謁見と笛
頭に小判を付けた猫(たぶん担当の人)に「小説売れてないから二巻は出さない事に決まったから」と言われてショックで目が覚めました
まず小説だしてねえよと完全に覚醒してから突っ込みましたが、表紙に猿とカエルが載っていたあの本は何の本だったのだろうか?
改めて文字にすると意味わかんないな
追記:いつの間にか(×お気に入り)〇ブックマークが1000超えてますがこれは夢か?
天文六年 五月 呼び出しの次の日
流石に短すぎるので追記として覚えているうちに書いておこう。
元々俺は御門に嫌われていたらしい。
御門は金銭関係で潔癖症らしく、金儲けのためにいろいろやっているのをよく思っていなかったそうだ。しかし、俺が他の底辺貴族の家を助けたりしていたので強くも言えず、悶々してたと。
……そんなの俺の知ったことじゃないだろう。あと勝手に名前使ったことも怒っていたらしい。
なんかそんな事あったか?記憶にないんだがまあいい。
しかし、評価が一変する出来事が起きる。
前やった施餓鬼だ。
金稼いでいるのは施餓鬼の為だと誤った情報が上層部に流れたらしく、御門は『民を救うために活動していたのにそれを疑い厭うとは朕は愚かであった(意訳)』といたく感動して呼んだそうだ。
迷惑過ぎる上にその疑いが間違ってないからなんと言えばいいのか言葉を選ぶ状態だ。
呼び出しに応じてどっかから借りたらしい牛車に乗って謁見の場に向かえば、なぜか役職持ちどころか貴族関係者が勢揃いの中で謁見という謎の状態になった。
御門が御簾越しにいるのは貴族の嫡男とはいえ、無位無官で格の足りない自分の立場を考えれば当然だが、なんで他の貴族勢揃いの中で謁見しなければならないんだ。
話に聞く謁見の場から考えると人が多すぎる。いても大臣ぐらいだと聞いていたのに暇なのだろうか?
話を聞き流しながら周りの様子を窺うと友好的3割、中立5割、敵視1割、無関心が1割と言ったところか。
多少例外もいるが下級貴族は割と友好的で、上に行くにしたがって好感度が下がっていっている感じだ。
特に儀礼なんぞを担当する老人は親の仇かというぐらい嫌そうな顔をしていた。
原因は謁見に人が多すぎる事だろうが俺は何も悪くない。
御簾の向こうで御門が言った言葉を臣下が御簾よりこちら側で伝えるが、はっきり言って御門の声結構大きいから普通に聞こえているのだがいいのだろうか?
老人も頭痛そうにしてたし、良くはないのだろうが。
長々とした話が終わった後、御門の要望という名の命令で笛を吹くことになった。
桜の下で演奏していたのが聞こえていたと、なんか恥ずかしいなそれ。
それは兎も角、二、三曲演奏したら周りが異様なほど驚いていた。なぜかと思ってざわざわを聞き分けると結構難易度の高い曲を演奏していたらしい。
……母様は初級の初級とかいって習わせられたんだが、もしかして騙されたのだろうか?
いや母様に限って――そういえば最低限しかしないって言ってから急に難しくなったような……。
いや、まさかね?
それで終わりにしようと思ったら御門からあの曲は吹かないのかと無茶振りされる。
どの曲なのかわからないのでそう言ったら、前に途中でやめた曲だと言われる。
思いついた作りかけの曲ですと言ったら演奏しろと強要されたので、渋々演奏する。
意外と好感触で全員悪くはなさそうな感触ではある。
褒美に欲しい物をくれると言われたので反射的にいらないと答えたら、御門の機嫌がよくなったようだ。
反対に場の雰囲気は悪くなっているが。
仕方がないので好きなだけ本が読みたいと言ったら、意外な事に朝廷の有する本を読む許可を貰えた。
ただし、監視付きのようではあるが……。
それは仕方がない事なんだろう。本は希少だし。
イメージ曲「みなぎってきた」