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私が魔法の水や雷まで出せるようになった頃、ある日お客様がやってきた。その方は男性で、アレン様と同じく仮面をつけて生活をしている様子。
ならばきっと、私の目ではとても美しい人なのだろう。
屋敷にやって来た客人は私を見て笑った。
「はっ、本当に存在したんだな!」
彼曰く、清楚で中々整った容姿でありアレン様を見ても吐かない変わった奴隷。
つまり、私の美醜価値では地味でちょいブスってとこか。
悔しいが言い返せない。だってここでは美人扱いなのだ。
ヒクつく顔を何とか愛想よく挨拶をした。
「初めまして、こんにちは。カナデと申します。」
「おう、よろしくな。俺はルディだ。」
爵位は詳しく無いが恐らくアレン様と同等または一つ下のお貴族様のようだ。
「カナデも一緒にどうだい?」
私をティータイムに参加しないかとお誘いしてくれたアレン様。滅多に無い屋敷外の方との折角の機会だ。二つ返事でお誘いに乗った。
お日様が心地よい午後、アレン様とルディ様とお茶をご一緒になる。大きく広いサンルームのような所で和やかに会話が始まる。
「ルディ、彼女は特別な子で仮面を外しても平気なんだ。」
嘘では無い証拠に仮面を外してみる。ルディ様はぎょっとした後に直ぐ私を見て納得した。
ルディ様はアレン様が言う通り恐る恐る仮面を外して私を見つめる。
彼のその美しさに私はぽっと赤くなる。思っていたよりも綺麗な方だった。
アレン様は私の反応に咳払いをし、私の手を引いた。
「カナデ、見つめて良いのは俺だけだ。」
嫉妬に揺れる瞳。こんな素敵な人に嫉妬される事なんて元の世界では体験できないこと。私はアレン様のお気に入りなのだと自覚をする。
「おいおい。客人をもてなせよ。」
呆れたようにルディ様は笑う。その笑顔はどこか安心していたように見える。彼も仮面を外すのも勇気が必要だったのだろう。
ルディ様の容姿は金髪碧眼に中肉中背の筋肉質と手のまめやらたこから剣を扱う訓練をしているようだ。
アレン様とはタイプの違う綺麗な方。
「……そんなに見つめられると俺が溶けちまう。」
ルディ様は顎を掻くと苦笑いする。
それにアレン様はうんうん、強く頷いた。
「ごめんなさい、私にとってお二人とも美しく綺麗で見惚れてしまうんです。」
かぁっと赤くなりもじもじと発言する。いい大人がこんなに恥ずかしがっては気持ち悪いだろうが、ここは異世界。こんな私でも二人には綺麗な存在だ。
「本当に変わってるんだな。」
「あぁ、俺たちにとって生きる希望だ。」
私のような美醜の価値感の違う人間は殆ど居ないのだという。あの日、奴隷を買いに訪れたアレン様も一か八かの最後の賭けの手段だったそう。
だから、これは運命だと。アレン様は私の両手を包むように握り微笑んだ。
「何だよ、見せつけるために呼んだのかよ。」
ルディ様は呆れ顔をしたがアレン様の私に対する顔や様子に微笑ましそうにまた、嬉しそうに笑った。
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