商人の独白
天下一武道会ってどこ主催?国?マスコミ?
この若造にあってからは碌な事になってない。
甲賀の一派の中で商才があった故に京で商人として情報収集の命を受け十数年、若造に出会ってからは碌な目になっていない気がする。
最初に緑の炎で脅されてから(後に誰でも出来る炎に金属を入れるだけだとバラされた)儲けになる話や損になる話、いつの間にか上からは若造の手先扱いされるわ、急に大物と引き合わせると、今までの十数年はなんだったのかというぐらい目が回る勢いで日々が過ぎていく。
だが、さすがにこれはない。
「いや、調停で存在発揮とかアホなのか?それ将軍じゃなくて朝廷でも出来るし征夷大将軍に求められるものじゃないだろ」
「ならばどうすればよいと?傀儡のように操られよと?」
「単純に力を持てばいいんだよ。武家の棟梁なんだから必要なのは有無を言わせない武力だろ」
「……そんなものどうしろと?」
「知らん」
なんでこの人は将軍連れてここで密談してるんだ!
情報は有難いが周りの監視で恐ろしい事になってるんだよ!
「将軍趣味のお前には想像できないだろうが天下泰平が将軍のなすべきことじゃないか?一応、全国は朝廷の臣下なんだし」
「吾は将軍というのになぜ信用せんのだ。しかし、一理あるの」
一理もないわ。
天下泰平なんぞ飾りに過ぎない将軍には程遠い。力がない奴には夢見る権利すらないというのに平然と理不尽をまき散らす若造は当然のように思い付きで場を引っ掻き回す。
「一人で歩き回る将軍なんているわけないだろ。一応、お偉方だろうが」
「好き勝手に動き回る小僧が言うのか?」
「俺は周りが勝手に守ってくれるし?」
この若造、監視に放ってる草が他の草とやり合っているのに気が付いているのか!?
発想をうまく使えば大儲けが出来る(例・蕎麦切り)とうちが立証してから、あちらこちらから探りの手が伸びている。
利益の独占や意外な情報を得るためとはいえ、確かに手先扱いされてもおかしくない気がしてきた。
扱いの悪い本家よりむしろ若造の手先になった方がマシなのではないか?
「しかし、このパン?と言ったかこのようなものがあったとはのう。なにゆえパンと名付けたのだ?」
「焼いたらパンと破裂したから」
「そうか……そうか?」
糧食として有能そうであるが若造は腹にたまらないとあまり好きでない様子。
小麦から作るのは兎も角なぜ米を粉にしてまで作ろうと考えたのだろうか?米の方を試しに試食で売ってみたが評価は半々といったところか。
「将軍らしく武を使って存在感を示せば?例えば天下一武道会みたいに武でも競わせるとか?」
「なんだそれは?」
「あーえー。過去に武天老師が天下一の武士を決めるために開催した大会みたいな?剣と無手で分けて競わせる……みたいな?――武天老師って誰?」
「絶対適当に言っただろう。しかし、そういう事ならば邪魔されずに将軍の威光を示せるか?剣の方は何度か優勝すれば将軍家の剣術指南に据えると言えば――」
「それより最強の称号だけの方が喰い付きいいと思うがな。『剣帝』とか『無敵超人』とか」
そんな称号欲しいか?
「称号は考える必要がありそうだが悪い考えではないだろうな」
「オイ何で無視するんだおい」
飛「正直、ネタ切れ気味。インスピレーションの為にこの時代にありそうなものを教えてくれると嬉しい『天下一武道会』とか」
貴「ねーよ」