表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狂戦士は平凡な貴族になりたい ~新米領主の領地開拓スローターライフ~  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/100

第52話 新米貴族は屍王の力を見せつけられる

 翌日、僕と子爵は屍王を同行者に加えて出発した。

 引き続き王都に向けて移動していく。


 今までは平和な旅路だった。

 それは屍王が先回りして、暗殺者を倒していたためだ。

 故に彼女が事前に処理していない道のりは、極めて過酷で凄惨であった。


 具体的には道が破壊されていたり、至る所で暗殺者が襲撃を仕掛けてきたのだ。

 素性の分かる持ち物は見つからなかったが、おそらく僕達の握る利権が目当ての貴族が派遣したのだと思う。

 複数の貴族が手を組んで狙っているに違いない。


 王国内の貴族社会は、とても醜悪である。

 外面は悪くないが、その裏では常に腹の探り合いが繰り返されていた。

 陰謀と陰謀が絡み合う場所で、ルードが最も嫌う性質だった。

 逆に貴族達からも彼の力は忌避されている。

 制御できない暴力ほど厄介なものはない。


 暗殺者達は、幾度も僕達に襲いかかってきた。

 心臓に悪い出来事だが、僕達が傷付いたり、苦労することは一切なかった。

 何かする前に、屍王は残らず片付けてしまうからだ。


 彼女の能力は圧倒的であった。

 僕達の周囲一帯にアンデッドを配置して常に警備させることで、どこから接近されてもすぐさま感知できるのだ。

 暗殺者が現れれば、すぐさまアンデッドを殺到させて始末してしまう。

 アンデッドが自動的に動いて盾になるため、遠距離からの攻撃にも完璧に対応していた。


 おかげで僕達が被害を受けることはない。

 無数のアンデッドに囲まれ続けるという状況は、あまり気が休まらないものの、精神衛生上の懸念を除けば実に安全だった。

 少なくとも文句を言える立場ではないだろう。


「領外の暗殺者って弱いのね。まるで赤ん坊みたいだわ」


「ロードレスの基準だとそうだろうな。あそこは周辺諸国と比べても異常なのだよ」


「そうなのねぇ……ちょっと誇らしいわ」


 先導する屍王は嬉しそうに言う。

 彼女は僕に近寄ってくると、満面の笑みで囁いてきた。


「エリス君はゆっくりしててね。邪魔者はあたしが皆殺しにしちゃうから!」


「は、はい。ありがとうございます」


 僕はぎこちない顔で、感謝の言葉を述べることしかできなかった。

 屍王の恐ろしさに戦慄していると、子爵が小声で説明してくれる。


「ちなみにルードは、彼女の配下を残らず叩き潰して一騎打ちに持ち込んでみせた。ほぼ無尽蔵に蘇るアンデッドの軍勢を、巨人用の剣でひたすら切り刻んで殲滅したのだ。目撃者は少なかったが圧巻の戦いだったよ」


「凄まじいですね」


「あそこまで正面突破で勝利するとは、さすがに私も予想外だったな。それが屍王の誇りを傷付けたようだ」


「なるほど」


 奔放そうに見える屍王にも、相応の矜持があるようだ。

 怒らせないように注意しなければ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] >王国内の貴族社会は、とても醜悪である。 >外面は悪くないが、その裏では常に腹の探り合いが繰り返されていた。 >陰謀と陰謀が絡み合う場所で、ルードが最も嫌う性質だった。 ……分かります。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