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告白
「私はあなたを好きになる自信がないの。
だって、私よりずっとあなたのこと好きな人がいるんだもん」
噂で聞いた。
小林さんは
そう言ってあなたを振ったらしい。
どういうこと?
小林さんは私の気持ちを知ってるの?
確かめたくて
私は小林さんを呼びとめた。
隣にいた遠藤さんが
「あ、可奈子!
本田さんてこの人だよ」
と好奇心の目で見てくる。
小林さんは
「本田さん、私に話があるみたい。
ちょっと席を外してもらっていい?」
と遠藤さんに言った。
その顔は私がこう言ってくるのを
待ってたようにも見えた。
2人きりになってから
私は初めて話すクラスメイトに
緊張しながらも質問した。
すると
小林さんはしれっと答えた。
「SNSで本田さんが呟いたでしょ」
「でも、あれで何であの人が好きなのが分かるの?!」
「自分で考えみれば?
私は本田さんの結末に興味があるの」
「結末?」
「そう。
ステキな結末になるといいわね」
そこで
私は赤面した。
この人はあれを読んだのか?
私の顔を見て
小林さんは楽しそうに笑った。
「自分の物語の結末くらい
自分で決めてみたらどうかしら?」