1-M1 再結成
個人話です。
中途半端に1人称。1.5人称って感じです!
「やっと帰ってきたぁ~・・・・・・なんだか久しぶりだなぁ」
ギルドの依頼で行商人を帝国との境界線まで送り届けた私は1ヶ月かけて帰ってきた。
本当は片道1週間の道のりだからもっと早く帰ってくる予定だったのだけど少しトラブルが発生したせいで遅くなってしまった。
「まぁしょうがないよねぇ~。悪いのはあいつ等だし~・・・・・・でも報告しなくちゃいけないんだよねぇ、めんどくさぁ~い」
なんて文句を言ったところで何も変わらないとはわかっていても愚痴は言ってしまう。一人で文句を言いながら歩いていたら門の前に着いた。
「身分証を見せてくれ。ギルドカードなら冒険者か、依頼で来たのか?」
「違うよ~、依頼完了で帰ってきたの!私はここをホームにしてるのに・・・・・・あなた新人さん?」
「あ、あぁ。そうだが」
「なら早くここをホームにしている冒険者の顔くらいは覚えておいたほうがいいよ~。たまにクズみたいな奴らがいるからね~。そんなこと毎回聞いてたら目をつけられちゃうからね」
私は新人の門番さんに王都の冒険者はいい人じゃないと教えてあげた。門番さんは「忠告感謝します」と言ってカードを確認し始めた。
「B級ランク冒険者【マイル・アクリ】で間違いないですか?」
「書いてあって私が持ってたんだからぁ間違いないに決まってるでしょ?」
この門番はダメだ。当たり前のことを聞いて来るんだもん。すぐに絡まれるなとマイル思った。
ギルドカードを受け取り門をくぐると久々の町並みに本当に帰ってきた気分になった。本当なら今すぐにでも家に帰ってゆっくりしたいけど・・・・・・ギルドに報告なんて憂鬱だ。
ギルドへ向かう途中、屋台が出ていたので少し立ち寄ってみた。そこには食べ物だけでなく飲み物やデザートなども出していた。看板などは出していなかったせいで何がメインなのかわからない場所だった。
「ん~何買おっかなぁ~・・・・・・これにしよ!『果肉入り100パーセントアプドリンク』1つ下さ~い」
「あいよ!アプ100パー1つ!!お嬢ちゃんこれはサービスだ、食べな!」
マイルの注文を聞いたおじさんが串焼きを1つ渡してきたのでそれを受け取った。
「わぁ!お兄さんありがと!あ~ん・・・んっ・・・これおいしい!」
「だろ!これは今朝送られてきた肉でな。何の肉とは聞かないでくれよ、企業秘密だからな。んでこれが注文のドリンクだ」
何の肉なのかはわからなかったけどおいしいから気にしなかった。ドリンクを受け取りお金を払った。
「ありがと。また来るね!」
「おうよ!待ってるぜ」
肉の口直しにドリンクを飲んでみた。さっぱりとした口当たりに程よい酸味、ストローで吸っていると果肉が口の中に流れ込み食べながら飲んでいる感じだった。満足そうな味だったが少し不満だった。
「せっかくリップサービスしてあげたんだからもう1つくれてもいいじゃん・・・・・・大体お嬢さんって年じゃないわよ・・・」
マイルは純粋な人間でありながら平均より少し・・・成長が遅いのかもしれないくらい幼い見た目だった。
これでも18歳なのにと愚痴と文句を言いながら歩いていると前のほうに見たことのある後姿を見つけた。イライラ発散のために生け贄になってもらおうと走り出したら躓いてしまった。きれいなくらい顔からこけたせいで持っていたドリンクが前に飛んでしまった。
そこには運の悪い冒険者の集団の一人がドリンクを全身で受けとめてしまったのだ。
「いたたぁ・・・あっ!ジュースは!?」
「・・・・・・おいおいお嬢さん。ジュースの心配する前にいうことあるだろ?」
「・・・おじさん?私のジュース飲んだでしょ!」
「のんでねーよ!お前がこけたから俺にジュースがかかったんだよ!」
「あんたの服が私のジュース飲んだんでしょ!弁償しなさいよ!!!」
言いがかりをつけられた冒険者はプルプルと震えだした。周りで見ていたメンバーもこっちを睨んできた。正直こんなの何も怖くなかった。それよりもジュースが台無しになったことに苛立っていた。
「なんでジュースプッかけたお前にキレられなくちゃいけねぇんだよ!ぶっ飛ばすぞ!!」
「はぁ!やれるものならやってみなさいよ!!・・・・・・そういえばあんたたちこのあたりでは見ない顔ね。あたしのこと知らずにケンカ売ってるのよね?」
「あぁ?てめぇなんか知るかよ!俺らは先月から拠点を王都に移したCランクパーティなんだよ。わかるか?お前みたいなちんちくりんにやられるかよ。がはははは」
「・・・・・・大地の源よ。生命の源よ。我が命に従え『バブルブラs』」
男の言葉にプッチンきたマイルがキレて呪文を唱えだした所に一人の男が現れた。
「はいはい!街中で魔法を唱えない!お前らも女の子一人に何ムキになってんだよ」
「・・・・・・何よ。あたし今怒ってんの。あんたが相手になるの?ライン」
ラインと呼ばれた男はマイルの頭の上に手を置きながら割り込んだ。それにさらにイライラしてきた。
「まぁまぁそういわずに。これな~んだ?」
「!?・・・・・よこせ変態」
「なんでいきなりディスってくるんだよ!まぁやるけどさ。口調変わってるぞ」
ラインに言われて我に返った。
「ライン私のために買ってきてくれたの~?ありがと」
ラインの持っていたチリの果肉入りジュースを奪った。ん~これで満足。
「待てこら!いきなりしゃしゃり出てきやがって誰だてめぇ!」
「あ?お前らのために言ってやってんだ。ぶり返さずに帰って風呂にでも入りな」
冒険者の集団が武器を取りだした。そんな冒険者を見てラインはため息をついた。私?ジュースを楽しんでるよ?
