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時の迷い子  作者: 塔府
1/1

目が覚めて入学式

ノリと勢いだけで書きました

「本日はご入学おめでとうございます。この春の風が校舎を吹き抜け新しい出会いを予感されるこのよき日に新入生の皆さんをこの尾野(オノ)高等学校へ……」

校長が長々と歓迎の言葉を述べているが俺にはそんなことはどうでもいい、というより式の時にやたら長々と喋る校長が一般的だと思うがその話を聞いていない人間が大半だということを世の校長たちは自覚しているのだろうか?

今、俺の目の前にいるこの校長も話が長く、よく日程がずれたものだ

しかし、なんで俺一カ月ほど前に卒業したはずの学校にまた入学しているのだろう

確かに俺はあの日卒業しているはずである、それで卒業後は入社までの間ひたすら自室に籠っていてひたすらゲームなどに没頭したのを覚えているし、この尾野高校で歩んできた3年間も頭に入っている

入社式前夜にふかふかベッドで眠りにつきそして目が覚めたと思ったら目の前に見覚えのある頭が良く光る校長のご尊顔である

どうしてこうなった…


突然のこの状況に訳が分からなくなり逃避するように下を向くと驚くことに俺の恋人兼相棒こと、右手がずいぶんと白く細くなってしまっているのである勿論俺の補助職左手もである

これだけならまだ俺の目玉が富士山するだけで済んだのだが両手を確認した時に俺の視界に見慣れているけど決して俺が着用しているはずのない物が見えたのだ

そんなはずはと思いもう一度見てみるとやはり見慣れている赤色のチェックのスカートが目に飛び込んでくる…

俺はなぜか女子用の制服を着用しているのだ

ここまでが俺が目覚めて?から頭がLEDライトなエコな校長の長話中にわかったことだが何故俺はスカートをはいているのか?

想定される答えは


ここはスコットランドだった    以上

「それはないでしょうワトソン君」

突然俺の脳内に煙管をくわえた探偵風な胡散臭い男が一人

「あなたの視界に先ほどから稀に入ってくる髪の毛は金色である、違いますか?」

突然俺の思考の海の中に現れたこの探偵風な男だが探偵ごっこでもしたいのだろうか?まぁ質問されているので答えてあげよう

「確かにそうだけど染めたのかこれ?高校デビューとかいうのか?高校デビューではじけすぎて女子制服着ちゃった痛い子なのか俺?」

「いえいえそんなことはありませんよ、しかし男子の髪は基本的に短いし視界に入ることは長髪でもない限りないでしょう?」

「だけど入学式で長髪だんてほぼありえないというわけだろうがそのほぼなんじゃないのか??」

「確かにほぼなのかもしれませんがそれを確証する方法があるのです」

なぜか嫌な予感がするが聞いておこう!!

「なんと!!それはほんとうですか!?」

探偵風の男…以後ほむさんと呼称しよう、ほむさんはゆっくりと口から煙を吐き出しこちらを相変わらず胡散臭いにやけ顔で見てゆっくりと口を動かす

「ええ、本当ですとも、式典のとき男性は両膝を離し膝の上に握り拳を置くのが基本ですが女性の場合どうでしょう??」

「そりゃ勿論両手n「そう両膝をくっつけそのくっついた両膝の上に両手を重ねるように置きますね?そこでです。あなたにはそれをやって見せてほしい」

ドヤ顔でほむさんの問いに答えようとしたのにきれらたことに苛立ちつつほむさんの言ったとに両手を重ねる

「股間のあたりに違和感を覚えませんかな??」

そう言われててみてちょっと手を動かし確認してみるとほむさんの言うとおり何かおかしい、何がとは言わないがナニがおかしい、というよりもナニがなくね?

