23 ログハウスへ
ロウを背中に背負おうとしたが、寝てる子はぐにゃぐにゃで首に掴まってくれる事も無い。何か紐で私の背中に固定したい。
ロウに掛けてあったあの薄い布はお兄ちゃんが帰って来た時に使うだろうから残しておく。夜は冷えるのだ。
リュックには水筒とお弁当の空と何故かあそこに倒れていた兎とその角がビニール袋に入れられて入っていた。レイラがどうしても持って行くと言うのだ。水筒とお弁当箱、兎をリュックから取り出した。
リュックの肩にかける部分を少し伸ばしてロウの背中に当て、足を通した。脇の下から肩に掛ける部分を出してリュックをロウ事背負った。
体勢がきついかな。少し我慢してね。
私の予備の上着はロウに掛けて袖だけロウの脇下を通して片方は肩から前にもう片方は私の脇下から前に回し、私の胸のところで結んだ。これで落ちる事は無いだろう。
レイラが手伝ってくれたので何とか背負えた。脱いだ上着をレイラに着せた。袖は何回も折った。丈も長いので裾の端を腰の位置に合わせて結んで調節した。
兎をどうするか聞いたら、お兄ちゃんが帰ってから食べると思う、だから置いて行くと言う。
帰って来なかった時の事は考えないようにした。
洞穴の端の岩の上に兎をビニール袋ごと置いた。持ち手付きの半透明なので見れば分かる筈。弁当箱も邪魔なのでここに置いていく。
ビニール袋はリュックにいつも数枚入れていたものだ。今回大きな四十五リットルのビニール袋が入って無かったのが悔やまれた。有れば防寒と紐代わりに使えたのに。帰ったら入れておこう。予備の上着を入れてて良かった。
洞穴を出る時は匍匐前進で出ないと背中のロウが閊えて出れない。背負う前に気付くべきだったが、まあ出れたので良しとする。
入り口が小さいのだ。中も狭い。ダブルの布団一枚程の寝床と畳一畳程の土間の隅っこに石で囲った竈門と言うには原始的な物しかなかった。三畳も無い広さだ。一応寝床とは離して有るが、パチパチと火花が飛ぶと枯れ草はあっと言う間に燃えてしまうだろう。
レイラが数個の石を器用に棒を使いテコの原理で動かして入り口を塞いでいた。
こうやっていたから魔物から守られていたのだろう。
水筒は紐付きなので首から下げよう。
「お姉さん、それ私が持ちます。」
「ありがとう。でもなるべく身軽にした方がいいわ、また兎に出会すかもしれないからね、その槍を持ってて、杖代わりにもなるから。暗くなる前に行こうか。」
槍はここに来るまでは私が杖代わりにもっていた。
私も歩きながら杖に出来そうな枝を見つけて手に取った。いざと言う時には武器になる。
途中で一回水分補給だけして、すぐに移動した。足の傷が痛いだろうに、我慢強く歩いてくれるレイラに感謝だ。
湧水の所が見えたら、ホッとした。
「さあ、もう少しよ。」
湧水の所から十分程でログハウスに着いた。
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