きらーん)
アンジェラ「?では、案内します。」
続く




