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レインズの頭を鷲掴み上げ腹に膝蹴りを喰らわすアレン。
吹っ飛んだところを追撃するよう魔法陣を展開していくつも炎が彼を襲う。それを、体を翻して壁を蹴り躱わすレインズの魔法が展開される。
レインズは水魔法、アレンは炎の魔法。
バチバチと拮抗しているが微妙にアレンが優っていた。それは怒りの力。
レインズも叫ぶように怒った。
「おい!貴族様!元々アレは僕の奴隷になる予定だったんだぞ!」
それを横取りしたのはあんただ!!と、更に対抗し雷魔法を詠唱破棄で展開する。
「そんなもの知るか!!」
アレンは高く飛び上がり雷光を避け炎と水を掛け合わせた強力な魔法を撃ち込む。
それをまともに喰らい膝をつくレインズ。
跪いたレインズ。アレンは再び頭を鷲掴み言い放つ。
「彼女は俺の妻だ!」
エメロードがレインズの後ろで両手首に手錠をかけた。
「封魔の手錠だ。いくら手練れでも魔力を練りようがない。終わりだ、諦めろ。」
「僕が捕まったら誰がギルドの高ランク任務や命懸けの諜報をするんだ?よく考えて処罰を決めろよ。」
レインズは吐き捨てるように言った。
確かに今まではこの男が街のギルドで一番活躍しており国も認めた功績も沢山あった。教会と孤児院も、レインズから多額の寄付を続けられていた為、今回の事件には女性一人の犠牲で多くが助かるという理由だけで目を瞑られた事件だった。
「覚悟しろ。俺は許さない。」
「…ぐぅっ…!」
アレンは男の腹を殴りつけた。
まだまだ足りないと、更に殴ろうとした時、聖女から声が上がる。
「お気持ちはお察しします。ですが今は彼女を優先すべきです。お分かりでしょうアレン様!」
昂った怒りを一度抑え、カナデの寝顔を見た。
聖女から彼女を受け取るよう横抱きにして運ぶ。いくつもの涙の跡が頬に残る彼女を想うとやりきれない。怒りがまた沸々と湧き上がった。
だが、今は救出できた事をエメロード達に感謝する。
「さぁ、俺達の家へ帰ろう。」
これから彼女は自分との戦いが待っている。自分を赦す事ができるのか。例え事件を知っている全員が問題無いと受け入れたとしても彼女一人だけは自分を責め続けるはず。
これから一生、夫婦で助け合うと誓って救出に来たのだ。アレンの気持ちは決まっていた。
カナデを愛おしそうに見つめ、洗浄魔法をかける。ゆっくりと顔を近づけ額にキスをした。
目が覚めた時、一番に会いたいと願いながら。
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