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25 寝坊

 



 朝起きるともう九時だった。あー寝坊だ。やはり私は親にはなれまい。


 横を見るとレイラちゃんもまだ寝ていた。昨日の移動や、兎との格闘で疲れていたのだろう。


 ベットの上を見ると、金茶色の綺麗なおめめと目が合った。

「おはよう」

 と声を掛けたがまだボーっとしているようだ。


「マ、ママ?」


 ん?ママ?いや、こんな平べったい顔からその天使のような可愛いお顔は産まれて来ないわよ。


「ごめんね。ママでは無いの。昨日ロウ君はお熱が出ていて、レイラお姉ちゃんが心配して、私をロウ君の所に案内してくれたのよ。レイラお姉ちゃんもここに寝てるから心配しないでね。ここは私のお家なの。少しおでこを触っても良い?」


 ロウ君はこくんと頷いた。おでこに触れて見ると昨日の熱さはない。念の為体温計で測っておこう。


 素直に測らせてくれた体温は三十七度七分だった。良かった、大分下がった。もう少し下がれば平熱だわ。

 でも子供の熱は夕方からまた上がったりするから五日程は安静にって元会社のママさんズが言ってたわ。体を冷やさないように気をつけないと。


「お熱がだいぶ下がったみたいだけど、まだ今日はベッドで寝ていてね。今飲み物持ってくるわね。」


 塩と砂糖とレモンをほんの少し入れた補水液を持ってきた。コップをあげるとロウは上手に飲んでしまった。


「もう一杯飲む?」


 首を横にふる。


「じゃあ、何か食べ物持ってくるわね。ちょっと待っててね。」


 ご飯をタイマーで朝に炊きあがるようにセットしておいた。まだお粥のような柔らかい物がいいよね。


 卵粥を作って、昨日のお味噌汁とバナナを輪切りにして半分程持ってきた。管理人さんの置いて行ったお盆があって良かった。


 ベッドに座って食べれるだろうか?起きれたならテーブルで食べた方がいいかな?


「お姉さんおはようございます。」


「あら目が覚めた、良く寝れたかしら?顔を洗ってらっしゃい。水の出し方は分かる?タオルはあそこに畳んで有るのどれでも使っていいからね。あ、タオルって、顔を拭く布よ。昨日言ってたふわふわの。」


「はーい、分かりました。」


 レイラちゃんは、言葉が綺麗だ。

 商人の御両親もきっと綺麗な言葉を使っていたのね。

 私には理解出来る言語で話しているけど、多分日本語では無い。

 でも何故だか理解が出来てるから不思議だわ。

 私の話している言葉も日本語で話しているつもりだけど、口から出る言葉は多分彼女達に理解出来ている言語らしい。

 自動翻訳機人間バージョンだわ。何故だ?この不思議な島と関係有るのだろうな。


 顔を洗いに行ったレイラちゃんがドアの所で眉を八の字にして私の方を見ている。


「あ、ちょっと待って、洗面台の蛇口には手が届かないわね。ロウ君、ちょっと待ってて。ロウ君が寒く無いならご飯はみんなで向こうの部屋で食べましょう。」


 こくんと頷くロウの可愛さ。何のご褒美だろう。


「レイラちゃんおいで。」


 みんな揃ってご飯を食べ終わると、玄関でベルの音がした。狭い部屋なのでベルが無くてもノックでわかるけど、呼び出しのベルのスイッチがこの家には付いていた。


「はーい、どなたですか?」


「ヴィルフリート・フォン・バッツドルフと申す。」


 あ、エルフ!そっか、チーズ!





読んで頂きありがとうございます。

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