商人は笑えない
アァアアア!! 年号がァ!!年号が変わっている!!
天文六年 七月 実験の日
どうでもいいが実験の日は週に三回はある。…誰に言い訳してるんだ俺は?
今回は布でくるんだ米糠に重しを載せたら油のようなものが出た。
舐めた感じ油っぽかったので多分油だ。しかし、米糠から取れる量が少ないから正直あまり便利ではないがこの希少性はなにかに使えそうな気がする。暫定的に米油と称することにする。
とりあえずこの油で適当なもの炒めてみたらいつもよりおいしくなった気がする。あくまで気がするだが。
……あ、糠漬け用のぬか残すの忘れてた。
天文六年 七月 運動の日
なんと蹴鞠の師匠とやらが来るらしい。
蹴鞠の師匠ってなんだよと思ったが、何でもその道じゃ有名な人らしい。そんなもの受けたところで意味ないと思うのだが、貴族の嗜みとしてするべきらしい。
父親がそんなことしてるところ見たことないのでお手本見せてもらったが、二回も続かないってどうなのよ?
師匠の話じゃ才能ない人はそんなものらしい。それ聞いて崩れ落ちる父親を無視して練習をするがうまくできてないらしい。何度か続くからええやないかと反論したが作法がどうたら言われた。
一応雑記帳にまとめたが何が違うのかわからん。
天文六年 八月 商談の日
商人の店で雑談しながら情報収集するのは重要な事だと思う。
この商人は妙に情報通なのでよく通うようになってしまう。その代わりこっちも実験の事話すので損得でいえば多分得だとは思うが。
そんな訳でかねてからの疑問を聞いてみたらすごく動揺していた。
やっぱ忍者だったのか。どっかの大名の手下だとは思ってはいたが鎌をかけたらあっさり引っかかった。
最近、蕎麦の栽培してるという近江守護の手下らしい。
伊賀と言ったら甲賀だ!と強く否定されたので多分間違いはないだろう。
それはどうでもいいので軽く流して、欲しいものを注文する。
実験結果を教える代わりとはいえ、すごく安値で卸してくれたらわかると思うのだがそこまで気が回らなかったのだろう。
米油は油座が五月蠅いかもしれないという事でそっちに話を通してみるそうだ。
油座は一定の献金しつつ、好き勝手してるからあまり口出ししにくいんだよなあ。そういえば菜種油の事もあるし、うまくやれば金蔓になるかな?
それは兎も角、温めた油に野菜や肉を漬ける料理を試したら結構おいしかった。
これ油座に対しての交渉に使えそうだな。
追記:朝廷の蔵書に発見した調理法と思わしき料理の話があった。これは交渉に使えないかもな。
捻じ曲げ感想のせいか感想が来なくなった。
失踪してもバレない土台は完成した!