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75 裁き

 


 子爵と名乗る男がヴィルフリートに連れて行かれて色々な事が明らかになった。


 由美を脅してロッジを奪おうとしていたグールブリュン子爵は人を攫って売買していた犯罪者だった。

 彼はあの島の人々を攫ったイルカの船の者とも契約して人を売買していた。


 騎士団がグールブリュン子爵の屋敷に踏み込んだ時、魔法の移転のリボンを使った、慌てていたのでウォルトや、クルト達が捕えられていたあの洞窟が目的地となっている移転リボンを使ってしまい、その洞窟から歩いて由美の島へ迷い込んで来た。


 伯爵家の二男フォルクハルトやクルトとテオの馬車を襲っていた主犯がこのグールブリュン子爵だった。


 アステラ王国の騎士達がグールブリュン子爵の重い口を割らせ、伯爵家の二男を攫った黒幕が他にいた事を突き止めた。


 その黒幕とはオズヴァルト・フォン・ロットナーという子爵で、攫われたフォルクハルトの伯父にあたる者だ。

 フォルクハルトの父、ベルンハルト・フォン・シュタウフェンベルク伯爵はロットナー子爵の弟にあたる。


 オズヴァルト子爵は、結婚して婿入りし自分より身分の高い伯爵となり力を持った元騎士の弟のベルンハルトを妬んでいた。


 前シュタウフェンベルク伯爵にはベルンハルトと結婚した娘のクリスティーネしか子がなかったので、婿を迎えシュタウフェンベルク家を継いで貰うことになった。


 兄のオズヴァルト子爵は弟のベルンハルト伯爵を亡き者にしてシュタウフェンベルク伯爵家を乗っ取ろうと考えた。

 まずは息子から消していこうとシュタウフェンベルク家の二男フォルクハルトの殺害をグールブリュン子爵に持ちかけて襲わせた。


 グールブリュンは人の売買をしている事をオズヴァルト・フォン・ロットナーに知られていて、断る事が出来ず、渋々請け負った。

 シュタウフェンベルク伯爵家の騎士は精鋭揃いという評判があったため本当はこの仕事は受けたくなかったのだった。


 精鋭の騎士との戦いで自分の雇っている盗賊を戦いの時に何人も亡くし大きな損害になった。

 そのため、グールブリュンは本当は殺すように言われていたシュタウフェンベルク伯爵家の二男のフォルクハルトと小姓を売る事で損害を埋め合わせようと、生かしておいたのだった。


 全貌が明らかになって、グールブリュン子爵家、ロットナー子爵家の他に今回屋敷や店で売買した者達を隠していた貴族や商人達が罰せられ処分が決まり、家が取り潰しになった。

 犯罪者の殆どが永久に奴隷となり、厳しい鉱山の仕事へと回された。魔法を使える者達には使えないように魔法封じの紋が刻まれた。

 人を奴隷として残酷に扱っていた者達が一生奴隷の身分に落とされるのは納得のいく処罰であろう。


 そして自分の弟家族の殺害を企だてていたオズヴァルト・フォン・ロットナーは死罪となった。

 父の企だてを知らなかった自分の妻や子供達もロットナー子爵家を継げず平民となる事を告げられたオズヴァルトは非常に嘆いた。


 オズヴァルトの妻は処刑前に夫と離縁し、遺産は何も持てず妻の実家の子爵領に移った。

 息子二人はそこで騎士見習いとして働き、妻や娘は実家で侍女として働きながらひっそり暮らしていく事になった。



 イルカの船で海賊紛いの悪事を働いていた者達は、同じ大陸の西の端にあるバッハトルテ王国の商人達であった。

 自国の工芸品を積み、大陸の西の海岸線に沿って北上しながら、途中の島に寄って人々や物資を奪いコバルト王国やステライド王国に売り捌き、又は購入しながら大陸の北を回ってアステラ王国に一年に一度やって来る。

 アステラ王国でも荷を積み、商売しながら自国へ帰って行くという事を十年程続けていた。


 今回攫われた人達を元の場所に返したり、これまで売られた人々、売った相手を探し出し救出するという仕事が各国でなされた。

 売った相手の屋敷や店でまた新たな奴隷が見つかり他国でも多くの貴族家が亡くなり、新しい貴族達が生まれていった。


 コバルト王国では第二王子の母で王の第二婦人の実家の侯爵家が奴隷を地下に囲っていた事で取り潰しになり、第二婦人のガブリエーレは王と離縁され平民となった。

 第二王子は臣籍降下され王位継承権を持たない貴族となった。


 しかし取り調べていく中で元第二婦人による第一王子及び、第三王子、王妃、第三婦人の殺害計画が暴露されガブリエーレは死罪となった。

 第二王子はその事を知らなかったが、母親が罪人となった事で爵位を落とされ王都から離れた山裾の領地を持つ辺境の地の侯爵となった。山に住む魔物を討伐し、領民を護らなければならない厳しい生活環境だが、王は屈強で真面目な騎士を数人彼に付けた。

 第二王子が母親の性格を受け継いでない事を知っていた故、その他に赴かせる事を不憫に思っていたのだった。




 第一王子は毒を盛られ長い間伏せっていたが徐々に回復しているという。

 第三王子の殺害計画もあったので、ガブリエーレは王子の行方を吐くよう責められたが知らぬ存ぜぬで最後まで押し通した。


 その第三王子のクルトニコスは由美の島で勤勉に学びながら狩りの腕も上げていた。歳の近いウォルトやテオ達との生活はとても楽しく過ごせていた。




 


お読みいただきありがとうございます。

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