1-9 襲撃
さぁ!戦闘です!その前にいちゃラブ???してますww
まぁ・・・戦闘らしいことないですけど・・・
ルクスたちを乗せた馬車はゆっくりと王都へ向かって進んでいた。最高の乗り心地で中で寝ていても眠りの妨げにならないくらいだ。それは国の王の妻、王妃専用だからだ。
「ん~・・・ふあぁぁ・・・・・・あれ?ルクスが目の前に・・・このにおいはお母様の馬車?なぜこんなところで寝てるのかな?」
眠り姫が目を覚ましたようだ。魔法の効果がちょうど切れた。座席に寝転んだ状態になり、ルクスの足を枕代わりにした状態で眠っていたので、目を開けるとルクスの顔があったので、自分がどういう状態で眠っているのか気づいてしまった。
「(えぇ!!なぜ私はルクスに膝枕されているのでしょうか!?・・・・・・お母様の馬車でルクスに膝枕・・・もしかして)」
ディナはゆっくりと顔を横に向けるとニヤついた顔でディナと目が合った。王妃がしていい顔ではなかったが、そんな突っ込みもいれる人物がいなければ問題は無い。
好きな人に膝枕されながら寝ている状況を母親に見られた娘。顔を真っ赤にして視線から逃げるように反対を向いたが、そこにはルクスの身体があり、色々妄想をしてしまったお年頃な娘さん。
さらに恥ずかしくなり逃げ場もないと知ったディナはパニックに陥りルクスの身体に抱きつき、頭突きをする勢いで顔をうずめた。
「うぐっ、・・・・・・おいこら。人の優しさを踏みにじって寝てる間に頭突きとはどういうことだ?」
ルクスは睡眠の邪魔をされて怒ろうとしたのだが、ディナが顔を擦り付けていたのだ。座って寝ているルクスの腹にディナは顔をうずめて擦り付けているのだ。ルクスは意味がわからず少し考えるそぶりを見せて、答えにたどり着いた。
「ディナ・・・・・・発情してるのか。親の前でそれはどうかと思うぞ?しかも寝込みを狙って○○○の付近に顔をうずめるなよ。いや・・・・・・まさかにおいフェチ?」
ルクスの発言で目の前にいたテアでさえも吹いてしまった。ディナはその発言を聞いて静止した。そして気づいたのだ。自分がどこに顔を近づけているのかを。
顔を真っ赤にしてままディナは動き出し起き上がった。姿勢をただし服を正すと何も無かったかのように振舞った。
テアは必死に笑いを堪えて見つめている。ルクスは真剣に「え?今の説明は無いの?なんであんなことしてたんだ?」と疑問で追い討ちをかけ続ける。それでもディナは何も答えずにルクスの反対側へと顔を向けた。
馬車の中が賑わっていたとき、馬車の外も賑わっていた。悪い意味で。
突然の襲撃に兵士たちは応戦していた。山賊が襲撃してきたのだ。しかし、王妃の護衛を任される兵士たちだ。中にいる人には気づかれること無く襲撃された瞬間に鎮圧に取り掛かったのだ。
従者も兵士たちを信頼しているため、少し速度を上げ、中へ振動が行かないようにと配慮をする余裕を持って操縦している。兵士たちは山賊を数名、捕らえ、鎮圧に成功した。報告のために従者に馬車を止めるように促した。
「王妃様、失礼いたします。山賊共の襲撃がございました。鎮圧は完了しており数人捕獲しておりますが、どうなさいますか?」
兵士からの報告を聞き、テアは捕虜となった山賊を確認するため馬車を降りた。テアはどうしようかと考えていたときルクスが外へと出てきた。
「テアさん。馬車に戻ってください。いま、背後からバカな貴族がこちらへと向かってます。こいつらには取引をします」
ルクスは『サーチ』を使い、周囲を確認していた。すると背後からかなりの速度でこちらに向かう一陣がいた。詳しく確認するため、『ソーシャリィ【遠見魔法】』を使った。確認できたのはディナを探していた貴族だったのだ。
「・・・・・・おそらくアンダルシアンね。ルクス、王からの勅命です。貴方たち二人に手を出した時点で抹殺していいと言われてるので何かされそうになった時点で殺しなさい。証言はこの私がします」
