12 水代
私は漁師の佐竹さんに連絡を入れて、明日何時頃なら島に送って貰えるか聞いた。
九時に待ち合わせになった。食料と水のポリタンクを五個買って持って行くのにタクシーで行くか、と思っていたら、近所のあの親切なおばさんが
「港にそれば持って行くとね?タクシー?勿体無かよ、お土産貰ったお返しに送ってやるけん、よかよか、心配いらん。私もいつかは助けられる時が来るけん、そん時の為の親切貯金たい。今んうちに良か事ばして、よおけ貯めとかにゃんとさ。貯金に協力して。」
【港にそれを持っていくの?タクシーで?勿体無いよ、お土産を頂いたお返しに送ってあげるわよ。良いの良いの、心配は要らないわよ。私もいつかは助けられる時が来るんだから、その時の為の親切の貯金よ。今のうちに良い事をして、沢山貯めておかなくちゃいけないのよ。私の親切貯金に協力してよね。】
「ありがとうございます。それなら、お願いします。」
管理人さんが、漁師の佐竹さんには毎月送迎賃として会社から一万五千円払われていると教えてくれた。私もその料金で毎週送り迎えしてくれるだろうか?前回は三千円封筒に入れて志しでお渡しした。安かっただろうか?
島のお客さんは自分達で送迎料を其々支払っていたようだ。
値段の交渉をしよう。
水は佐竹さんがポリタンクに入れてくれた。五つも持って行くのを多いと引かれないかなと思ったが、普通に船まで運んでくれた。水代お支払いしますと言ったが、受け取ってくれなかった。お歳暮にお酒だな。
「あん島に住むとね?ホテルか何かにすると?泊まる所はいっぱい有るもんね。」
【あの島に住むの?あそこをホテルか何かにするの?泊まる場所は沢山あるからね。】
「そうなんですよ、これからどう言うふうにしようかとまだ考え中なんです。一人で出来るかも考えないといけないし。」
「沢山客の来れば一人じゃ回せんやろ。ばってん人ば雇って客の来んやったら、給料の払えんね。様子ば見てから雇ったが良か。」
【沢山のお客さんが来ると一人で回すのは無理だろう。だけど他の人を雇ってお客さんが来なかったら、お給料が払えないよね。集客の様子を見てから雇った方がいいよ。】
「そうですよね、そうします。まだまだ準備も有りますしね。」
「電話で連絡くれれば、迎えに行くけん、都合が悪か時はごめんばってん他ん日にしてて言うけん、遠慮せんで電話せんね。」
【電話で連絡をしてくれれば、迎えに行くから、私の方の都合の悪い時は、悪いんだけど迎えは他の日にしてもらえますかと言うから、遠慮せずに電話しなさいよ。】
「ありがとうございます。そうします。宜しくお願いします。」
「はは、お爺さんの後釜は硬かなぁ、会社からもお願いされとるけん、何かあったら連絡ばせんねよ。」
【はは、お爺さんの後で働く人は生真面目な正確だね、会社の方からもお願いされているから、何かあったら私に連絡するようにね。】
「か、会社ですか?」
「お爺さんは辞めるけど、新しか人の来るけん、送り迎えは話し合ってあんたの都合の良か事してくれって。
前回受け取ってしもうたけど、送迎代も要らんからね。水代も会社が纏めて一年分ずついつも振り込んで来らすとさ、もう貰っとるとよ。
だけんあんたからは貰われんけんね。管理人の爺さんにもそがん言うばってん、わかっちょらんごた。お歳暮までくれらすけど、それも要らんけんね。爺さんは何回言うても持って来るけん受け取っちょるばってんね。」
【お爺さんは辞めるけど、ここには新たに人が来るから、その人の送迎は話し合って、その人の都合の良いようにして下さいと言われたよ。前回は受け取ってしまったけれど、送迎代は貴方からは要らないからね。水代も会社が送迎代と纏めて一年分ずついつも振り込んでくれるから、もう貰っているんだよ。
だから貴方からはもらう事は出来ないからね。管理人のお爺さんにもそういうふうに言ったけど、分かってないみたいだ。お爺さんはお歳暮まで送ってくれるけど、あなたはそんな事もしなくて良いからね。お爺さんには何回も要らないと言っても持って来るから受け取っているけどね。】
「そうだったんですね。聞いて無かったので吃驚しました。」
「そうね、ホウレンソウは大事ばい。部長さんにそがん言わんとね。」
【そうか、報告連絡相談は大事だよ。部長さんにそう言わないとね。】
「ははは、そうですね。」
部長さんって、あの人だよね?どうなってんの?
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