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剣士を目指す魔法使い  作者: ヴェルグ
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1-5 宿泊

投稿が遅くなってしまいすみません・・・


長くなったので2話構成で宿編にしました。

 ルクスとディナはひとつの部屋の中で泊まることになった。小さな村なので部屋が少なくこの日は1部屋しかあいていなかったのだ。

 ディナはうれしそうにベットの上ではしゃいでいた。


「えへへ~ルクスと一緒~♪お部屋が一緒~♪夜のご飯がお楽しみ~♪」


 ルクスはものすごく嫌そうな顔で果実水を飲んでいた。


「・・・ふぅ。なぜディナと同じ部屋で泊まらないといけないんだ・・・」


「ルクス、それはどういう意味ですか?普通なら男性は女性との同室での宿泊は喜ぶものではありませんか?」


 ディナはルクスの独り言に割り込んだ。ルクスはその問いに答えた。


「普通なら嬉しいさ。確かにディナはこの国の姫だし、見た目に限れば美少女だ。」


 ディナはその言葉を聞き「美少女だなんて、そんな照れちゃいますぅ」と身体をくねくねさせた。

 くりっとした目、クッキリとしていながらも小さな鼻と小さな口、女の子の肉付きをしっかり残したままの細い体、背も低く14歳には見えない見た目。甘やかしたくなるような小動物のような見た目だ。


 ルクスはディナの見た目を美少女と言った後こう続けた。


「だがな、残念美少女という言葉を知っているか?妄想するし口悪いし変態だしetc.・・・・・・ってことだから一緒の部屋で寝るとなると襲われそうで俺の貞操が危険な気配を察知しているんだよ。性格が悪いとは言わない。ただ、残念だからだ。」


 喜んでいたディナは話の途中から徐々にテンションが下がっていった。最後の残念だからの所でとどめの一撃を食らったみたいにベットに伏せた。


「ルクスがいじめてきます。言葉攻めですよ。少女虐待です。ドSです。こんな可愛い少女いじめて楽しいのですか・・・うぅぅぅ~」


 ディナはうつ伏せに寝転んだままありもしないことを拡張しすぎながら呟いている。


「ディナ。そういうことを言うからだぞ。誘ってるようにしか聞こえないからな。むしろ、その発言が自己防衛になっているのか・・・まぁ、どっちでもいいが俺以外の前ではそんなこというなよ。」


 ルクスは呆れながら話をしていた・・・のだが。


「俺以外の前では言うな・・・束縛ですか?・・・いえ!今のは独占欲ですね!やっぱりルクスはあたしのこと大好きなんですね!もういいですよ!今から一緒にお風呂に入り・・・あれ?ルクス?待ってください!放置しないでよー!」


 ディナが暴走する前にルクスは浴室でお風呂に入る準備をしていたのだった。





 ルクスが浴室に入っていったのを見たディナはというと・・・


「このタイミングでお風呂に入るなんて、ルクスは待っているんですかね?俺の後ろについて来いみたいな感じですかね!」


 どこから取り出したかわからないがタオルに着替えセットを手に持ち、浴室へと突撃していった。




「ふぅ。ディナはあんなにもアホな子だったか?昔は普通に可愛い子だったはずなんだけどなぁ」


 父が王都に来るときに連れてきてもらっては、ディナとよく遊んでいた。その頃からディナはルクスにベタベタしていたのだが、ルクスは「子供の頃の事だしなぁ」と思っていた。


 湯船に浸かりながら小さい頃の事を思い出しているとドアにシルエットが現れた。

 ドアが開くと身体にタオルを巻いたディナが入ってきた。


「お待たせしました!私が入って来るのを待ってたのですよね!ルクスの背中を流させてください!」


 ディナは満面の笑みを浮かべ、恥ずかしがる素振りも見せずに入ってきた。


「・・・」


 ルクスは見向きもせずに上を向いて湯船に浸かっていた。入って来るだろうと予想はしていた。だからこそ反応をせずにやり過ごそうと思ったのだ。


「あれ?あのールクス?無視されるのは辛いです。せめて反応だけでも返してほしいですよー。あ、タオル巻いてるのがダメでしたか?女の子としてこうするべきだとお母様に聞いていたのですけど…」


 その言葉を聞いた瞬間、ルクスは反応してしまった。

 いま、ディナはお母様…王妃に言われたと言った。っということは…


「ディナ…もしかしたらとは思うけど王妃様が言ったのはタオルを巻くのが『こうするべき』と言うことだよな?」


 ルクスの言葉に首を横に倒しながらさも当たり前のように答えた。


「いえ?これもそうですけど好きな相手には何もかも隠さずに思いのまま、ありのままの自分をぶつけるべきだと教わりました。なので、ルクスの言葉を全て受け止めるのも、お背中を流したいのも私の意志です!私はルクスに全力でご奉仕して、全力で愛されたいからやっているのです!」


 その言葉を聞いたとき悟った。天然の母親が経験談風にこうするべきと教えると、娘は天然を引き継ぎ、そしてそれが普通で当たり前の考えになってしまうのだと。


「ディナ。お前の行動は淑女としてダメな行動だ。それは夫婦になってからでないとやってはいけないんだ。そんなのではただの痴女だ。」


 その言葉を聞いてディナは固まってしまった。


「では…私のやっていたことって…」


 震えながら問いかけてきたディナにルクスは言葉で一刀両断にした。


「ただの変態だ。そしてストーカーのヤンデレみたいだった」



 その言葉を聞いてディナは黙って浴室から出て行った。


「まぁ、これでマシになればいいんだがな。早く王都に言ってあの2人に文句を言ってやらないといけないな」


 ルクスは絶対に言ってやると心に誓った。





 その頃ディナは今までルクスにしていた事を思い返していた。


「好きな人に振り向いてもらうためと聞いていたのに、まさかただの変態な行動だったなんて…もう、お嫁にいけない……うん!お酒でも飲んでこんな事なかったことにしてしまいましょう!」


 涙目のまま、ディナはカウンターへ行き宿主に頼み、甘いお酒をたのんだ。


「すみません。何か飲みやすいお酒ってありませんか?少しキツくても大丈夫ですので」


「嫌なことでもあったのかい?それならグープの実で作ったお酒なんてどうだい?少しきついけど香りが良くて飲みやすくて、スッキリすると思うよ」


 宿主は少しだけコップに入れ、ディナに飲んでみるように促した。一口飲んだディナは気に入ったようでボトルで購入した。


「代金は帰り頂くよ」と宿主はディナに笑いながら伝えた。ディナも笑顔でお辞儀をして部屋へと戻っていった。



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ルクス「ディナ、未成年だよな?」

ディナ「そうですけど?」

ルクス「お酒は20歳になってからだぞ?」

ディナ「フリートークだからこそぶっちゃけます!この国にそんな法はありません!」

ルクス「そうだけど・・・常識的にだめだろ?」

ディナ「本編では完全に私は常識知らずに書かれているのでそんなの知りません!」




お酒は20歳になってから。


いまさらながら話の内容が繋がっているのか不安になってきましたよ・・・

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