それを聞いたルクスは頷き、馬車の中へとテアを入れた。そして、山賊に取引を持ちかける。
「なぁ、お前らは逝きたいか?それとも死にたいか?」
山賊の未来は決まっているのだが言葉遊びで最後の希望を持たせた。
「いそげ!あいつらに襲わせ、俺たちが助ける!功績を残すにはこれしか方法は無いんだ!」
アンダルシアンは従者に猛スピードで馬車を走らせていた。
普段から汚い仕事をさせている山賊の集団にコンタクトをとり、ここを通る馬車を襲わせていた。そして姫を発見次第知らせるように伝えてあったのだ。そして王妃が連れているとの連絡を受け、急いで現場へと向かっているのだ。
「奴らに襲われている所を俺たちが助け、感謝される。しかも姫だけではなく王妃までとは・・・くっくっく。二つもの功績だ。これは謝礼も弾んでもらえるはずだ。そして俺も・・・くっくっくっく」
不気味な笑いを浮かべていると横から山賊が現れた。
「アンさん。この先で襲撃させていますぜ。第一陣は鎮圧されたあとだが、残りを投入しますかい?」
下っ端の言葉に予想通りと呟き、突撃するように言った。
「鎮圧が終わり油断している今こそがチャンスだ。一気に畳み掛けろ。王妃と姫以外は殺してかまわん」
アンダルシアンの言葉に下っ端は茂みへと入っていった。アンダルシアンはどうやって助けようかと妄想を広げ、出番を待っていた。
「取引の内容だが黒幕は誰だ。アンダルシアンと言う男か?それとなぜこんなことをしたのか。そしてお前ら山賊が何故こんなにもいい武器を使っているのか。これをすべて答えろ。答えなければ殺す」
ルクスの脅しに40歳半ばくらいの男が口を開いた。
「黒幕はしらねぇ。俺らみたいな下っ端には知らされていねぇんだよ。どこかの貴族とだけは聞いている。武器もその貴族からの前払いの報酬みたいなもんさ。もちろん目的なんかも知らされてねぇが、姫を見つけ次第拘束しろとだけ上から言われたんだよ」
山賊下っ端がペラペラと言い出した。
ここまですんなりと話すとは思っていなかったルクスは、すこし疑問に思った。
「おまえ、そこまですんなり話して。何を考えている?」
男は下を向き、涙を流しながら話した。
「おれは、もともとは王都で働いてたんだ。嫁と娘と3人で暮らしてた。その娘が病気になっちまって・・・薬が必要だったんだよ」
「それで金が足りずに山賊になって他人を襲っていたのか?そんな金で治ったところで娘さんは喜ぶのかよ!?」
ルクスは話を遮り、男を見下した。しかし、男は涙を流しながら首を横に振った。
「違う。金なら十分に足りたさ。バカみたいに高い薬でもねぇ。でもな、ある貴族が買い占めてたんだよ。それで頼みにいったんだよ。1つでいいから売ってくれとな。そしたらその貴族は100倍の金額で吹っかけてきやがったんだ。さすがに払えるわけが無かった。そしたら取引を持ち込んできたんだ。『おれの役にたてた時、薬を分けてやる』ってな。」
ルクスはどうしようかと思っていたとき、魔法に反応があった。さっきの5倍の人数で敵が攻めてきたのだった。
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ルクス「ディナの変態がわかったのと、シリアスな雰囲気が混じった回になったな」
ディナ「ルクス。それは勘違いです」
テア 「初心な反応が可愛いわ。さすが私の娘」
ディナ「お母様!大体いつから見てたのですか!?」
テア 「え?最初からよ?」
ルクス「まぁ、ずっと起きてたわけだしな」
ディナ「うぅ・・・黒歴史が増えました・・・」
ルクス「今までの人生ほとんど黒歴史だろ」
テア 「それだけ長い間ディナのこと見ていたのね。ふふふ♪」
ディナ「もう!お母様!恥ずかしいこと言わないでください」
ルクス「うん。ものは言いようってのはこの事だな」
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ついさっき知りました。制限をつけていたということを・・・