「街中で武器取り出すなんて田舎者って感じがするな」
「うるせぇ!女もまとめてぶっ殺してやる!!」
「お前らはお尋ね者にでもなりたいのか・・・吹き飛ばせ『ウィンドスピン』」
ラインの呪文で冒険者たちは回転しながら上へと飛んでいった。よく飛んでるなぁ・・・・・・あ、落ちてきた
「受けとめろ『ソフトカーテン』」
ラインの魔法により落下の勢いが殺されていった。冒険者たちはばらばらに地面に着地した。
「俺が相手でよかったな。マイルの魔法だったらお前ら死んでるぞ」
「もぉ~私そこまでしないよぉ~?」
「す・・すいませんでした!」
冒険者たちは頭を下げ、全員武器を直して走り去っていった。
「ところでさぁ、なんであんたがここにいるの~?」
「屋台で見かけて声かけようと思ってさ、ついでに俺も飲み物頼んだよ。ならお前が見事にこけてジュースばら撒いたからさ」
「・・・・・・こけてないよ?ね?こけてないよねぇ~」
思いっきりラインの脛を蹴り飛ばした。ラインは脛を押さえながら悶絶していた。
「おま・・・本気で蹴ったな・・・いってぇ」
「え?なんか見たっけ?幻覚でも見たのかなぁ?」
「・・・・・・何も見てねぇ」
「よし!それじゃ、ギルドにいくんだけど~ついてきなさぁい!」
ラインの首元を掴んで引きずってギルド前まで歩いてきた。途中暴れたもんだから手足を魔法で縛っちゃったけど。
「とうちゃーく!」
「お前・・・手加減を覚えやがれ」
拘束から外れたラインが文句を言ってるけど無視!
ギルドに入ろうとしたらきれいな馬車が通った。確か王妃様専用の馬車だったのだけれど中に男の子が乗っていた。
「ねぇねぇ~あの馬車って王妃様の馬車だよねぇ?」
ラインも馬車を見かけていたようだった。
「そうだな。珍しいもん見たな」
「でもねぇ、男の子が乗ってたよ?王様の子供って女の子だけだったよね?」
「あぁ。姫様しか知らないな。馬車に一緒に乗っていたってことはどこかのお坊ちゃんだろ。それより早く行かないと依頼無くなるぞ」
「はぁい。簡単なのにしようねぇ」
2人はギルドの中に入っていった。
・・・・・・・まって。何かがおかしい。
「ライン。私ねぇ、依頼受けにギルドに来たわけじゃないんだけど~?」
「は?じゃあ何で俺連れてきたんだよ!」
「・・・成り行きかなぁ。テヘッ」
ラインはなんだかすごく疲れた顔をしていた」
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マイル「合流前の私の話でしたぁ」
ライン「タイトルの「M」はマイルのMだったんだな」
マイル「そうそう!他のメンバーもあるみたいだよ~」
ライン「楽しみだぜ!」
ディナ「ルクスは無いみたいですけど」
ルクス「・・・・・・本編が俺の話みたいなものだからなぁ」
マイル「そろそろ合流ねぇ」
ディナ「はい!楽しみです!」
ルクス「マイルさんも合流したらお手柔らかに」
ライン「なんか俺今はぶられてね?」
マイル「では~また次回お会いしましょ~」
次回は本編進みます!