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俺のウェポンは頼れない!  作者: @ユーキ
芽園学区編
5/5

帰宅

 発展した街並みで地平線は見えないが、沈んでいく太陽が街を紅に染めていく。

 かえでが犯人グループを制圧し事件は解決。現在3人は帰路についている。


「疲れたぁ」

 舗装されたアスファルトの上を自転車で走りつつ一颯は溜め息をこぼす。


「今回は私の活躍あってこそね。学校で広めて良くってよ」

「今日は早めに寝るか」

「ちょっと、普通にスルーしないで下さる?」

「じゃあ俺コッチから帰るわ」

「一颯君また明日ー」

「なんなのよ!」



 家は住宅街の一角にある。

 学生寮という選択肢もあったが、やはり家が落ち着くという事で残った。

 今では学生でも料理ぐらい出来て普通らしいが全員が当てはまるわけでもない。

 一颯の得意料理はスクランブルエッグ、ゆで卵、目玉焼き。






「ただいまー」

「一颯兄ぃ!」

 妹の中学2年の福塔風音(かざね)がリビングから叫ぶ。

 近所の中学校に通っていて先生からも男子からも評価が高い、一颯の自慢の妹である。


「なんだなんだ?」

「今日、銀行強盗に巻き込まれんたんでしょ?」

「そうだけど。なんでそれを」

「楓兄から聞いた」

 アイツか、と顔を歪める。


「で、どうだったの?」

「どうもこうも、見ての通り何もなかった」

「面白くなーい」

「いやいや、コミカル求めてないから。ところで母さんは?」

「なんかね、仕事の都合で夜遅くなるらしいよ。ま、晩ご飯は私が作るから」

「勉強で忙しいのに悪いな。手伝おうか?」

「邪魔だし、料理が台無しになっちゃうでしょ」

「え、なになに? 毒舌流行ってんの?」

 肩を落として一颯はリビングを後にして2階にある自分の部屋に向かった。


 そこからの行動は早く、部屋に入るなり鞄を机に放って制服から部屋着に着替えてベッドに体重を預ける。

「ホント、疲れたなー」

 この言葉を最後に少年は眠りについた。








 ボヤけた視界で時計を見る。

(何時だろう)

 21時を回ったのを確認してベッドから身体を起こす。

(そろそろ降りるか)

 ドアを引き、はいってくる光に目をしかめ、階段を降りる。



「もうっ、一颯兄ってば遅い!」

 リビングに入るなり妹の風音が指摘。

「わるいわるい。こんなに寝るつもりはなかったんだ」


「遅いぞ、一颯」と、紅茶が注がれたコップを口に運びながら楓は口にする。

「わるいわるい。こんなに寝るつもりは――って今さっき言ったわ!」

「はいはい。夕飯できたから早く座って」

 妹に流され、何か言いたげな顔を残し一颯は席につく。


「あの後、楓はどうしたんだ?」

「どうもこうも何もねぇ。あ、でも今回のグループはなかなか大きかったみたいだな」

「今回も全部、楓の手柄か」

「お前、そんなの気にしてたのか? 小さいなぁ」

「そ、そういうワケじゃねぇよ」

 飲食店にあっても問題ないクオリティのスパゲティを巻きながら声をあげた。

「そんなことより、一颯。お前の机のアレなんだ? また露出の高いフィギュアを買ったもんだな」

「違うわ! クジ引きで当たったんだ」

「相変わらず幸運だけが取り柄だな」

「くっ……、俺たちのウェポンが逆だったら面白かったのにな」

「俺は運が悪いからなー。羨ましい羨ましい」

 ワザとらしい棒読みにワナワナと拳を震わせる。


「ごちそうさま。俺はもう部屋に戻るわ。疲れたし考えることもあるしな」

「へー、珍しいね。楓兄が考えごとなんてさ」

「俺でも考えごとの一つくらいあるわ」

 妹にバカにされた楓はトボトボ部屋を後にした。

「私は、今からお風呂入るけど一颯兄はどうする?」

「俺はシャワーだけ浴びて、もう寝るわ」

「よくそんなに寝れるわね」

「特技だから」と、そう言って楓を追うように一颯も階段を上がる。


 時刻は22時を回ったところだった。

久々の更新です。コレからは頑張って更新頻度を上げていきたいです。

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