猿楽
ポケモン盾買った
天文七年 七月 洗濯の日
サイカチの莢を水につけて手で揉むとぬめりと泡が出るので、洗濯の為に使う。
ここ一週間は晴れと天候読みのジジイの話もあるので今日が一番良い日だろう。雨降ったら粗末なもの切り落としてハゲにすると脅しておいたし問題ないだろう。
というわけで褌だけで洗濯してたら蛙君と男の娘が来た。
こいつら格上の家の癖に頻繁に格下の家に来すぎじゃないか?いや俺が格上の家に行きたくないと言ったら来るようになったんだが父の心労が凄いようだ。知ったこっちゃないけど。
なんで俺が洗濯してるかって?
兎の足型取ってたら逃げた兎が母様の服を墨まみれにしたからだけど?
おいなぜ呆れた目で見る?
天文七年 七月 衝撃の日
でかい蜂が飛んでるからどうしようかと思ってたら鶏が蜂を捕まえて食った。
嘘だろ!?思わず意味もないのに二度見してしまった。
これはでかい蜂だからなのか?小さい蜂を食べてる所は見たことないし、うまく使えば儲けになるのでは?
検証が必要だな。
天文七年 七月 猿楽の日
猿楽同士の芸の競い合いがあるので見に行ったら男の娘と鉢合わせる。ついでにその親もいたので全力で離れようとしたら気が付かれた。
こっち来いじゃねえよ親御さんすごい嫌そうな顔してるよ。
というかあいつ俺を毛嫌いしてる儀礼担当の爺じゃね?
嫌がらせの為に一緒に見ることにする。
猿楽は面白かったが爺の隣は疲れるな。飯奢って貰ったのでお礼言ったらなぜかキレられた。
なんなんだあいつ?
天文七年 七月 勝負の日
なんか自分は何でも知っているとか言う変な奴がいたので古事記の話をしたらそこら辺の子供に話を振って逃げようとしてその子供が普通に知っていて恥をかいていた。
何がしたかったんだろあいつ?
ここら辺の子供は俺の手伝い兼暇潰し授業の結果、大人顔負けの知識量なの知らないのだろうか?
御門のお膝元だから国の成り立ちぐらい知らないと恥だとか言って雑談交じりに話してたんだよな。
え?おやつ?
昨日、蕎麦の売上入ったし少しなら奢ってやるよ!ちょっと待て?!増えすぎだろ!?
天文七年 八月 紙の日
俺の雑記帳は竹だったり紙だったりと安定してないが、紙が貴重なのでまずは竹に書いてあとで必要そうな所だけ紙に清書している。
つまり今日は清書の日だ。
紙が足りねえ。紙の作り方知らんから量が欲しくても増やせんしどうしよ?
商人に相談しても努力してみますとしか言わんし期待薄だなあ。
飛「753なんかでもわかるように子供は死にやすい時代です」
兎「今みたいに薬も医者もあふれてないしな」
飛「なので跡取り息子は鬼に攫われるという迷信があって女装させて生き延びさせようという事をやってたらしい」
兎「え?男の娘ホントにいたの?」
飛「最近だと昭和天皇も幼少期女装してたらしいので割と根深い歴史なんじゃないかな。いつからやってるのかは知らんけど」
兎「毎度毎度調べるのが浅い!」




