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9 ある世界で




ある世界での話


「どうします。島に住んで貰えないと色々と不具合が出ますよ。」


「ううむ、まさかお婆さんが亡くなるなんて元気そうだったのにな。お婆さんの事迄は考えが及ばなかった。あの地を離れて元の場所に帰ったのだな。島の手続きがまだだったろう。行ってくれると良いのだがな。

 それにしても島には水が無いのは痛いな。水を出して貰うにしてもあの島は本当は狭いからな、水は出まいよ。深く深く掘れば或いは、いや、掘るのも大変だな。土魔法の良い使い手はいたかな?」


「元々あの場所の島は数分で回れるほど狭い島だからな。何処に掘るかも難しいでしょう。」


「島に住んだ者だけがあの広さでの島を使うことが出来るようにしてあるからな。

こちらの島とある意味合体させたから、こちらの島の水を地面に隠さず、あの地へそのまま流そうか。」


「そのまま魔力の混じった水を流せば、あちらの世界の海の生き物に影響を及ぼします。それは危険です。」


「では、本当の事を話して水の魔石を付けるか?エルフのあの者に頼めばそれくらい直ぐにやってくれるだろう。

 あの世界の島の浄化槽には既に綺麗な水にして分解してしまう魔法を掛けているだろう。ならば多少魔力が含まれていても大丈夫だ。ん、それなら川の流れも最終的に浄化槽を通せば良いではないか、浄化槽で無くても同じ浄化魔法をかけた樽を通せば大丈夫であろう。」


「そうですね。その方法で有れば大丈夫でしょう。ヴィルフリートに相談して見ましょう。

 水はそれで良しとして、話して信じますかね?もう二度と島には来なくなるかもしれませんよ。」


「うーむ、困ったな。手続きをする為に来たその時に、あちらに派遣した者に島に行きたくなるように説得を頼んでみてくれ。あの者の方が話が上手いだろう。それにエルフにも合わせておけばよかろう。信じたく無くても見れば信じるさ。」


「そうですね、取り敢えず手続きに来てくれるのを待ちましょう。あの事はまだ話すのは先ですよね。」


「そうだな、それは焦ってはいかん。ゆっくり進めて行こう。」



     *     *     *



 地球に派遣された者は困惑顔でいた。


「まったく、私も暇ではないんですよ。この世界を見ていなきゃいけないんですから。人一人の説得なんて。」


「まぁ、そう怒らずに、あの娘があそこに住んでくれればこれ以上綻びは広がりませんよ。それに聖女様もお望みですからね。」


「そうですね。あの方の頼みなら聞き届けたいですけどね。こちらの世界も綻びが出来ると困るからね。そうすると住んでくれる彼女に何らかの支援、いや、報酬を与えねばならないな。それは住み始めてから考えよう。説得出来るかな?魅力的な島にしないとな。」




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