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転生戦国貴族日記抜粋  作者: 矢口飛雨僧
天文七年(西暦1538年)
24/44

鬱おじさんの独白

総合評価5000超えたので独白やります

元現代人同士の話です

 兎と名乗った子供に連れられてきたのは寺だった。


「ここは?」

「見りゃわかるだろ神社だ」

「いえここは寺です。由緒ある――」

「似たようなもんだろ。あ、ハゲに茶飲み話するから部屋貸せ。あとヤバい話するから人払いしろと伝えとけ」


 訂正しようとした小坊主に頼んで勝手に目的らしい部屋に向かう。自由だなこの子供はもしかしてかなり身分が高いのだろうか。

 ついた部屋は茶室のようで、中に入ってからは手際よくお茶をたてる子供相手に落ち着かない思いをしながら待ち続ける。


「て、手際がいいんだな。まだ小さいのに」

「前世も合わせたらお前より年上だと思うけどな。まあお茶のたて方はここ数年で学んだけれども」


 前世?


「ちょっと待て君は転生者なのか!?」

「茶室で騒ぐな。密談用の部屋とはいえ騒いで聞こえたら意味がねえだろ。存在が他のバカ共にバレたくはないからな」


淡々と入れたお茶を飲みながら語る姿はとても子供には見えない。ちょっと待て全部自分で飲むの?


「転生者あるいは転移者がいるのは自分がいることから可能性は高いと思っていた。そこで新しい物の噂を集めてみたら確実にいるのが3人、可能性が高いのは数人といったところか」

「その網に私も引っかかったと?」

「お前失敗してるから引っかかるわけなかろう」


 それはそれで悲しいな。


「確実にいる北の方は今の所は領地改善がうまくいきすぎて周りから攻められてるから放っておいてもいい。近場のは仏門に入ってるからそこまで過激な事は今はしないだろう。問題は南の方で順調に支配域を増やしているようでな。こっちは下手な事になる前にある程度は朝廷との繋がりを持たせないと周りから唆されかねん」

「周りとは?」

「大陸或いは南蛮だな。明確なビジョンがあるなら唆される事はないだろうが、そのビジョンがどう向いてるかわからんから早めに接触を持ちたいわけだ」


 今の生活を根底から覆されたりしたくないからなと呟き、新しくたてたお茶をこちらに渡してくる。

 無礼講のようなのでわからない作法は無視して飲む。


「俺は別にどこが天下を取るかとかは興味がない。ただ気になるのは日本にこれだけ転生者がいると仮定した場合、世界という規模ではどれだけの人数がいるのか歴史の改変が進んでいるのか全く分からないのが恐ろしい。技術革新によっては本当に世界を征服する可能性もあるからな」

「それは……」


 考えたこともなかった。

 確かに転移したからと言って自分一人とは限らないし、自分が成り上がろうとして失敗したように成り上がりを狙って成功するものもいるだろう。

 話を聞く限り日本に数人いるなら世界では?数人どころでは済まず数百人はいるかもしれない。そして技術や思想の改変が起きていると仮定した場合、これから先の歴史は本来の歴史から外れて全く宛にならない可能性が高い。


「……私を連れてこんな話をするんだ。何かさせたいんだろ?」

「ん?あるけど――お前に貸した金いつ返すんだ?」

「今までの前置きは!?金の当てがないんでもう少し待ってください!」

「そういって賭博に使ってるの知ってるからな?」


 その日から賭博場に出禁になった。

飛「転生者とかごちゃごちゃ考えてたらすげースケールの大きい話になった」

兎「どう畳むんだよコレ」

飛「言っちゃ悪いと思うけどこの時代の西洋なんかは下手に今の思考持ち込んだら宗教裁判とか貴族特権で狩られると思うので考えるだけ無駄かもしれません」

兎「あー、あっちは下の階級が逆らったら容赦ないからなあ。既得権益の関係で上の方に転生しても身動きとれなさそう」

飛「まあ主人公は立場が立場なのでそういう血生臭いの無理ですし(武家に転身した貴族一杯いるけど)」

兎「おい聞こえてるぞ」

飛「ただ公家の強みって権威と人間関係による強みだと思うのでそういう事をする予定はありません」

兎「専門でそういうのに書いてる奴には勝てないしな」

飛「ぶっちゃけ手に余るし」

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― 新着の感想 ―
[一言] ほんとだよ。すんごいのんびりした感じのほのぼのした話を続けるかと思ったら、偉い急にとんだ気がする。スケール大きい(笑) どちらにしても楽しみますけど、他の転生もしくは転移者が何の大名やらなん…
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