第3話 ルーレットスタート♪
「まず最初のルーレット!世界観からきめていくよ~♪」
アネルトがルーレットを回そうと、手をかける。
「ちょっとまて!」
ルーレットの盤面に、すごい違和感がある。このルーレット…すごくアンバランスだった。
まず、8割が剣と魔法の世界で占められている。
残りの1割が科学の世界、後の1割はSF・超未来・その他だった。
アネルトはきょとんとした表情で答える。
「なにかな?」
「なんでこんな割合なんだよ!?」
「そりゃあ、剣と魔法の世界がいっぱいあるからに決まってるじゃない」
「いっぱいある?」
「そう。無数にある異世界の中でも、特に多いのが剣と魔法の世界なの。
だからこのルーレットでも多いってわけ。」
「そんなものなのか?」
「まぁ、1世界当たりの転生許容人数も多いところが多いんだけどね。
そのあたりはその世界の創世神様が決めるから、世界によって変わるよ」
「へぇ…」
地球に戻れるのは、どれくらいの確立なんだろうか…?
「ちなみに、地球に転生したかったら科学のところだよ!
その中でどの世界に飛ぶかはまた運だけど」
「どんな世界があるんだ?」
「それは行ってみてのお楽しみ♪後は大丈夫かな?」
「お、おう」
「じゃあ、ルーレットスタート~♪」
えぃっと力を込めて、ルーレットを回転させる。
「そこ、物理なんだ?」
「え?」
「いや、何でもない」
カラカラと、ルーレット特有の音がする。盤面の上には、転生先を指し占めす矢印が付いている。
だんだんと音がゆっくりになり、止まる。
次の瞬間、ぱっぱらぱーんと音が鳴り、ルーレットが眩しく光る。輝く感じではない。
赤と青のフラッシュ?なにかに大当たりした時のような、そんな感じに。
「はい!あなたの転生先は剣と魔法の世界です!」
「まぁそうだろうな」
「じゃあ次!《輪廻転生》特別ルーレットいくよ~♪」
??特別ルーレット??
ぼんっという音を立てて、ルーレットが煙に包まれる。
煙が晴れると、盤面が新しくなっていた
「じゃーん♪」
なになに…?
新しい盤面には、文字がぎっちり書き込まれていた。
伝説の大秘宝を見つけるとか、討伐:神龍とか、新世界の神になる、とかいうのが沢山ある。
「なにこれ?」
「その名も!目標ルーレット!輪廻転生の醍醐味だよ♪」
「いや、説明頼む」
「えっとねぇ~」
また、ごそごそとポケットからメモを取り出す。
「『輪廻転生』にはミッションがあります。転生世界でのミッションをクリアすると、
次の世界へ転生することができます。また、クリアボーナスもあります。だって♪」
「つまり、このルーレットで出たミッションに挑戦しないといけないのか?」
どれもめちゃくちゃ難易度が高そうなんだが…世界征服とかもあるし。
「別に挑むも挑まないも自由だよ~♪ただ、せっかくの輪廻転生だから、
色んな世界を見たほうがお得だと思うけどね♪」
「挑まなくてもデメリットはない、と」
「そうね♪じゃあ回しちゃうよ~?」
「あぁ」
「ルーレットスタート♪」
また、えぃっと回す。ルーレットがカラカラと音を立て、止まる。
ぱっぱらぱーんと音が鳴り、また眩しく光る。
矢印の指す目標は……
「おめでとう~♪『世界を救う』だよ♪救う世界は『ナル・シャイル』
滅びかけてるけど、転生初心者向けの比較的平和な世界だよ♪」
滅びかけてるけど平和ってどういうことだよ…
「詳しくはむこうに付いてからね♪」
「じゃあ次、SPの割り振りするよ~♪」
SP振りまでいけなかった・・・w