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剣士を目指す魔法使い  作者: ヴェルグ
14/24

1-13 反乱(前編)

書いてたらかなり長くなってきたので2話構成にします。


 

 2台の馬車が前を進む。街頭へと向かっているはずなのだが木々が濃くなってきていることにルクスは疑問を持ち始めていた。


「テアさん、ディナ、そろそろ準備しておいてください。おそらくですが街頭には向かっていませんね。木が濃くなっているのでおそらく襲撃をかけてきます」


 ルクスの言葉にディナは驚き緊張をした顔になった。しかしテアは落ち着いた様子を崩さなかった。


「あら、もうすぐなのね。できるだけ街頭の近くで攻撃してきて欲しかったわ。帰り道が遠くなるじゃない。もうこっちから攻撃して帰りたいわ」


 テアは襲われることを読んでいたようだ。襲われる心配よりも帰り道が長くなる心配をしていたようだ。かなり頼もしい王妃様のようだ。


「テアさん、先に攻撃はやめてくださいね。反乱後じゃないと討伐対象にはならないんですよね?」


「もちろんよ。王族への攻撃または反乱の意思が見られた時点で討伐可能よ」


 ルクスはいつから攻撃できるのかを確認した。テアは相手に攻撃の意思がある時点で攻撃していいと返事をした。ディナは不安そうにルクスの服を掴んだ。


「ルクス・・・私も戦ったほうがいい?」


「ディナどうしたんだ?まだ怒ってるのを我慢してるのか?」


「ちがいます!もう気にしてません!そうじゃなくて貴族相手はその・・・あまりしたくなくて」


 ディナは貴族との戦いにおびえているようだった。そんな様子を見てテアが答えた。


「ルクス。ディナはもともとは別の国のお姫様だったことは覚えてる?」


「はい。フィアー王国ですよね。それがどうかしましたか?」


 テアはルクスの答えにうなずき、言葉を紡ぐ。


「フィアー王国がなぜ滅んだのか知ってる?」


 テアの問いにルクスは答えられなかった。何故フィアー王国が滅んだのか理由を知らなかった。


「そういえば、何故ディナだけを助けられたのか、そこに父さんがいた理由も・・・何も知らないです」


「そうでしょうね。緘口令を敷いてるのよ。そんなことしなくても知ってる人物は少ないのだけれど、いずれ教えてあげるわ。今はディナのこと。その時のことがあって貴族が相手だと怯えてしまうの。いくら勝てる状況であっても」


 ルクスはディナの様子を心配そうに見つめ、服を掴んでいる手を取り両手で包み込むように握った。


「ディナ、安心しろ。俺が守ってやるから心配するな。それともこの震えはトイレでも我慢しているのか?それだったら俺はかなり恥ずかしい状況なんだが?」


 少し笑いながらふざけた。それを聞いてディナはルクスの手に噛み付いた。


「痛い!俺の手は食べ物じゃないぞ!・・・もしかして腹がへt」


「お腹すいてません!ルクスの手とわかってて噛みました!なんで守ってやるだけでいいじゃないですか!」


 ルクスの言葉を遮りながらディナが叫んだ。その様子を見てテアがディナをなだめた。


「よかったわねディナ。専属の騎士になってくれるって言ってるんだから。それに、震え止まったじゃない」


 ディナはテアの言葉を聞き、自分の震えが止まっていることに気づいた。ルクスの目を見て真剣な顔をした。


「ルクス、お願いが二つあります。王都に無事に帰れたらお話があります。なので、絶対に聞いて下さい。そして、無事に話をするために私を守ってください」


「あぁ。任せろ」


 ディナの真剣な表情を見て、ルクスも真剣な表情で返事をした。

そんなことを話しているとき近衛兵が報告に来た。


「テア様、アンダルシアンの馬車が森の中へと向かっていたため道が違うと注意しに行ったのですが話しを聞かずに突き進むのですがどういたしましょうか?それに何かを伝達している様子でしたが・・・」


「・・・そうね、兵士全員に通達。あと戦闘準備をしておいて。おそらくだけど攻撃してくると思うから。そういうそぶりを見せた時点で反乱軍と認定、殲滅を許可します。なお、私も戦闘に参加するのでそのように」


テアは兵士に伝え、戦闘の準備に入る。兵士も迅速に伝達したのか少し隊列が変わっていた。


「私は前線でアンダルシアンをぶっ飛ばして拉致してくるわ。これでもそこらへんのB級冒険者よりは強いから安心してディナのことを守ってあげてね」


テアの言葉にルクスはうなずく。


「お母様。お気をつけて」


ディナの言葉にテアは頭をポンポンと叩いた。テアは優しく微笑み馬車を降りていった。





 Side:アンダルシアン


「アンダルシアン様、伝達完了しました」


兵士が報告に馬車にやってきた。報告を聞いたアンダルシアンは兵士に確認をした。


「お前たち、奴らには気づかれていないだろうな?もしバレていたら計画は100パーセントの失敗だからな」


「はい。気づかれていませんが先ほど王妃の近衛兵が進行方向に対して注意してきました。全体の行動に対して不信感を持たれているようです。本当に行動なさるのでしたらすぐにでもおこなったほうがよろしいかと思います」


