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境界のアビス  作者: 棗喰う
序章
4/12

第4話 研究所

もうすぐて序章一は終わるはず

第4話 研究所


「ここが中央研究所......?」


その光景は悲惨の一言で表せる。

壁は崩壊し、至る所に血が飛び散っている。


「どうやらここで化け物との戦闘があったらしいな。急ぐぞ」


フードの男はそう言い終えると大蛇の上から飛び降りた。


「行きましょう会長」


「あ、あぁ」


この惨状を見た会長顔には余裕が無い。


「大丈夫ですか?」


「大丈夫だ。行こうか」


そう言って大蛇から降りて会長は大蛇を戻した。そしてフードの男に着いて行く。


入り口に着いた時、フードの男が立ち止まった。


「今から言う通りにしてくれ。まず、この施設内にある境界の要を見つけて壊してくれ。要を壊せばこの化け物達の沸きは境界外部からに絞り込めるはずだ」


「わかりました。あなたは着いてこないのですか?」


そう言い終えると体が固まった。


「.......なんだ?」


俺と会長は動けなくなった。これはフードの男が現れた時と同じ威圧感。それにこちらに敵意を持っている。


「俺は足止めをする。こいつはおそらくアビスの手下だろう」


そう言ってその場で跳躍し、空を飛んで行った。まるで、翼でも生えてるかのように自由に。


「会長!行きましょう!」


そう言ってその場から離れて中央研究所に入っていく。入り口には血溜まりがあり、白い壁や床を汚していた。

人はおらずきみが悪い。


「神凪!ついてこい!」


そう走りながら会長が言う。俺は頷くと走り出した。あの威圧感がまだする。俺たちは恐怖に駆り立てられるようにして走る。通路を抜けると扉があった。しかし、扉は壊れておりその壊れた扉を抜ける。すると、さっきとは一変し、黒い通路に出た。


「もうすぐで境界実験室だ!」


走る。黒い通路にも血溜まりがある。そして、人の指や内臓も落ちている。

俺は口を塞いで走る。あぁ。最悪だ。

改めてここが地獄だと思い出した。


そして、頑丈そうな扉に辿り着き会長がそっとその扉を開ける。


「な!?」


中を見た会長が声を上げだ。俺も会長に続いて中を見て驚いた。そこには人が倒れている。しかし、血は流れていない。近寄って脈を確かめるとまだ生きている。


「父さん!」


会長がそう叫んで1人の男に駆け寄った。どうやらか会長の父親のようだ。この研究所の責任者だろう。


「う......ハウルか.......この部屋の奥に境界の発生源がある。止めてくれ......」


「わかった」


会長は立ち上がり部屋の奥に向かう。

そして大きな装置を調べ始めた。


「会長。どうですか?」


「どうやらロックがかかっているようだ。これを解除する。解除終わったら君が消してくれ」


「わかった」


会長は大きな機械の方に行き、機械をいじり始めた。その間に俺は倒れてる人を安全なところに移す。そして頭からの出血をハンカチなどで押さえて止血する。


「これでひとまずってところか」


あくまで安全な場所に移しただけで、頭からの出血を止めただけで、医療機関に移さなきゃ安心出来ない。


「!?」


俺は運び終えてたまたま通路のドアを見た。そこには化け物がいた。

そういえばこいつらは足音も呼吸音もしてない。気づけたのは運が良かった。俺は距離を詰めて手を光らせて化け物に殴りかかった。化け物が弾ける。ビシャ。周りに黒い液体が飛び散る。


「どうした神凪!」


「化け物が入ってきました!足止めをするので会長は解除に集中してください!」


「わかった!」


化け物はまだ居る。見た限りでは4体。そのうち1体は一回り大きい特異個体だ。俺は思考した。


勝てるか?三体は倒せるだろう。だが、特異個体は別だ。触れただけでは倒せない可能性が高い。この力は同格かそれ以下の物にしか通用しない。

特異個体はこの力より強い。


俺の思考は纏まった。三体を素早く処理して特異個体の足止めをする。時間を稼ぎ、解除が終わった会長と協力して倒す。これしかない。


俺は化け物の懐に入り手を横に凪いで2体倒す。バックステップで後ろに飛び近づいてきた一体にカウンターを決める。


よし!これで三体は倒したぞ。

目を見据える。特異個体は品定めが終わったのかゆっくりと近づいてくる。

俺は十分な距離を保ちつつ、相手の攻撃を待つ。直後、特異個体は飛びかかってきた。


「な!?」


予想を上回るスピードだった。距離を開けておいて正解だった。俺は咄嗟に体を捻って飛びのいた。


特異個体の攻撃は終わらない。続けて触手のような物を鞭のようにしならせて飛ばしてくる。俺はそれをギリギリでかわして。触手を殴る。


(ダメか!)


触手は消えない。俺はすぐに距離を取る。これ以上攻められたら部屋に入られてしまう。


「解除終わったぞ!」


会長は俺の姿を見て状況を瞬時に判断した。


「大蛇よ。行け!」


そう会長が叫ぶと後ろから大蛇が伸びて化け物に絡みつく。だが、特異個体が触手をしならせて大蛇を叩きのめす。大蛇は剥がれ落ちて消えた。


「ダメだ!強すぎる!」


あのフードの男はこれを一撃で消したのか?改めてその規格外の強さを思い知らされた。


頭に何かが浮かんでくる。それは鎖だ。白銀に輝く天銀の鎖。それは全てを封じる。


「会長!俺が動きを止めるので大蛇で攻撃してください!」


「わかった!」


俺は右手を前に突き出して口から言葉が出てきた。


「天銀の鎖!」


手から白銀の鎖が現れ、特異個体に一瞬にして巻きつく。特異個体は暴れるが鎖は千切れることはない。

使っておいて自分が驚いている。この鎖と手の光は一緒に使えないと頭に流れ込んでくる。


「大蛇よ!貫け!」


三体の大蛇が現れて特異個体に突き刺さる。


「うおぉぉぉ!」


会長は叫ぶ。大蛇は突き刺しては戻り、突き刺しては戻りを繰り返し、数えられないほど特異個体に突き刺さった後、特異個体は弾けた。


「はぁはぁはぁ......」


「やっとか......神凪。境界の源を壊してくれ」


会長は肩を貸してくれて俺と会長は境界の源の前に辿り着く。


俺は手に力を込めて光らせ、それに触れた。


すると鏡が割れるようにパリーンと音を立てて消滅した。


「これで......終わったのか?」


直後、頭に声が流れてくる。


『聞こえるか?どうやら戦闘は終わったようだ。よくやった。ちなみにこの念話は一方的にしか喋れない。俺はこの街に潜伏する。用があるときは話しかける』


「終わったようだね。私は人工太陽の稼働と電気の復旧を行う。君はどうする?」


「俺は人を呼んできて倒れてる人を病院に運んでもらう。その後は父と妹を探しに行く」


「わかった。片付いたらまた会おう」


俺達はそう言って別れた。俺は研究所を出ると近くの避難所にいる人に救助を要請して研究所に戻ってきて案内をした。


その後、俺は警察署に向かった。

街は見るも無残な物だ。ここにさっきまで人が住んでいたなんて思えない。ビルなどの高層建築物は壊れている。


科学災害に巻き込まれたのは初めてだ。歴史的には2022年に人工太陽の稼働実験での放射が有名だ。

放射能はその段階では取り除く手段があるため大事には至らなかった。

人工太陽はその後の実験で見事に稼働を確認したそうだ。


そして警察署に着いた。

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