「お、おいこれは、ど、どういうことだよ!?」

「そして最後に一つあなたはこの状況において決定的な証拠であるものを見落としているのではなく無視しているのではないのかな?」

焦ってまともに思考できない俺に対し冷静なほむさんの口調にさらに俺は焦る

「あなたは、先ほどから下のほうを見るたびに視界に入る胸のふくらみに気づいていながらも無視していた違いますか?」

ほむさんの有無を言わせない口調に俺はもう何も答えられない、いや答えたくない

「答えたくないのなら私が答えてあげましょう」

ほむさんに慈悲の心はないのだろうか?というより俺の脳内どうなってんだよ

「あなたの胸のあたりにあるそのふくらみそして長い髪の毛、女子制服を着用している、体格やも華奢になっているそして白く細い腕それこそ女人のように、さらに股間にあった童帝の名を冠するモノの消失これらのことから導き出される答えは貴方は貴女になっている、違いますか?」

わかっていたさ、わかっていたとも、だが!!「現実から少しくらい目を背けてもいいだろう!?」

「ええ、現実逃避という行為は必要となるときもありますが貴女が今置かれている状況でそれができましたか?」

ほむさんはゆっくりと諭すように問いかけてくる、でもやっぱり俺にはその問いに答えるなんでできない

「できなっかったはずでしょう、逃げるという行為は時と場合によれば正当化されますが逃げの一手を打つというのは事態の好転を狙ってやるものです。決して解答のさきのばしや事態の保留をするときに使うものじゃない、保留を続ければ己の置かれる状況はさらに悪化し気が付いたときには手遅れとなるものです。ではもう一度問ましょう貴女は女性になっている違いますか?」

ほむさんの言うとおり現実を認める時が来てしまったのだろういままで長い時間をかけて目を背け続けてきたことを認めよう

俺はゆっくりと大きく息を吸い心を落ち着かせ答える

「ああ、確かに俺は女になっているみたいだ」

その瞬間ほむさんホッと息を吐き満面の笑みをつくる、きっと詐欺師が詐欺に成功したことを悟ったときこんな顔をするんだろう

「ようやく認めることができましたね?貴女が前を向いたならば私の役目は終わったようです。これから先目を背けたくなるようなことはたくさんあると思いますがしっかりと己の目で正しく見つめ冷静に対処することにより必ず貴女は幸多き人生を歩むと信じておりますよ」

そう言ってほむさんは俺の思考の中の暗い闇へと溶けていった


俺の頭は大丈夫なのかと思わんこともないが今は自分の身に起きているこの不可解な現象を解析することにする

まだあの禿はお話し中で俺の前の席の女子は眠りの世界に旅行中だ先ほどより寝息が聞こえるし頭が日本海の荒波にさらされるが如くこっくりこっくり動いているそしてチラチラと周りの人間がこちらを見てきている…

仲間にしますか?

当然答えはNOだが何故こんなにもちら見されなければならないのか?俺の頭の上に粗大ごみでも乗っているのか、それとも先程の探偵風の男ことほむさんとの脳内での会話が俺の口からダダ漏れしていたのか?ということが想定されるが間違いなく後者であろう、ただ後者だとしたらすごい恥ずかしい…

だって入学式中に独り言をひたすら漏らし続ける女なんて即クレイジー認定試験合格だろう

今チラ見してきている奴らは俺がクレイジー検定何級なのかをテストしているに違いない…

アレ??今気づいたがこちらを凝視している俺の隣の男子の顔に見覚えがあるのだ

確かあいつは三年間一緒のクラスだったクールな男(笑)の棗冶三郎(ナツメジサブロウ)ではないか!?よく見ると他にも見知った顔がチラホラと見えるし新入生全員が一度は目にしている顔である…

つまりどういうことなのだろうかと、混乱しつつ辺りを見回すがこちらをチラ見していたクレイジー検定の試験官が何故か顔を赤くして勢いよく顔を逸らすだけで特にはなんの情報もえれそうにない

ん?あれは!!そこで目に入ったのは『平成25年度入学式式次第』という文字だが、平成25年なのである、俺の卒業は平成27年なのでつまり三年前なのかな?

えええええええええええええええええええええええええええ!!!!

混乱のおさまらない中ひとつ俺の頭の中に浮かんだ単語がある

やっぱりこれはアレなのだろうか俺の豆腐の心が必死に違う!これは教師が間違えて平成25年と記載したのだと訴えているがやはりアレなのだろう


前略

お父さん、お母さん、この度、息子浦孝作(ウラコウサク)は娘となってしまったうえにタイムスリップとやらで3年前に居るようです。

自分が何故こうなったのか分かりませぬ俺はどうしたらいいのでしょう?

やっぱりあの日あの時あの場所で君に会えなかったのが問題だったのでしょうか?



「以上をもちまして平成25年度入学式を閉会致します」






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