一章 一幕 二話
二人を乗せた電車は特にトラブルも無く目的地に到着した
「おい起きろ、もう着いたぞ」「んぇ……?もう……?」「そうだ、だから起きろ」「むぅー……っはぁ」
「ほら、バック持って」「うーん分かってるよー……って置いてかないで!」「置いて行かれたくないなら早く来い」「はーい」
二人は駅を出て辺りを見回す
「うぉー……すっごい都会だね」「まぁそりゃあ財団の本部があるくらいだからな」
「そういやいつ本部に着けばいいんだっけ?」「えーっとな、たしか12時から着任式だから11時半には本部に着きたいな」「えへへ……遂に私達も財団の職員の一員になるんだね」
彼女はにっこりと彼に笑いかける、その無邪気さに彼にも笑みがこぼれる
「ふふふっそうだな。じゃあ行こうか、本部へ」
二人は大きな一歩を踏み出し歩き出した
その頃日本防衛財団本部6階、会長室
「なぁ、月葉?これで大丈夫か?」「うーんここをもう少し右に……」「おけ、こうか?」
「あー違う違うそこじゃなくて……」
会長室で二人の男女.........星守 連と星守 月葉が服装のチェックを行っていた
「これで良い?」「良いんじゃない?」「おっけ、それじゃあ今日のシュケジュールの確認をしようか」
「わかった、今日のシュケジュールは1時から新入隊員着任式、その後は各部隊での顔合わせ、ミーティングだね、まぁなんとかなるでしょ」「そういえばうちの隊の新入生…蒼理と理華だっけ?」「そう、合ってる」「あの二人…どう思う?」「何が?」「なんというか、あの二人がうちの隊でやっていけるのかなって」「やっていけるんじゃない?それに連が推薦したんでしょ?ならば私は大丈夫だと思うよ。それに連の人を見る目は信頼してるからね」「そう、ならば大丈夫かな」「うん大丈夫だよ、それじゃあそろそろ時間だから行こっか」「だね、行こう」
二人は部屋を出てエレベーターに乗り会場へと降りていった.....
二人は本部へと足を進めた、そして今二人は天にも届く程の大きなビルを見上げていた
「でっかー...」「本当に大きなビルだな」「ここが...財団本部...」
二人は財団本部のビルの真下に立っていた。最早要塞の様なそのビルからゲートへと目を向ける
「あっ!あっちで受付してるよ」「もう受付始まってるのか、行こうか」「うん!行こう!」
二人は受付へと向かった
「ようこそ日本防衛財団へ、ご入隊おめでとうございます。それではこの機械に認証カードを通してください」「わかりました」二人は言われた通りに機械にカードを通す『認証、確認しました』機械の無機質な音声が流れる「認証確認しました、途一理華様、雷鳴蒼理様ようこそ財団へ。それではこちらをお受け取り下さい」二人は受付からきれいな封筒を渡される「こちらの封筒の中にはお二人の所属部隊が入っております。ただし、この封筒は指示があるまで開けないようにお願いします」「わかりました」二人は封筒を受け取り会場へと入って行った。
二人は会場に入るとその広さに思わず声を漏らしてしまう
「すごくおっきいね」「すごいなこれ」
二人は人混みをかき分けながら指定された席へと進む、すると既に席に座っている人物を発見する
「ねぇ蒼理あの人たち知ってる?」
「いや知らないな誰だ?」
「と、とりあえず座ろ?」
「だな、座るか」
二人が席に着くと相手側から声を掛けてきた
「お?二人もここの席か?俺は鈴木優斗だ、よろしくな」
「よろしく俺は雷鳴蒼理だ、んでこっちが」
「途一理華、よろしくね」
「蒼理に理華か、よろしくな!二人とも!」
余りにも元気すぎる優斗に若干押されながらも他の人物を待つ、すると二人の男女が同じ席に座る「あれ?もう人来てたんだ、私は友里よ。よろしくね」
「あ...もう人いたんだ…僕は凪だよ…よろしくね…」
「俺は蒼理だ二人ともこれからよろしく」
「私は理華だよ。よろしくね、二人とも」
それぞれ自己紹介も終わり雑談をしているとアナウンスが流れる
『皆さん、指定の席にお座り下さいこれより日本防衛財団新入隊員着任式を開始します」
「それでは最初に日本防衛財団会長のあいさつになります」
司会の声が響き渡るとステージに一人の男性が出てくる。その男性は普通の制服に落ち着いたささやかな装飾とエンブレムが施された黒いコートそして随伴する浮遊する長剣というかなり特徴的な服装であり一瞬で多くの人を目を引く格好であった
その男性がスピーチ台に乗るとマイクのスイッチが入り、話し始める
「みなさんようこそ財団へ。私は星守連、この財団の会長です。皆さんの入隊、心よりお祝い申し上げます。これから多くの苦悩や困難が立ち塞がるでしょう、しかし我々は一人ではありませんきっと信頼できる仲間ができる筈です。この財団の試練を乗り越えここに集った皆さんならばきっとそれができると信じています。これから共に戦いそして守りましょう。私達の大切なものを」
