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64 葡萄の苗


すみません。訂正いたしました。

クルトが重複してチームに入ってました。少年達三人は使用人夫婦とチームになりました。


 



 ワインを作る為に買った葡萄の苗を、ヴィルさんが整えてくれた山の畑に村人と一緒に植えた。苗は二週間も経つと立派に育ってしまった。


 二メートル程間を開けて植えたが支えの杭よりも高く、枝も八方に伸び放題だ。

 妖精のリラが頑張って育ててくれたみたい。


 杭はヴィルさんが何処からか持ってきて魔法でひょいひょいと立ててくれた。 色々手を貸して貰って申し訳無いがあの太い杭は私や女性達では打ち付けられないので大変助かった。

 手伝ってくれる男性もいるのだが、杭を打ちつける大きなハンマーも持ち合わせて無かったのだ。これからも使うだろうからハンマーは用意しないといけないな。

 樽や桶などはエルムントさんとゲラルトさん夫婦が作ってくれるそうだ。必要な木を切っていいかと聞かれたので、島の山は禿山にならないように所々場所を変えて切って貰うようにお願いした。


 エルムントさんの家の近くにも良い木があるそうだ。

 あそこの土地は島の外なので誰の土地か分からないけど、馬が通れるように木を切ってくれた方が皆助かるんじゃ無いかな?と話したら、


「そうだな、馬車が通れるくらいにはしたいな。」


 とエルムントさんもヴィルさんも同意してたので、多分切っても良い感じなのだろう。


 今日は伸び切った葡萄の枝を剪定して行く。

 剪定鋏はこの前買い物に行って二十個購入した。

 剪定の仕方は携帯で調べたので、それを村人に伝えていく。


 赤ワインの畑で、切った枝は畑の端に集めて貰い他の畑に挿し木して葡萄の木を増やしていく。

 赤ワイン用と白ワイン用の苗を其々二十本ずつ植えたが一本の木からどれほどの葡萄が収穫出来るか分からないし、ワインを売り出す程の量を作るならばこの島の半分いや、もしかしたら島いっぱいを葡萄畑にしないと行けないのではないかと思う。


 ワインを上手く作れるか分からないし、それはおいおい増やして行けば良いかな。


 剪定が済んだら切った枝を畑の空いている所に二メートル置きに挿していく。挿した場所にレイラとロウ、テオの三人に魔法で水をかけてもらった。


 白ワイン用の葡萄畑も剪定して、同じように挿し木をすませた。




 二週間毎日子供達と魔法の練習をして私達四人は自由に火と水が出せる。

 朝の村人達の訓練の時に少し離れた場所で私達は魔法の練習をしているのだ。

 私とレイラ、テオは風魔法で風刃が出せるようになっている。

 ロウは残念ながら風魔法はまだ使えない。

「何で風が出ないんだー!」

 と癇癪を起こしたロウの指からピカッと小さな稲光が出て地面に生えていた草を焦がした。


 皆吃驚してその草をじっと見つめたまま動かない。

 ロウの方を見ると大きな瞳がもうそれ以上は開かないというほど大きく開かれていて、本人が一番吃驚したようだ。


「ロウ、大丈夫?怪我はしてない?」

「う、うん、大丈夫。びっくりしたー」。


「ロウ、凄い!」

「本当に凄い!」


「これは凄いな、雷の魔法か、ライナー以来の雷使いだな。ロウ、凄いぞ。しかし雷は人に当たると危ないからな、私が一緒の時でないと練習してはいけないよ。レイラやユミ殿に傷を付けたく無いだろう?」


「う、うん、わかった。ヴィル様が一緒の時に練習します。」


 それを見ていた村の子供達も剣術の練習の後、少しだけ魔法の練習をするようになった。

 魔法なんて使え無いだろうと思っていた村人の大人も、ロルフとラルフ、クヌートや五歳のファンまでもが練習を始めると見よう見まねで練習を始めた。

 だがそう簡単には魔法は使えないようだ。


「体に巡る魔力を感じて指に魔力を流して、何を出したいか頭の中でイメージするといいよ。」


 とレイラが皆に教えるとヘルマの十歳の子ロルフの指先に炎が浮かんだ。


「凄い、出来たね。」


 とレイラが褒めた途端炎は消えたが異世界の人は練習するとみな魔法が使えるのだと私は理解した。


 ロルフはまた練習している。炎はちょっとだけ出てすぐに消えてしまった。


「直ぐに消えるのは魔力量が少ないからなのかも知れない、練習を毎日やっていると、少しずつ魔力が増えて行く、そのうち長く炎を出しておけるようになるだろう。剣の練習の後に毎日繰り返してごらん。」


 とヴィルさんは言った。

 魔法が発動しなかった人達も毎日練習を重ねていたら二人、三人と炎だったり、水だったりを出せるようになってきた。



 挿し木をした次の日、剣と魔法の練習が終わって朝ごはんを食べたら村人にまた集まって貰った。


 今日は五月二十一日、良い天気だ。

 この山の頂上の広場の赤いサクランボが鈴生りなのだ。しかもサクランボの木は三十本も有る。

 ヴィルさんと屋敷の執事さんや侍女さん使用人夫婦と料理人さん、ウォルトとクルト、エルムントさんとゲラルトさん夫婦も参加して全員でサクランボ狩りだ。

 そして昨夜客としてロッジに泊まってくれた(そよ)ぐ風のメンバーのライナーさん、アルバンさん、エルンストさん、ゴットフリトさん、コンラートさん、最近(そよ)ぐ風のメンバーになった斥候の魔法使いジーモンさんも参加する事になった。


 日本の家を貰った人達の中には、色んな道具もあったようで、脚立や梯子のある人は持ってきてもらった。

 私も管理人の倉庫から大中小の脚立をマジックバックに入れて持ってきた。


 せっかくなので、チームに分かれて競い合う事にした。

 一時間でサクランボを一番多く収穫したチームには商品が贈られる。

 収穫量は重さで量る事にした。


 家族別で大人が二人必ずチームに入る事、A級冒険者の六名は体力が有るので一人ずつで参加して貰う。


 ⚪︎アルノー、レナーテ夫婦、クヌート十三歳


 ⚪︎ルーカス、ベティーナ夫婦、ノーラ十歳


 ⚪︎ハンス、エッダ夫婦、フィン五歳、エリーザ三歳


 ⚪︎ヘルマ(母)、ロルフ十歳、ラルフ八歳、ローレンツ 元浜の独身三十歳


 ヘルマは母子家庭なので、独身男性のローレンツに補助で入って貰った。


 ⚪︎カミル二十一歳、エーリック十九歳元山の男性の独身組だ。


 ⚪︎ケイト二十歳、アンナ十九歳、こちらも元山の女性の独身組


 ⚪︎エトムント、アーダのドワーフの夫婦


 ⚪︎ゲラルト、バルバラのドワーフの夫婦


 ⚪︎ヴィルフリート、ユミ、レイラ六歳、ロウ三歳


 ⚪︎使用人の夫婦、ウォルト十三歳、クルト十一歳、テオ十三歳


 ⚪︎マルセル 元浜の独身二十八歳、屋敷の料理人三十ニ歳


 ⚪︎ライナー


 ⚪︎アルバン


 ⚪︎エルンスト


 ⚪︎ゴットフリト


 ⚪︎コンラート


 ⚪︎ジーモン


 の十七チームだ。魔法は使ってはいけないルールだ。

 今回執事さんと侍女のご夫婦は競争には参加されないがサクランボ狩りにはゆっくりとマイペースで参加されるそうだ。





お読みいただきありがとうございます。

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