睡眠のための道具
いつもより短め
最近知ったんだけど低反発枕で高低差あるの首の為なんですね
天文六年 九月 寝つきの悪い日
人の身体って立ってる状態と同じような状態で寝ると一番楽らしい。
木の枕は使いにくくてかなわん。というか固い。
固い上になんか首痛くなる。その上起きたら寝ぼけてイラついてたのか枕が庭に刺さってる始末。
襖開いてる所を見ると、夜中に厠に出た帰りに寝転がりキレたのだろうか。わからん。
高さの問題かと思い、いくつか高さの違うものを使ってみたが結果は大体同じだった。
あと父親はその中の一つがちょうどよかったらしい。勝手に持っていくなよはげろ。
いい機会だしいろんな枕使ってみるか。
天文六年 九月 枕の日
木や竹などいろいろ試した挙句、結局蕎麦殻に落ち着いた。
羽毛はやってみたかったが高くなりそうなので断念。
折を見て色々試そうと思うが、蕎麦殻枕を作らせた商人は意外と売れるんじゃないかとまだまだ試すそうだし、いいのが出来たら譲ってもらおう。
適当なのに話題を振っとけば、すぐに話は広がるだろうし。
そして利権を得れれば万々歳。
天文六年 十月 少し肌寒い日
御門に要請を受けてなぜか笛を演奏していた。
なぜか庭で。
老害が建物に入る許可を出させないように御門を説得したらしい。嫌われてるな俺。
それはいいのだが、庭が所々荒れてるのが気になる。
そして家から連れてきた兎を構い倒して笛の音聞いてないのがもっと気になる。
繁殖で小さいのが増えたら人に慣れたところで厄介ば――献上しようと思ってその前の意識調査として連れてきてみたが正解だったようだ。
これでいざという時の対策はばっちりだ。
あ、連れて帰るんで持ってかないで。
天文六年 十月 枕完成の日
商人が出来のいい枕が出来たというので稽古から逃げて行ってみたら、肌触りのいい枕が出来ていた。
形が変わるからか枕自体が頭と首の形になってるようでそれがいいのかもしれない。
そういう事を楽奉行のおっさんと話してたら興味を持ったらしく買い付けるそうだ。
帰ったら母上様に献上して機嫌とらないといけないな。
飛「枕って元々死者のためのものなんだとさ」
貴「なぜこのタイミングでそれを言った」
飛「形が変わらない枕は寝返りの時などにダメージになるそうで」
貴「というか木の枕ってこの時代あるの?」
飛「知らん」