兵士の言葉にアンダルシアンは頷く。

従者に馬車を止めさせ、剣を受け取る。大きく深呼吸をし気持ちを落ち着かせた。


「来るところまで来てしまったな。後戻りはできないが・・・これを成功させれば他の国でのし上がれる。・・・・・・よし、いくぞ!」


気合を入れなおしたアンダルシアンは成功した後のことを考えながら馬車を降りた。




Side:テア


テアが馬車を降りるとアンダルシアンも馬車をおり、兵士の後ろで剣を腰に帯び立っていた。テアは近衛兵に下がるように指示し、前へと出る。


「アンダルシアン、剣を持って私の前に現れたということは反乱の意思があってのことよね?違うのであれば剣を置きなさい」


テアの言葉にアンダルシアンは剣を抜いた。


「テア王妃、私は王族のためにがんばってまいりましたが1つの命令違反でおそらく処罰されるでしょう。ならば、貴方を討ち、敵国へと亡命させていただこうと思います。そして私が有能な人間であったと王に思い知っていただこうと思っておりますゆえ、どうか橋渡りのため死んでください」


テアはアンダルシアンの言葉を聞き、アンダルシアンの兵士たちへと声をかける。


「兵士たち、最後の確認をさせていただくわ。貴方たちの反乱はアンに命令されて行っているものなのですか?それとも自分の意思なのでしょうか?代表者一人お答えなさい」


テアの言葉に兵士をまとめるものであろう人物が前へ出てきた。


「王妃様、申し訳ありません。確かにこの件はアンダルシアン様の命令でございます。しかし、我々は無理強いされてもお世話になっておりますゆえに私兵として雇われております。私兵を続けているのは我々の意思でございます」


兵士長?の言葉にテアは再び疑問をぶつける。


「ならば、今ここで私兵を辞めたいものがいるかもしれないわ。その人たちまで反乱軍扱いにはしないわ。だから一度確認してみていただけないかしら?王族権限でこの場で投稿する兵士に対してはお咎め無しとするわ」


テアの言葉に兵士長は頷き、兵士のほうへと向き、叫んだ。


「この場で投降する者はいるか!?今投降すれば今回の件は不問だと王妃様のお言葉をいただいた。無理強いはしない。家族や大切なものが王都にいるものは今ここで私兵を辞退し、投降せよ。兵士長の権限を使い、そのものを許す。反乱に無理やり賛同しているも当然だからな。気にせず声を上げてくれ」


兵士長の言葉を聴き、アンダルシアンが声を上げた。


「何を勝手なことを言っているんだ!そんな奴殺してしまえ!」


アンダルシアンの言葉を聞いたテアが黙らせようとしたが、その前に兵士長が叫んだ。


「何を寝ぼけたことを言われておるのか!そんな考えだからこそ王族から見捨てられるのだ!そのようなままであったのなら次の国でも利用するだけされ消されるのが見えておるわ!・・・・・・ここまで愚鈍な主だったとは」


兵士長の言葉にテアは少し下がり、アンダルシアンは口をパクパクさせながら押し黙った。


「皆、今までご苦労だった。全員今すぐ投降し王妃様の元へと下るのだ。そして戦線を離脱しろ。王妃様よろしいでしょうか?」


「わかったわ。投降する意思のあるものは剣を置きこちらへと歩いて来なさい。剣を持ったままのもの、こちら側に来なかったものは反乱軍の一人として抹殺します」


兵士長とテアの発言により兵士の一人が剣を地面に落とすと次々と剣を手放し始めた。兵士長は兵士たちがこちらに向かい歩いてくるのを確認し、テアに頭を下げるとアンダルシアンの馬車のほうへと歩いていった。



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テア 「残念ね・・・あの兵士長さんかなり有能なのにね」

ルクス「ああいう人物こそ上に立つべきなのに・・・あいつも殺してしまうんですか?」

テア 「私は殺したくは無いのだけれど」

ディナ「手に入れた情報によると・・・兵士長の名前考えても無いからモブキャラ。なので殺しちゃうストーリーにするみたいです」

ルクス「あぁ~確かにそんな感じはしてたんだよなぁ~」

テア 「何とか頼み込んでみましょうか?名前をつけてあげてくださいって」

ルクス「誰に頼むんですか?作者?」

ディナ「今回はなかなかのメタ発言ですね」

テア 「だって・・・有能な人物はいくらでも欲しいじゃないの」

ルクス「それはわかりますけど・・・その時の作者の気分にお任せするしかないですね」

ディナ「だんだん投げやりになってるよ?」

ルクス「俺、未来予知の能力も魔法も持ってないし」

テア 「フフフ、そうね」







1000pvやっと越えました。皆さんありがとうございます。


アンダルシアンとの決着は次話に持越しです!

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