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狂戦士は平凡な貴族になりたい ~新米領主の領地開拓スローターライフ~  作者: 結城 からく


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第30話 新米貴族は領土経営に着手する

 ルードから肉体の主導権を握ってから一カ月が経過した。

 ロードレス領における暮らしは、目まぐるしい日々と言えよう。

 ただの一日も退屈な時間がないのである。


 僕は領主として活動を開始した。

 ルードが制圧した都市や村を巡回し、物資を提供してもらっている。

 そうやって最初の村の基盤を整えていった。


 正直、物資提供に関しては一悶着あるかと思った。

 反発した者達からの逆襲さえも警戒していた。

 ところが僕の心配とは裏腹に、どこの住民も従順だった。

 それどころか職人や戦士といった人材まで派遣してくれる始末である。


 各地の責任者は村長のように慇懃な態度だった。

 初対面の僕を目にした瞬間、平伏して挨拶してくるのだ。

 個人的にはそれをやめさせるのが一番大変だった。


 詳細は知らないが、ルードと戦った際に恐怖を刻み込まれたらしい。

 それがあまりにも大きすぎたようだ。

 ルードの名前を仄めかした途端に怯える者も多く、話し合いは子爵にも手伝ってもらった。

 あの狂戦士は、よほど凄惨な仕打ちを与えたようだ。

 封印されて大人しくなるどころか、さらに過激な面が出ているに違いない。


 村の生活は格段に豊かとなった。

 目に見える速度で発展しており、食糧問題は完全に解決したと言える。

 よほど余裕があるのか、連日のように豪華な食事が出てくるほどになってしまった。


 特に僕の分は顕著だ。

 まるで大貴族のような食事が食べられない量だけ出てくるのである。

 いつも遠慮しているのだが、村長に押し切られて堪能していた。


 無論、この一カ月にも発生している。

 ルードが訪れなかった遠方の街から襲撃があったのだ。


 その際は子爵や村人達と協力して撃退した。

 僕は全身を魔術鎧に身を包み、強力な魔剣を使って戦った。

 どちらも別の街から提供された防具で、僕の身を案じた者達が献上したのである。

 鎧と剣はそれだけ一財産になりそうな装備で、相手がどれだけ強かろうと、僕の命が脅かされることはなかった。


 村長からは出陣自体を止められたが、さすがにそれは嫌だった。

 かなり卑怯なやり方だが、僕は実戦経験を学びたかったのである。

 無力な人間として守られるだけの存在になりたくない。

 早く強くなるため、今日も地道に鍛練を行っていた。


「そろそろ休憩したらどうかね」


「いえ、もう少し、頑張ろうと、思います」


 素振りをする僕は、子爵の言葉に応じる。

 やや息が切れているも、ここで休むわけにはいかない。

 ルードはどれだけ戦っても疲労しないのだ。


「ふむ。では後で手合わせをしよう。声をかければ、村長も参加するのではないかな」


「そう、ですね。よろしく、お願いします」


 子爵が立ち去るのを横目に、僕は剣を振り続ける。

 超えるべき目標はルード・ダガン。

 あの狂戦士を圧倒するのが僕の理想であった。

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