会長スピーチが終わると財団を支援している会社、組織の言葉が始まり、そして遂に所属部隊の発表の時になった
「これより所属部隊の発表に移ります、新入隊員の皆さんは受付からお渡しした封筒を開封してください」その言葉が発せられた瞬間至るところから歓声があがる
「おぉ!俺は第一部隊だ!よしっ!」
「ふーん私は第三部隊か…第一が良かったなぁ」
「第五部隊?マジ?スゲー!ヤバイ!」
『開封した後はそれぞれの部隊に別れ各部隊での顔合わせを行いますので係員の指揮にしたがって下さい』
回りの歓声を聴きながら二人も封筒を開封する
「じゃあそろそろ私達も開けよっか」
「そうだな、開けるか」「それじゃあ、行くよ…オープン!」
二人共勢い良く開き中の紙を確認するとそこには『第0部隊』と書かれた紙が封入されていた
「おぉー…お?」「ん?第0部隊?おかしくね?」「だよね?部隊って確か第一から第五までたよね?え?第0なんて無くない?」「そう、第0部隊なんて無いはずなんだが…印刷ミス?」
「いやいやそんなわけ…無いでしょ?」
「なんで俺に聞くんだよ」
二人が混乱する中、優斗が首を突っ込んでくる「お!二人ともどこだった?俺は第一部隊だったぜ!いやー第一部隊ってヤバイな!だって財団の花形だぜ?すごいだろ!っておーいどうした?」
優斗の問いに蒼理が答える
「あのさ、ここの部隊って第一から第五だよな?」
「おう、それであってるぜ。どうかしたか?」
「あ…それがなぁ」蒼理は優斗に自分達の封筒について話す
「うーん、第0なんて知らないなぁ。やっぱ印刷ミスなんじゃね?それじゃあ俺は部隊の所に行ってくるぜ!また会おうな、じゃあな!」
「あぁ、また会おう。ありがとうな」
今度は友里と凪に聞こうとするが既に消えており、席には蒼理と理華の二人だけとなった
「おーい、理華?大丈夫か?ここで人見知り発動するなよほら聞きに行くぞ」紙を見ながらボーッとしていた理華に声をかける
「うえっ、何々?どうしたの?」「これ、多分印刷間違いだから係員に見せて正しいヤツを貰いに行くんだよ、分かったか?ならば行くぞ」
「う、うん。行こう!」二人は近くの係員に近づき声を掛ける「すみません」声を掛けられた係員は振り向き問う「はい、どうしました?」
蒼理は所属部隊のかかれた紙を見せながら係員に説明した「これ、第0部隊って書いてあるのですが、これって印刷ミスですか?」二人の紙を受け取った係員は少し慌てた様子で電話するとさらにより一層慌てながら二人に声を掛ける
「蒼理さんと理華さんですね、ようこそ財団へ、こっちに来て下さい」「え?どうしてですか?結局この第0部隊ってなんですか?」
「それについても後からお話します。なのでこっちに来て下さい」「わかりました。理華、行くよ」蒼理が後ろで固まっていた理華を呼ぶと係員は二人をエレベーターに乗せ、自分も乗ると6階を選択する。訳も分からないままエレベーターに乗せられた蒼理は係員に問う
「俺達、どこに向かってんですか?」
蒼理に聞かれた係員はその質問に答える
「私も良くは分かりませんが6階の応接室に来てくれと連絡がありましたから」
更に謎が深まる中、二人を乗せたエレベーターは6階に着き、あっという間に応接室の前に着く
「蒼理さん理華さん、私はここまでです。この後はこの応接室に入って下さい、それでは失礼します」係員が帰り、ポツンと二人が取り残される「…どうする?」「はぁもう入るしか無いだろ。ほらピシッとしろ落ち着け」「逆になんで蒼理はそこまで冷静なの?!」「こういうのには慣れてるからな。ほら行くぞ」「えっちょっまっ…」蒼理がドアを開ける「失礼します…?」
蒼理がドアを開けるとそこには三人の男女が居た。しかしその男女…特に男性に二人は見覚えがあった。
「え…?連会長…?」「なんで?私達何かやった?」驚く二人に連は優しく声をかける
「やぁ蒼理くんに理華さん、ようこそ財団第0部隊に。私達隊員一同二人を歓迎するよ」
こんにちわ!作者の永久です
皆さん!投稿びっくりするくらい遅れてしまいすみませんでしたぁぁぁぁぁ!
これには浅い訳がありまして、中盤まではめっちゃ順調だったんです。ですが!後半のスピーチがもう全く決まらずこんなにも遅くなってしまいました。決して、決っっしてマインなクラフトにはまったとか鳴○とかにはまってたとかありませんのでご安心を!これからはもう少し投稿ペース早くなるはずなのでこれからも気長に待って下さると嬉しいです。
それでは「観察者」の皆さん、また次の機会に