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境界のアビス  作者: 棗喰う
天秤編
10/12

第10話 表裏一体

天秤編 表裏一体


「今帰った」


俺は事務所のドアを開いてそう言った。この事務所は3ヶ月前から使用している。


「おかえりー!先輩‼︎」


出迎えてくれたのは無邪気な笑顔を浮かべる馬鹿一名。彼は俺の後輩にして唯一の裁判権を所持している者だ。


「あぁ。起きたか立川」


「そりゃもちろんですよ!快適な睡眠でしたよぉ〜。ところで今何時ですか?」


俺は腕時計を見て答える。


「14時だ。お前は生活習慣を正せ」


「いや〜だっていつまでも明るいから時間がわからないんですよねぇー?」


何せ人工太陽は核融合が永続的に起きて燃え続けているから止めることはできないのだ。再点火にかかるエネルギーは頭がおかしいぐらいかかるからな。会長曰く、スイスの奴よりはエネルギー効率は格段に良いらしいが、俺は専門家じゃないためサッパリだ。


「お前は昔からそんなんだったら。人工太陽のせいにするな」


「そんな!そんなわけ......ありました!昔から12時登校とかしてましたね〜」


懐かしそうに思い出してる馬鹿は真面目な話になると真面目になるのだ。そこの切り替えができているからこそ昔は風紀委員の副委員長だった。良くも悪くも神話因子の影響を全く受けてないのはいいんだけどね。


「立川。稲月も交えて話をしたい」


「了解であります!」


ゴキブリの様な速さでソファーに座った立川。その前には本を読んでいる稲月がいる。俺は2人と合わせて三角形になる様に座った。


「話というのはまず、アビスと接触してきた。要点をまとめて話す」


俺はアビスとエルのことを話た。


「理解しました!先輩が僕と稲月に頼みたいのはエルと呼ばれる女神の捜索ですね!いや〜長らく暇でしたので張り切りますよぉ!」


頭の回転の速さとその憎めない性格は羨ましくも思うよう。全く。


『了解。以後、それらしき人物。またはそれに類する者を探知したら通達します』


無表情でそう言った稲月。ここにいる稲月も立川も有能だが、特殊な奴らだ。だが、俺も人のことは言えない。


「話が早くて助かる。そして立川。巡回の時間だ。行くぞ」


「巡回という名の散歩ですね!待っててください!虫網と虫籠を取ってきますねー」


『虫籠と虫網なら物置の棚にあります』


「律儀に答えなくていい」


事務所から出て巡回ルートを歩いている。外はそれなりに人で溢れている。学生が下校したり仕事帰りの者が多い。いまの労働体制はローマのそれと似てて朝から昼が基本だ。


「先輩、稲月を置いてきていいんですか?」


「あぁ。今日からあいつには警戒をつよめて貰わなければな」


アビスの情報を渡したところ、奴は地下から動いてないとのことだ。本当に便利だよなあいつの魔眼。


「それにエルについても対策を講じなければな」


「なるほど!......アレ?」


「どうし......」


言いかけて気づいた。通信用携帯が鳴った。これにメールを送るのは1人だけだ。


『地点Fの32にて強盗を確認しました。近くの者は速やかに捕縛に向かいなさい』


どうやら犯罪者が出たようだ。この境界に来てから犯罪は最初方は数件あったがここ最近はなかった。実に4ヶ月ぶりだ。俺たちの仕事は巡回して困った人を助けたりするのがほとんどだったりする。


「立川、行くぞ」


「了解です、先輩。」


立川は切り替えて顔をシャキッとして

そう答えた。俺たちは添付された逃走ルート予測に従って移動する。稲月の魔眼は多少の予知が出来るため逃走ルートの予測が可能なのだ。路地を抜けて屋根を走る。地上は通行人がいるため、走るのが遅くなるからだ。それに因子で身体能力は向上してるため、屋根を走った方が早い。


「見えた。情報にあった男だ。俺が正面に出る」


「了解」


立川は俺から離れて俺はその場から飛び降りて強盗を犯した者の前に降り立った。

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