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転生戦国貴族日記抜粋  作者: 矢口飛雨僧
天文六年(西暦1537年)
7/44

就職先(候補)と結果

梅干しって紫蘇が普通だと思ってたけど蜂蜜漬けとかあるんだな

普通に紫蘇のやつ買ったけども

試して消費できんかったら恐ろしいしな

うん俺は間違ってない

   天文六年 五月 未熟な梅の日

 庭の梅がいい感じに未熟なので酒にぶち込んで梅酒にする

 …のはいいんだが、漬ける期間と材料ごとに分けてたはずの他の壺が消えている。

 別に飲むのはいいんだが飲み比べてくれって伝えてたはずなのにそれすらしないとは。

 あのアホ親父は一回あの頭から髪の毛消滅させたろうか。


   天文六年 五月 またおっさんが来た日

 また楽奉行のおっさんが来やがった。

 このおっさんは蒸留で濃い酒作った時に親に酒を飲ませたら酔って使い物にならなかったので試しに酒好きと噂のおっさんに感想寄越せと渡したらなぜかちょいちょい来るようになってしまった。

 この人暇なのだろうか?

 何しに来たのかと思ったら消えた梅酒の感想言いに来やがった。

 え?母様が?

 ならいいです。飲み比べた感想がやけに細かくて参考になる。雑記帳に書いたのはあとでまとめて清書して本にするか。うまく行けば一財産だ。

 自分で飲んでも酔って即寝てしま――(汚れて読めない)

 なんか母様にめっちゃ説教された。書いてたのに昼なのに日が暮れたよ。

 月明りでも書けないことはねえが書きにくいし、結論だけ書いとく。

 なんかおっさんに楽所、宮廷で雅楽をやってる部署に来ないかと言われた。

 当然断ったがまた来るとか言って去った何しに来たんだあいつ。


   天文六年 五月 鶏が倒れた日

 楽所って荒れた京から雅楽関係者が逃げたせいで名ばかりなところがあるからな。

 というか個人で活躍してる奴はいるけど組織として機能してんの?

 昨日の愚痴はここまでにして、白米ばかり食べさせてふらふらしていた鶏がついに倒れて息絶えた。

 それを知った母様が悲鳴を上げて倒れたので、父に押し付けて解体のうまいらしい料理人?に雑穀の鶏との差異を文字と絵で書き留める。

 絵の方は帰ってから見比べるとなんも理解できなかったのでどうしようこれ。


   天文六年 五月 そらでいった日

 庭の一角に倒れた鶏を埋めて般若心経を暗唱したせいかなぜか妖怪がいると噂になってた。

 とりあえず噂を広めてた婆さんの背後で般若心経を半刻ほど唱えたら泣いて喜んでくれた。

 それを二、三回ほど繰り返したら背後でお経を唱える怨霊が京に蔓延ってると噂になってた。

 お経を唱える怨霊ってなんだよ。

 日が暮れる前に暇そうな坊主連れて読経させておく。たぶん効果あるだろ。

 とりあえずそのどこから出したのかわからん薙刀構えるのやめて下さい母様。生臭っぽい坊主でしたがたぶん成仏したんで。あと薙刀で霊を倒せるんですか?

 え?身体が裂かれた鳥の呪いの絵?

 ……あれもちゃんと供養しましたウソジャナイヨ。


   天文六年 六月 復活の日

 息絶え絶えの白米鶏に雑穀食わせたら比較的早くに復活した。

 実験はある意味成功だ。

 で、この実験に使った鶏どうしよう?

令和とかいいんじゃないですかね?

万葉集とか読んどくべきか?

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