13 コスプレ
島にはまだ管理人さんが居られるので、私は取り敢えず一番小さいログハウスを住居にした。管理人さんが引っ越して去ったら管理人のログハウスに引っ越そうと思っている。
水を入れたポリタンクを漁師さんと管理人さんが運んで手伝ってくれた。
「ここは三十年も経つばってん、きれかまんまやね。」
【ここは三十年も経つけど、綺麗なままだね。】
「ほんとね。丸太は大分色ん変わったばってん、まーだきれかなぁ。」
【本当にそうだね。丸太は随分と色が変わったけれど、まだまだ綺麗だよね。】
「そうですね、綺麗ですよね。丸太って長持ちするんですね。」
「やっぱ丸太やけんな。」
【やっぱり丸太だからね。】
と言って漁師さんは帰って行った。
「おー、そうそう、あんたにお客さんの来とるとよ。大きか家ん方に案内したけん、行ってみらんね。」
【おー、そうそう、あなたにお客さんが来てるんだよ。大きい家の方に案内しといたから、行ってごらん。】
「客?ですか?」
「何か、水道がどうとか言うとったよ。」
水道?水道業者か!今日私がここに来なかったらどうするのよ。あれ?どうやって来たの?専用の船があるのかな?
コンコン
「こんにちは、入りますね。」
「待っておりました。」
「あ、すみませ・・・
えっ?なに?コスプレ?いやいや同じ名前の海だけど、ビックリサイトじゃ無いし。
「あ、あの?水道業者の方ですか?」
違うと思うけど、一応聞いた。
「水道、ああ、そうだな、水を出しに来たのだが、何処を処理すれば良い?何処に水が欲しいのだ?」
「のだ?」
「あ、いや、欲しいのだろうか?」
「あのぉーその服装で工事なさるんですか?」
「ん?これでは駄目か?いや、駄目だろうか?」
「いえ、ご本人が良ければ私は全然構いませんが、白いお洋服は汚れが目立つかと。」
「むっ?白い?いや、灰色にしたつもりだが?」
「いえ、全くもって真っ白ですよ。ついでにその白い長い髪も纏めないと汚れると思いますよ。」
「はっ?長い髪だと、何故見破ったのだ。」
「私には初めから銀髪で長髪のエルフに見えてますが、間違ってます?」
「むっ!初めから、其方は真眼の持ち主か!」
「心眼?ですか?」
「真の事が見える目の事だ。」
「本当に水道業者の人なんですか?最近は外国の方も沢山居るので、貴方のような人も居るんだろうけど、コスプレで仕事はしにくくないですか?誰が工事しても良いですが、穴掘って工事するんですよね?」
「いや、穴は必要無い。水の魔石と火の魔石が有れば湯も出る。」
「え?そんな異世界みたいな商品が出たんですか?水さえ出れば湯沸かし器はあるので電気で沸かせます。
綺麗な飲める水だけお願いします。お風呂場の、えっと外がいいのか、あと、キッチンに繋がっているのも外だわ、トイレもついでに雨水じゃない方が良いわね。雨が降らなかったら流せなくなるから。」
「ではそこを見せてくれ、いや、下され。」
「良いですよ、日本語は丁寧語が有るので難しいですよね。いつものように喋って下さい。」
「うむ、すまないな。」
「これが雨水を溜めていたタンクです。これから各場所に別れて給水されるんです。
「ならばここを止めて、この分岐の前にこいつをはめ込むと出て来るのは綺麗な水だ。飲める水だぞ。」
「ありがとうございます。このタンクはどうしよう。」
「雨が降ると溜まるのであろう?ならば外の水やりに使えば良かろう。水の無い国では雨水も飲んでおったぞ。」
「そうですよね。でも日本の水に慣れると、雨水は怖くて飲めません。どんな菌が繁殖しているか分かりませんからね。」
「菌か、疫病のようなものか?」
「ええ、そういう物も含まれますね。病原菌も怖いです。」
「うん、其方は深い知識が有るようだな。」
「この位は私の周りの人は誰でも知ってますよ。日本人ですからね。」
「発展した国のようだな。」
「ふふふ、そうですよ。後三件の建物と炊き出し場の水道もお願いします。」
全ての建物の水と炊き出し場はお湯まで出るようにしてくれた。
雨水タンクは火事になった時に直ぐに使える水があった方が良いからとそのままにしてある。
「ではこれで全て終わりだな。そうだ、其方に説明をしてこいと言われていた。何処かに座って喋れる所は有るかな?」
「では、私のうちではないけど、宿泊している所へどうぞ。」
いつもお読み頂きありがとうごさいます。




