1-11 処罰
遅くなっちゃいました。
執筆に割りと必死でストックがないと不安になるので・・・
「わかったな?きっちりこなせよ」
ルクスは悲劇の男『ランガ』に命令する。ランガはルクスの指示にうなずく。
「わかった。その都度の指示に従えばいいんだな。ぜひともやらせてもらうよ。アンダルシアンさえいなくなればこんなことせず薬も手に入るんだ」
ランガも薬を手に入れるため、自分の罪滅ぼしではなく娘のためにと活き込んでいた。
「私も許してさし上げるような対応をすればいいのですか?」
いつの間にかテアとディナも隣にやってきていた。
「お願いします。ディナもテアさんに抱きついておびえてるような雰囲気を出しておいてくれ」
ディナはその瞬間ルクスに抱きつこうとしたが、テアに抱きとめられる。
「私はルクスにくっつきたいです!」
「ダメよ。今はお母さんのターンですから♪」
ルクスは視線でありがとうとテアに送るとテアはウインクで返した。
「そろそろ合流してくると思うんだが・・・」
ルクスがそう呟いたところで声が聞こえた。
「そこに誰かいるのか!。山賊の残党か!?」
ルクスは声の主を確認し、武器を構える。
アンダルシアンはルクスを見ると武器を構える。お互いが武器を構えたところでテアが仲裁に入る。
「ルクス。あれは王都の貴族『レイク・アンダルシアン』です。アン、こちらは護衛の方です。大丈夫ですので武器を下ろしてください」
テアは二人が構えを取っている間に入り込み二人を止める。
「これは王妃様!どうしてこのような場所へ!?それに戦闘があったみたいですが大丈夫でしたか?先ほど山賊を見かけたので殺しておいたんですけど残党だったのですね。いや、なによりお二人が無事でよかった」
アンダルシアンは慌てた様子も無く心配そうに話した。テアは微笑みながらアンダルシアンに問いかけた。
「アン?貴方こそどうしてこんな場所にいるの?なにか用事でもあったのかしら?私たちに話の通っていない用事となるとプライベートかしら?待機命令も出てたわよね?貴方には捜索命令は出していないわ。命令を無視してでも完遂しないといけない用事なのよね?教えていただけるかしら」
テアは疑問の嵐をぶつける。アンダルシアンはバツの悪そうな顔で答える。
「すみません。どうしても心配になり処罰覚悟で捜索に出てしまいました。いかなる処罰も覚悟しておりましたが・・・危険な状況に間に合わず申し訳ございません」
アンダルシアンは頭を下げた。ルクスは予定通りに話が流れていることに顔がニヤつく。ディナがルクスの顔を見て気持ち悪そうにしている。
「何だディナ。人の顔を見てその顔は失礼だぞ」
「だって・・・ルクスなんだかものすごく気持ち悪い感じで笑ってたよ?」
「マジか・・・よし。大丈夫だ」
ルクスとディナが気安く話をしているのが気に入らなかったのかアンダルシアンが声を荒げながら叫んだ。
「おい!貴様その方をどなただと思っているのだ!そんな気安くお話して言い方ではないのだぞ!無礼者」
アンダルシアンの発言を聞きテアは微笑みながら胸倉を掴んだ。
「アン?誰に向かってそんな口を聞いてるのかしら?私たちを守ってくれたのはルクスですよ?貴方は王族を助けた恩人になんて口の聞き方をしているのかしら?そしてディナとルクスは幼馴染よ。将来の義息子になんてこと言ってるのかしら?・・・つぶすわよ?」
最後の言葉はかなりのドスが効いていた。目の前で言われたアンダルシアンはもちろん聞こえていたディナとルクスにも迫力が伝わっていた。
「ディナ・・・テアさん怒らせたらまずかったんだな」
「ルクス・・・私も始めてあんなに怒っているお母さんを見ました。愛されてますね。よかったですね。将来の息子って言ってましたもんね。将来安泰で王族入り決定してますね」
「・・・ディナ以外の嫁ができたら問答無用で何か仕掛けてきそうだな。あんな姑は嫌なんだが」
「私たちの命のためにせめて本妻にはしておいてください。でも、なんだか素直に喜べないですよ」
「貴方たち。聞こえてるわよ?ルクスとディナはまだ恋人じゃないの?何してるの?」
