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転生戦国貴族日記抜粋  作者: 矢口飛雨僧
天文六年(西暦1537年)
4/44

日記に書けない愚痴

中の人などいない

 立場というのが問題だ。

 どんなに頑張っても元服してないと公式な功績にはならないし、ぶっちゃけ知識を使えない。

 使えるのはこの世界で再現できる上で知っていても思い付きと説明できる範囲だ。

 思ったより縛りがきつい。

 それにこの時代にはない言葉や外来語も避けなければならない。

 下手すれば狐憑きとか言われて(流石にないと思うが)処刑される。

 前にうろ覚えの歌を歌ってたら母様が発狂して、どこからか取り出した薙刀を振り回して暴れまわったので(どうやら英語歌詞を聞いて恐怖したらしい)死にたくないので気を付けている。

 発狂してから日記も勝手に読まれてるみたいだし困る。


 武士とか農民の子供なら適当に試して成功したものを使って成り上がりが出来るが、何の因果か公家――貴族である。

 つまり横領されて土地はないし、正式な跡取りだから自由もない。

 一日のほとんどは跡取り教育で時間を潰される。暇を見つけては色々やっているがどうも効率が悪い。

 ……地味に義務教育の知識が足を引っ張っている。

 この時代は古臭い漢字の漢文や崩し字とかいうぶっちゃけ読めない字で書かないといけないのである。綺麗な字で書けと言われながら読めないような崩し字を書かされる。あと略字やよくわからん記号なんぞも覚えないといけないわけだ。正式な文章の書き方になぞなぞをはじめとする宮廷文化。後半に至っては好きな奴だけでやれよと言いたくなる。

 一度、楷書体で言われた通りに全文書いて逃げたら、真面目にやれと授業が増えた位である。アレは単純に読めないくらい汚いからだそうだけども。


 やりたいことはいくらでもある。

 まずは衛生環境の改善。

 なんのきっかけか知らんが焼き討ちや戦が毎年起こる時代だ。下手すれば死体処理の時間もなく普通に死体が転がっているような。

 そのせいか短期間のサイクルで死ぬような疫病が流行している。

 ……よく考えたら現代では抗生物質だのなんだので肺炎でも死ぬことは少ないらしいが、そんな対策のないこの時代じゃほとんど自然回復任せだ。

 しかも、手洗いうがいみたいな対策もほとんどできないし石鹸もないから衛生面も結構ヤバい。


 次に食の改善。

 貧乏が悪いのか自分が何とか稼いで薄い粥というかスープが粥になったぐらいだ。

 改めて考えると良く生きてるな自分。

 数えで8だというのに身長が前世の6歳児並みだ、肉とか食べて身長を伸ばさないと本気でチビで一生終わるかもしれない。

 最も周りも身長低いからそこまで気にすることではないかもしれないが、身長は伸ばしたい。


 最後に歴史改変。

 キリシタン大名の奴隷貿易とか個人的にむかつくので、個人的には改宗前に片付けたい。

 今が西暦何年なのかは知らないがどうも信長はまだいないみたいなのであと20年近くは余裕がある……と思いたい。

 今からでもなんか対策したいが今できるのは商人相手に噂を流すくらいだしなあ。

 今の相手にしてる商人は少ないから噂の根本としてバレるのはまずい。探らりきれない程度には多くの商人と交流を持ちたい。

 堺の商人を巻き込めれば信憑性と共に一気に全国に話が行く可能性が上がるので何とかしたい。

 堺が食いつくようないい話はなんかないかなあ……。

意外と気を使ってるという話

あと本来の逆行転生ってこれくらいのリスクがあると思うんですよね

あと母親は割といそうなイメージが強いのでヒステリー持ちです

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― 新着の感想 ―
[一言] 数話前に尾張の虎ってありましたから、信長が活躍して名を挙げるのに十年は掛かるかな? 家を継いだら先物買いのつもりで信長と話をしてみるのもアリかな。
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