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聖女のお見合いパーティの会場は仮面の男達数十人が待たされていた。
会場にはシャンパンやデザートのフルーツ等が並べられておりビュッフェ式に皆自由に過ごして聖女が来るのを待っていた。
ここでのルールは聖女が声をかけた者が仮面を外し、会話を許される。選ばれなければ仮面のままだ。
まず最初に選ばれたのは線の細い長身で髪が赤い男だった。
二人きりになれるテラスへ移りカップル席に座り改めて挨拶をする。
「初めまして、ユウリと申します。」
「初めまして、ダインといいます。」
彼は爵位が無い宮廷魔術師で、アレンの後輩に当たる男であった。彼女にとっては爵位や貴族等それらは関係なく、美醜でしか判断に無かったので何も問題が無いようだったが、
「仮面を外してくださるかしら?」
聖女に促され辿々しく仮面を外すダイン。
「…あら、思っていたよりお若そうですわね。」
そう、聖女は成人しているが、ダインはまだ、18歳であった。少し残念そうに会話もそこそこで、次の男を選びに会場へ戻る聖女。
ダインは呆気に取られ放心した。
まさか声をかけられるとは思ってもいなかったが、仮面を外して醜いと罵られなかったこと。それよりも会話を楽しむどころか変わり身の早さに驚かされた。
別に結婚がしたかった訳ではないが、折角自分を気持ち悪いと言わない存在に出会えたのに物悲しい別れだった。
聖女ユウリは、次々と男達の仮面を暴いていった。
中々好みの男に出会えず、最終的にまたアレンにしなだれかかった。
「おやめ下さい。」
サッと聖女を制して体を離し距離を取るアレン。
「じゃあ、もう、彼の方で良いです。」
残念そうにアレンから視線を外し、不貞腐れたようにある男を指差した。
金髪にエメラルドの瞳。高身長で足が長くスタイルが良い。
「では、1日考慮して決めましょう。」
アレンは流石にはしゃいでいたが、男選び疲れた聖女を会場から出すようメイドに合図を送った。
「皆様お疲れ様でした。気を悪くされた方には本当に申し訳ない。ですが、我が国の為の伴侶選びでした。ご協力感謝致します。」
最後にアレンの一言で会場は解散した。
残されたのはエメラルドの瞳の男ただ一人。彼はエメロードという名で、貴族であった。
「エメロード、嫌なら断っても良いんだぞ。」
アレンはエメロードと馴染みの仲であった。
「いや、俺の目的には利用させてもらうつもりだ。」
お互い考えている事は同じ。国の為。
愛など恋など、見た目で体験することが出来なかったのだ。元々不可能と思われた結婚だ。エメロードは家の為にも聖女との結婚は必要であった。
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