31 再会
入り口の広場から右にある通路の先にはこれまで盗賊達が盗み取った品があり、ここから少し離れた場所に馬車と馬も隠してあった。
ここは水場が無いので馬は水を飲ませに毎日移動させないといけないだろうが、水魔法の使える者がいたのかもしれないな。
ライナー、ここの後処理は任せていいか?
「大丈夫だ、ここで野営する事になるから、子供達だけでも先にとも思ったが、全員で移動した方が安全だからな、早馬だけ走らせた。」
「そうか、子供もここで寝かせるのか?」
「ああ、洞穴の入り口の広場で火を焚けば大分暖かいだろう。今日中に調べて盗賊が奪った荷も積み込んだら明日には出れるしな。
王都まで馬車で三日だから迎えは来ないだろう。早馬が明後日着いても旅支度の用意がいるからな。」
「子供達は私が預かって安全な所で保護しよう。ウォルトを探している子に早く合わせてやりたいしな。そこから明日王都の私の家迄は連れ帰ってやれるが、あの三人と商隊の小さな子供は王都に連れて帰ったらどうなる?」
「親が居なけりゃ孤児院行きだが、商隊の荷物はどの荷物が自分達の商隊の物かが分かれば、生き残った者に分配される筈だ。
しかし後見人が居なきゃ孤児院に行けば全て寄付という形で孤児院にとられちまうだろうな。
自分達で生きていければ良いが、小さな子供じゃ悪い大人に騙されて金品巻き上げられるのが目に見えてるからな、悪い奴に捕まるとその子供まで売っちまう輩もいる。良い働き口が有れば良いが。
うちの親の家に小姓として置いてくれるか聞いて見るわ!」
「私の屋敷には年寄りの家令と通いの召使いしか居ないからな。面倒を見れるか分からない。一応聞いて見るか。」
「今夜子供達だけは私の知り合いの所に頼んで泊めて貰えるか聞いてみよう。取り敢えずウォルトだけ連れて行って来る。子供達を頼む。」
「分かった。」
* * *
もう日が暮れる頃家のチャイムが鳴った。出ると少年を連れたヴィルさんが玄関に立っていた。
後ろで見ていたレイラちゃんが駆け寄って少年に飛び付いて泣き出した。
「ご、ごめんよ獲物を探してたら、盗賊に捕まって帰れなくなったんだ。ごめん。」
「うえぇぇ〜ん。良かったぁ〜お兄ちゃ〜ん、うぇ〜ん」
泣き声が聞こえたのかロウくんも部屋から出て来てウォルト君を見ると走ってきて抱きついたまま肩を震わせていた。
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