ルクスとディナの小声での会話が聞こえていたらしく矛先が二人に向いた。ディナは恐怖でルクスの手をギュッと握っていた。テアの耳のよさにルクスは恐怖していた。
「手を繋いでいるなんてやっぱり仲良しさんね。安心したわ。時間の問題ね」
「テアさん。将来ディナとどうなるかわからないけど今は超仲良しだからまずはそいつのこと何とかしましょう!」
ルクスはディナと繋いでいる手を見せつけながらテアにそう発言した。テアはアンダルシアンに向き直した。
「とりあえず王城に戻るわよ。ルクスもそれでいいわね?」
ルクスはうなずいた。当初の予定とは違うが連れて行けるのであれば問題は無いと考えたからだ。
「お、お待ちください。まだ賊が周りにいる可能性があります。私が周りを確認してまいりますので、少々お待ちください」
アンダルシアンはあせったように提案する。
「だそうだけど。ルクス調べて」
「かしこまりました。・・・ん??あれ???何で俺なんですか?」
「ふふふ。一瞬で調べられるでしょ?例の方法で」
「何故知っているんですか・・・」
「ふふふ、秘密よ。さぁ調べて」
ルクスが探索魔法を使えるのを何故知られていたのか疑問に思ったが、教えてもらえないだろうと思い『サーチ』を使用した。
「周りには兵士しかいませんね。後は魔物くらいです。まぁ・・・賊はいますけど山賊はいないので大丈夫です」
「そう、じゃあアンダルシアンに命令します。街頭に出るまで魔物の撃退を指示します。わかりましたね?」
「え?ルクス?何したんですか?そんなことわかるんですか?」
ルクスとテアが二人で話を進める中、ディナが疑問を浮かべた。
「え、ああ。俺にはわかる能力と言うか・・・まぁ、わかるんだよ」
「ほへぇ~ルクスはやっぱりすごいですね!さすがです!!」
ディナが賞賛しているとアンダルシアンが信じられないと声を上げる。
「そんな能力聞いたこと無いぞ!それともお前はユニーク持ちなのか!?」
「いや、そんなんじゃないけど・・・信じられないならそれでいいよ。それでも王女の命令なんだから聞かないわけ無いよな?もし賊が出たら俺が始末する。それならいいだろ?もしそれでテアさんとディナに何かあれば俺の責任だ。それでも文句あるか?」
ルクスはアンダルシアンに提案した。アンダルシアンは黙り込み、兵士に指示をした。
「お前ら。魔物討伐の命を受けた。王女護衛だ。気合入れろよ!賊が出ても魔物優先だ。賊はこの男が一人で始末するみたいだ。わかったなお前ら」
兵士は隊列を組み、進軍の形となった。
「では、進みます。王女様もご準備を」
「わかりました。皆さん、アンダルシアンの隊についていきます。ディナ、ルクス、いきましょう」
テアはディナとルクスを呼び、馬車へと乗り込む。
「テアさん。兵士長に少しお話があるので先に乗っておいてください。後ランガも馬車の中に入れておいてください。始末される可能性があります。襲撃に備えてくださいね」
「わかっています。さぁディナ乗りましょう」
テアとディナがランガを連れて馬車に乗ったのを確認した後、兵士長に話をした。
「アンダルシアンの動きに注意してください。動きがあればすぐにお知らせください。最悪の場合討伐の許可も出ています。逃亡した場合も討伐対象となりますので」
「わかりました。兵士に伝達しておきます。ご忠告ありがとうございます」
兵士長が兵士を集め話をしているのを確認したルクスは馬車へと戻っていった。
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ディナ「山賊はいないのに賊がいるってどういうこと?」
ルクス「まぁ・・・来週わかるよ」
テア 「ルクス。ディナは純粋なのよ。いらないこと吹き込んじゃダメですよ?」
ルクス「かしこまりました」
ディナ「ルクス。言葉遣いが変です」
ルクス「恐怖のあまり・・・」
テア 「あら。失礼ね。私ほどルクスに優しい人物なんて一人しか知りませんよ」
ディナ「誰なんですか?」
テア 「ルクスのお母様です」
ルクス「納得しました」
ディナ「早く逢いたいです!」
ルクス「第一章では出てこないぞ?」
ディナ「とんだネタバレですね!」
お母さん・・・名前さえ決まっていません。
誰か考えて欲しい・・・